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10、僕がすること

 

 僕の心情なんてお構いなしに、無情にも季節は巡り、悲しみの底にいつまでも沈んでいたかった僕を無理やり現実に引き戻す。


 時間の経過とともに何かが薄れて行き、しかしそれを手放したくなくてあがいていたけれど、それはかなわなかった。それは僕が生きていて、時間という流れに乗っているからだと思う。




 春がまた来て、校門前の桜が満開になったころ、僕は一人部室で紙の束をせっせと整理していた。新品のテーブルはなんだかちょっと居心地悪いけれど、まぁ、それもすぐ慣れるだろう。


 校門前が騒がしくなってきた。僕もそろそろ行かなければ。昨日はまるで成果がなかったけれど、今日こそは。

 椅子から立ち上がろうとしたところで、ふいに部室のドアがノックされた。


「はい?どうぞ」


 そう言うと、ガンッと言う音がして少々驚く。―――あぁ、引き戸なのに、押し戸と間違えたな。

 僕は苦笑とともにドアに歩み寄り、ゆっくりと横にスライドさせた。


「はい。ボランティアサークルにようこそ!最初に言っておくけれど、ここはサークルであって部ではないよ。学校には一応届け出はしているけれど、部員が集まるまで同好会扱いだから、入っても内伸点は上がらない。それでもいいという人はどうぞ入ってください。僕はあなたを歓迎するよ?」


 あらかじめ用意しておいた言葉をぎこちない笑みとともに一息に言う。


「・・・・」


 目の前の女生徒は驚いたように目をまん丸くして固まっている。


・・・あれ。ちょっと唐突すぎたかな。


「あ、ごめん、あの・・・」


 僕はおろおろしながら彼女の様子をうかがう。対する彼女もあわあわしながら恥ずかしそうに下を向いて「こ、これ!」と一枚のチラシを掲げる。

 それは去年僕たちが作った、この部の宣伝チラシだった。そして年度だけ書き変えて、僕が昨日校門前で新入生に配った物。


「これ見て、入りたいと思って来たんですけど・・・」


 そう言って再び顔をあげた少女。あれ、この子、どこかで・・・

 そう思った時、相手もそれに気がついたのか「あっ」と声をあげた。


「お兄さん!?」

「やぁ、君か。久しぶりだね」


 僕は懐かしい顔に出会い、なんだかほっとした。「どうぞ?」と彼女を中へ招き入れる。そして席に着かせながら


「じゃあ、まず自己紹介から・・・」

「え?あの、他の部員さんは?」

「あぁ、残念ながら僕一人なんだ。部長の丹羽春樹です」


 僕はさも当然と言ったふうに答えた。すると彼女は一瞬だけびっくりしたようだったけれど、すぐにおかしそうに笑って


「宜しくお願いします。丹羽部長。草川詩織です」


 彼女は春の日だまりのような、ふんわりと柔らかい笑顔を浮かべた。その顔はあの時の幼さをわずかに残してはいるものの、時間の経過を感じさせた。



 ねぇ、先輩。時間は待ってはくれないから、僕も僕にできることをやることにしました。僕の大切なこの場所で、僕たちの活動を次につなげていくこと。先輩がやりたかったこと、カズトが残した思い、それらとともに、この場所を守る。

 先輩のように度胸がないので、僕は学校に申請して、この場所の使用権をきちんともらったけれど。





 ねぇ、先輩。

 最後に一つだけ。


 僕は・・・僕は、あなたが好きです。



 

 終わったぁ!!

2番目の作品ようやく完成です☆

でもこんなに長くなる予定じゃなかったんですけどね・・・。何で?

そして心残りは先輩の名前が自己紹介の一回きりしか出で来なかったことです。せっかく可愛い名前つけたのに・・・。


 なにはともあれ、最後まで読んでくださった皆さん、お疲れさまでした。そして読んでくださり、ありがとうございます。もし感想をいただけるのであれば、土下座して喜びます。


 そして何より・・・拙い文章ですみません。

酷評でもかまいません。お気づきの点があれば、遠慮なくお申し付けください。この作品が少しでも良くなれば私としても嬉しいので。


では、長くなりましたが、これにて。

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