年二回の大騒ぎⅡ
千尋は援護兵として各箇所の手伝いをするように言われ、今はのらりくらりと家の中をさまよっている。
いつも家事の大半は絢か千尋がやっているが、そこは千尋の自慢の義妹。
見た感じそつなく仕事をやっていた。
手の足りないところへ行って欲しいと言われたが仕事がない。
「暇だなぁ。ふぁ~」
「あ、お兄ちゃん」
暇を象徴するように大きな欠伸を噛み殺しているところに、絢がとてとてと走ってきた。
「どうしたんだい?自慢の義妹が一人、長女の絢」
「なんですか…その説明口調は」
「気しないでくれ。これは久々にこのシリーズを書いた作者が、脳内整理をするために仕方なくやっていることだから」
「………何を言ってるの?」
「さぁ?俺にもさっぱり」
「「………」」
なんとも不穏な空気が流れてしまった。
申し訳がない。
「ご、ごほん」
なんとか空気をたてなおそうと気を利かせ、絢が大きく咳き込む。
「でね、お兄ちゃん。今、暇ですか?」
「ん?ちょうど暇を持て余し過ぎて死にそうなところだったよ。なんだ、なにか手伝いが必要か」
「ちょっと手伝ってください」
「うん。それは先程了承したよ?内容を知りたいんだが…」
「来て下さい」
「うん。ちょっと落ちつこう。話がかみ合っていないよ」
「行きましょう」
会話がちぐはぐのまま、千尋は手を取られ廊下を引き摺られ連行された。
「ま、いっか」
大したことはないだろうと抵抗をしなかった千尋。
この時なぜ抵抗しなかったのか。
千尋はこの後それを心底思うこととなる。




