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絶対妹大戦  作者: 長門葵
14章~水も恋も流れは廻るのだ~
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水も恋も流れは廻るのだ!ⅩⅩⅣ

お久しぶりです。

コロナ禍で時間が逆になくなってしまい、

気づけば投稿が一年以上止まってしまいました。

申し訳ありません( ノ;_ _)ノ


今回は縁結びの続きです。

では、本編をどうぞ

昼間とは表情を変え、夜空の星々に負けぬ輝きを見せるプールで、縁結びのご利益があるとしたハートの形をした二枚貝に思い人の名前を書いた千尋(ちひろ)たちは、流れるプールに向かっていた。


「にいちゃん、にいちゃん!誰の名前を書いたんだ?」


 香菜(かな)は隣を歩く千尋の腕を引っ張りながら、直球で聞いた。


 茉那(まな)(なぎさ)もその回答に耳を澄ませた。


 苦笑を浮かべる千尋は敏樹(としき)にアイコンタクトで助けを求めるが、敏樹はまるでそれに気づかない素振りを見せる。


 千尋は観念して、人差し指を左右に降った。


「さっきも言ったろ?こう言うのは言ったらご利益なくなるんだぞ」


 その言葉に香菜は不満そうに唇を付き出して、その後すぐに何かひらめいたようで口端を上げた。


「あたしはにぃちゃんって書いたから、にぃちゃんがあたしの名前を書いたって言ってくれれば言ったかどうかなんて関係なく、すぐにご利益がでるぞ」


 そんな台詞に後ろで控えて茉那が慌てて飛び出してくる。


「お兄様!わたくし!わたくしの名前でもすぐにご利益でますわ」


「なんだよ茉那。邪魔すんなよ」


「邪魔なのは香菜の方よ」


 取っ組み合いを始めそうな二人の頭をポンポンと叩いて、諦めたように笑みを浮かべた。


「俺はお前ら義妹(いもうと)たちが全員、()()()の誰かと幸せになれますように書いたんだよ」


 それを聞いた双子は口をあんぐりと開けて、「ガーン」と口に出してショックを受けていた。


 千尋はそんな二人を置いて数歩前に出ると振り返って言った。


「う·そ」


 その言葉に双子は一瞬ぽかんとし、顔を見合わせる。そして、すぐに「わぁ!」と小さく雄叫びをあげながら千尋に飛びかかった。


「にぃちゃんにぃちゃんにぃちゃん!」


 と香菜は千尋の背中に飛び乗り、ポカポカと背中を叩く。


「お兄さまはヒドいですわ!地獄の悪鬼にも負けず劣らずの所業ですわ」


 と茉那はお腹をペシペシと平手打ちをする。


 千尋は「いたいいたい、あはは」と笑っていた。


 その姿を渚は後ろで見ていた。敏樹はそれを見て渚の耳元に顔を近づけて呟いた。


「同乗すれば大将に抱きつけるチャンスですぜ」


 その言葉に渚は握りこぶしをつくる。それを見て敏樹はすぐに身構えるがその拳が飛来することはなかった。


 そのことに不思議そうな表情を浮かべる敏樹に、渚は千尋の方から視線を外さずに言った。


「今日はあの二人へのご褒美なんだろ?今日ぐらいは我慢するさ。僕だってそれぐらいは空気を読むよ」


 渚は敏樹の方に顔だけ向けて、小さく笑みを浮かべながらその唇に人差し指を当てた。


「それに名前を言っちゃったら、僕のご利益が減るかもしれないだろ」


 その言葉に敏樹は唖然とした。その言葉には然も自分の名前が書かれていると言っているようだ。敏樹はそんな言葉が渚から出ることに大層驚いたが、すぐに悪ガキのような笑みを浮かべる。


「そりゃ大層な自信で。で?本心は」


「めちゃくちゃ気になる」


「あはは!」


 敏樹は大声で笑った。


 それを千尋と双子は不思議そうに見ていた。




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