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年二回の大騒ぎⅪ
投げられたゴム手袋をはめ、千尋は水捌けにできた鳥の巣をそっと移動した。
「おにいちゃん…」
心配そうに千尋の服の袖を掴む香奈。
千尋はそれにこたえるように笑みを向けた。
千尋は木材と工具を駆使し、作業に入いる。
その後ろ姿は父性に満ちたものだった。
「できた」
作業に入って一時間、千尋の手元には小さな鳥かごが。
「これはなに?」
「簡易だけど鳥かごだよ」
そう答えると千尋は余った木材でそれを屋根に固定する。
そして、先ほどどかした鳥の巣を小鳥ごとその中に入れた。
「これで大丈夫でしょう」
自信ありげなそのセリフに香奈は嬉しそうにはにかんだ。
「じゃあ、掃除を再開しようか」
「うん」




