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絶対妹大戦  作者: 長門葵
4章~緊張観覧席の憂鬱~
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緊張観覧席の憂鬱Ⅱ

学校について玄関で麻貴(まき)とわかれ教室に向かうと(あや)が席に座って日誌を書いていた。


「今週は週番だっけ?」


「うん、だから早起きしなきゃだから眠くて」


「お~、絢ちゃんおねむかい?なんだったら俺の胸で・・・」


「だまれ、ゲスが」


「ざくっ」


見事に千尋(ちひろ)の蹴りが敏樹(としき)の腹に命中する。


そのまま空中を飛んだ敏樹が扉にぶつかろうとした瞬間、扉が開かれた。


「あぶなっ」


敏樹がそのまま教室に入ってきた人にぶつかると思われた。


しかし、その人(よく見れば女性)は敏樹をきれいに蹴り返してきた。


「な・・・ぜ」


そのまま敏樹はきれいな放物線を描き、ゴミ箱へと突入した。


「おお、相変わらずきれいな蹴りだな」


「お久しぶりです、鬼ヶ島さん」


彼女の名前は鬼ヶ島渚(おにがしまなぎさ)。千尋と絢のクラスメートだ。


「しかし、今日からだっけ。謹慎がとけるのって」


「ああ、僕が学校来たら悪いかよ」


「悪いことはないよ。逆に謹慎になったことが不思議なくらいだよ」


「まぁ、手を出したのは確かだからな」


渚は昨日までの一週間、謹慎処分を受けていた。


不良に絡まれた成兄学院の生徒を助けるために仲裁に入ったのだが・・・どうも不良の沸点が低かったらしく渚はそれに対応してお仕置きをしてやったということだ。


渚は何も悪びれることはないのだが、学院側としても世間体というものがあり、形だけという処分が下った。


その夜の学院のホームページは、渚に助けてもらった人(女子が過半数、残りは熱狂的な渚ファンの男子)により炎上したとか・・・


「でも、一週間休んでたとは思えない蹴りだったよ」


「お前こそ、そこそこ良いフォームだったよ」


正直、そんなことを言われてもうれしくはないのだが、渚はなぜか千尋をライバル視しており、何かと勝負を挑んでくる。


それを、一度敏樹に相談したところ


「そんなのなぁ。ぐふふ、俺の口からは言えねえよ」


と、にやにやされた。その後、敏樹は渚に吹っ飛ばされていた。


「おはよう、さっそく朝のHR(ホームルーム)を始まるぞ・・・何してる?前園」


担任教師が入ってくると目の前の光景に疑問符を上げていた。なんせ、敏樹が尻を向けた状態でゴミ箱に頭から入り込んでいるのだから。


「先生、助けて!!」


「残念ながらお前から没収した雑誌はそこには入ってないぞ」


敏樹の必死の叫びも担任教師には届くこともなく、クラスメートの笑いに変えられた。


「まったく、あとで職員室な」


「・・・その前に出してください」


大・爆・笑。



その後、いつも通り授業は進んだ。しかし、千尋の周りではいくらかヒソヒソとした声が聞こえた。

正確には渚の周りでと言うべきなのかもしれない。


やはり、謹慎という事態は色々な噂を呼ぶ。


そして、噂は必ず尾びれをつけて出回るものだ。


少しむかついたが、千尋が隣を見ると渚は平然とした顔で授業を受けている。本人が動かないのに他人が動いても逆効果かと思い、千尋は目の前の授業に集中した。


そして時間は過ぎ、お昼休みとなった。


「お兄ちゃん、ご飯食べよ」


「あ、うん。そうだな」


千尋はそう頷きながら渚の方を見た。渚はコンビニ弁当を机の上に広げていた。


「ごめん。先、行ってて」


そう絢に言って、千尋は渚の席まで歩いて行った。


「鬼ヶ島、ちょっといい?」


「ん?なんだ。僕はこれからお昼なんだけど」


「それなんだけど、俺らと一緒にどう?」


「ん?なぜだ」


「理由は特にないけど、一緒に食べたいなぁと思って。おい、前園。お前も行くだろ」


「おお、俺もいいのか。ありがとう、心の友よ」


「ほら、鬼ヶ島も」


「ちょっと、ま・・・・・・」


千尋は渚の手をとり、そのまま屋上へと強引に連れ出した。



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