年二回の大騒ぎⅩⅧ
『かんぱ〜い!』
黄昏時も終わり、月が欠けた笑みを自慢げに見せつける。
間宮家ではお昼が優しく見えるほど、豪華な宴会が開かれていた。
「おつかれさまでした。お母さんは今年もみんなが精一杯がんばってくれたのでうれしい限りです!」
詠子はビールを一気にあおり、ぷはーっと満足げに息を吐く。
「そういえば、お父さんに電話してたけど何を話してたの?」
絢が七面鳥の丸焼きをテーブルにおきながら、詠子の隣に投げ捨てられている電話の子機に視線を向ける。
「大掃除終わったしお父さんもご飯一緒に食べれるかなぁ〜って思って電話したんだけど、お父さん今、ちょうど修羅場らしくてね。今日帰って来れないんだって。もう、こんな綺麗な奥さんをほおっておくなって、男の風上にもおけないわ。だから今日はやけ酒だ〜!!」
すでにお酒が回っているのか足りない舌を多いにまわし大声でそんなことを叫ぶ母親。
そんな姿に周りは苦笑もしくは嫌気満載の表情を浮かべていた。
あとあと面倒だな〜と千尋は思いつつ、用意されたたくさんのおかずに箸をのばす。
少し濃いめの味付けのターキーやあっさりしたサーモンのカルパッチョ、ガーリックとアサリの匂いが食欲を誘うボンゴレパスタ。
広間に用意されたものはどれも疲れた体にどっと元気をくれる一品たちだった。
食事はどんどん進み、詠子のテンションもどんどんハイになっていく。
それに乗っかるように義妹たちも女子トークに華をさかせていた。
千尋は満腹感に満足を覚えながら、少し離れたところで義妹たちの姿をつまみにお茶をすすっていた。
「なんかジジ臭いよ」
女子トークから抜け出してきた(ある意味茉奈香菜から逃げてきたというほうが正しい)葵がすとんと千尋の隣に座り込む。
「もう茉奈も香菜も、二人して最近のゲームにはまってるのか知らないけど、ずぅっとそれではしゃいんでんだもん。つかれたよ」
すねたように膝を抱え座り込む葵の隣で千尋は笑みを浮かべるだけだった。
「おい、そこ!何しんみりしてんの!」
酔いどれ詠子はお茶をすする千尋に飛びついた。
「よ〜〜〜〜し。娘たちよ。宴会も終盤になってきたし、今日のM V Pを発表するわよ〜!」
詠子のいきなりの発言に義妹たちの喧騒が消えた。




