闇夜を飾る純愛のオーロラⅡ
土下座した前園に固まるクラス中の空気。
千尋だけは状況を理解していた。
が故に、大きなため息が口から顔を見せる。
「前園・・・パーティーの誘いってまた何かあったのか?」
「まぁ、そう言うこと」
「おい、千尋。僕にはさっぱりなんだが」
「ああ、その・・・なんだ」
ばつが悪そうに頭をかく千尋。そして、一度敏樹に視線を送る。
送られた当の本人はにこにこと笑っていた。
それを了承の意だと捉えた千尋は小さく息を吐き、話し始まった。
「実はこいつの家、仕事柄、結構行事ごとにパーティーやらに呼ばれる事があってさ。そんで、暇だからってよく俺もつれて行かれたんだよ」
「そういえば、2人は昔からの仲だったな」
「まぁ〜ね。だからってやくなよ〜鬼ヶ島ちゃん」
「で、それが土下座までして頼みこむお願いか」
「華麗なるスルー!!!」
「まぁ、そうなんだろうけど・・・。いつもならもっと軽い感じで言ってくるのに隠すって事は何かしら裏がありそうで・・・正直、嫌だ」
「頼むよ、千尋ぉ〜」
「な!?抱きつくなうっとうしい」
千尋が抱きついてきた敏樹と格闘し始めると教室の角で女子が噂話に花を咲かし始めた。
「ねぇねぇ、前園くんと間宮くんてぇ〜やっぱり!?」
「でもでも、鬼ヶ島さんと間宮くんも捨て難いと言うか」
「じゃあ、前園くんと鬼ヶ島さんが間宮くんをかけて争うの!?」
「「「きゃ〜!!!」」」
千尋は背筋にものすごい寒気を感じた。
「まぁ、千尋。パーティーに行くだけだ。良いんじゃないか?」
「まぁ、そうなんだけど・・・・・・」
「とりあえずそのクズを黙らしてくれ」
「だってよ。千尋!良いだろう?」
「まぁ、パーティー行くだけなら」
「やったー!!」
喜びはしゃぐ敏樹を見ながら嫌な予感を拭えない千尋だった。




