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年二回の大騒ぎⅩⅢ
『さいしょはグーっ!!』
気合いのこもった女子たちの声が居間に木霊する。
一瞬の刹那。
だが、女子たちの頭のなかで、何パターンもの可能性が緊張を誘い、女子たちの身体を強張らせる。
『じゃんけんぽん!!』
思いをこめた形として、その場に表れる。
緊張のせいか誰かが唾を飲んだ音がいやにはっきり聞こえる。
女子たちは状況を確認するように、ゆっくりとまわりを見渡す。
彼女らが示した答えは…
グー(絢)
グー(麻貴)
パー(葵)
グー(真那)
グー(香菜)
「よっしっ!!」
勝者は雄叫びをあげ、敗者たちは地面にくずれ落ちていった。




