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絶対妹大戦  作者: 長門葵
9章~料理が火を噴くバトルロワイヤル~
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料理が火を噴くバトルロワイヤルⅩⅣ


「で。結局、お前は誰と遊園地に行くんだよ?」


空気が一瞬にして固まる。


千尋を囲む妹たちが一斉に千尋の服の端を握り締める。


千尋の顔は一瞬にして冷や汗に占拠される。


「・・・千尋さん・・・・・・答えは?」


絢のドスの利いた声が千尋に更なる緊張感を与える。


「ほ、ほら、勝負は引き分けだったし、み・・・」


「まさか、みんなで行くなんて言うほどちぃ兄はヘタレじゃないよね?」


「うっ!」


麻貴に先に釘をうたれてしまった。


千尋が唯一の逃げ道として用意した『みんなで遊園地に行っちゃいなYO!』大作戦・・・発動前に撃ち落とされた。


「さて、千尋審査員長は誰を選ぶのでしょうか?」


「前園・・・後で覚えてろ」


「よそ見しないで!!」


「はい!!」


「で」


「ちぃ兄は」


「誰と」


「遊園地に」


「行きたいのかしら」


「うっ!」


妹たちが「さぁ、さぁ!!」声を揃えながら千尋に迫っていく。


「わかった!!今決めるからそうせかすな」


千尋がそう言うと妹たちは唇を尖らせ、不服そうな表情をつくる。


そんな表情に千尋は我が妹ながら可愛いと思ってしまった。


口には出せないが


妹たちの顔を吟味するかのように見比べる。


「よし、決めた」


「「「「「っ!」」」」」


「俺が遊園地に連れて行くのは・・・」


「「「「「ごくり」」」」」


「にやり」


「ちょっ、前園・・・そこでにやりはないだろ」


「いいじゃないか。気にせず進めて」


「ったく。・・・ごほん。では改めて」


千尋がゆっくりと手をあげる。


その指先に指された一人が千尋と遊園地に行けるという仕組みらしい。


「遊園地に一緒にいってもらうのはあなたです」


千尋の指の先にいるのは――



――――葵だった。


「い、一応、理由をきいていいかな?」


顔をひくつかせながら絢が聞いてくる。


理由によっては怒り出しそうな勢いだった。


「まぁ、簡単な理由だよ。もともと葵と遊園地に行く約束だったんだ。その葵を選ぶのは当たり前だろ?」


千尋の口からでた正論に妹たちは頷くしかなかった。


そこで、騒がしい朝食は終わった。


「あ〜、遊園地行きたかったな」


「文句言いなさんな。今度親父とかも誘って家族みんなで行こうよ」


「おお、じゃ、お兄ちゃん。香奈はジェットコースターに乗れるのか!?」


「あぁ、いっぱい乗れるよ」


そんな談笑をしながら、各自室に戻って言った。


千尋も戻ろうとしたら、不意に後ろから引っ張られた。


びっくりしながらも振り向くと葵が顔を赤くしながら服の裾を握っていた


「どうした?」


「そ、その・・・ありがとう」


それだけを言い残して葵は走り去った。


「な、何なんだ」


リビングに取り残された千尋は鼻の頭をかきながら、立ち尽くした。


「とりあえず、麦茶でも飲むか」


キッチンに足を踏み入れる。


「お、お、お・・・・・・」


そこには悲惨な惨劇の跡が・・・。





「お前らぁあぁぁあぁああぁぁぁあぁあ!!」






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