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絶対妹大戦  作者: 長門葵
9章~料理が火を噴くバトルロワイヤル~
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料理が火を噴くバトルロワイヤル


皆も一度くらいは体験があるんじゃないだろうか。


朝起きると体に変な違和感を感じること。


俺こと間宮千尋(まみやちひろ)も幾度か経験したことがある。


今朝も手足に冷たくかたい感覚が……………?


何故だろうか。


ベッドの温もりがない。


嫌の予感をヒシヒシと肌に感じながら、ゆっくりと目を開く。


「…………」


場所は自室のベッドではなく、自宅リビング。


目の前には五人の義妹。


鎖で縛られた手足。


俺は何故、パジャマで自宅のリビングに鎖なんてめっそうもないもので縛りあげら

れているのだろうか。


「おはよう、お兄ちゃん」


「ああ、おはよ………じゃねぇぇぇぇぇええぇぇえええぇぇぇぇ」



凰華との過去にけじめをつけてから一週間。


千尋が生徒会役員となり、新生徒会も学校になじみ始めた。


そして、千尋が生徒会副会長となってから初めての休日。




千尋は鎖で吊るしあげられていた。




「おい、これはどういうことだ?俺の自慢の妹たちよ」


妹たちはにこりと仮面じみた笑顔を一斉に浮かべる。


「それはお兄ちゃんの方が知ってるんじゃないか?」


「本当にわからないなんて言わないよね?」


香菜と絢が今にも食いかかりそうなオーラを背中から放っていた。


絢に関しては額に血管を浮かべて、笑っていた口の端がひくついている。


「な、何のことだ!!話がさっぱり見えないぞ」


少し気押されながらも精いっぱい批判の声をあげる千尋。


だが、妹たちは一向にその態度を崩そうとはしなかった。


「お兄さまはなんて愚かなんでしょう?」


「はぁ?さっぱり意味がわからん」


「ちぃにい…本気で言ってる?バカなの?」


「本気だよ。それにお前にはバカ呼ばわりされたくはないぞ麻貴」


千尋は呆れたようにため息をついた。


その態度に妹たちは笑顔のまま千尋を罵倒し続ける。


唯一、葵だけが無言のままただ千尋を見つめていた。


それに気付いた千尋は助けを求めるように葵に話しかける。


「あ、葵!!なんか皆がおかしいんだ。ここから降ろしてくれ」


「………やだ」


「なぁっ!!」


葵は頬を膨らませて千尋から顔を背ける。


「あ~あ、アオちゃん可愛そう」


「お兄ちゃん最低だぞ」


麻貴と香菜からの言葉が千尋の心に突き刺さる。


「……何なんだ。せめて理由を聞かせてくれ」


うつむいて涙目になっていた千尋に絢が表情を真剣なものにして一歩近づく。


「本当にわからないの?」


「ああ、さっぱりだ。正直にお前らにこんなことをされるいわれはないと思ってる」


「じゃあ………………」


絢はポケットから小さなシルバーの携帯みたいなものを取り出した。


そして、ボタンを押す。




『なぁ、千尋。これはどう思う?』


『何?凰華姉。…あぁ、これは運動部系がよく使うやつだね。帰りに見とこうか?』


『そう?助かるよ。ふふ、ホント、私のナイト様は頼りなる』


『なぁっ!!何言ってるんだよ!!』


『ははは、可愛いな千尋。』


『もう、凰華姉は…』




そこで音声は止められた。






「お兄ちゃんは…いや、ちぃくんはいつからこんなにあの女と仲良くなったの!!」






絢の怒号が家どころか近所中までに響き渡った。

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