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絶対妹大戦  作者: 長門葵
12章~懸けた想いと消える声~
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懸けた想いと消えた声Ⅹ

人通りの少ない裏通りに静かに腰をおろした空き地。


そんな場所に似合わない男たちの歓喜の声と鈍い打撃音。


そこには男の群衆に囲まれた渚の姿があった。


「佐熊さん!!もっとやっちまえ!!」


佐熊と呼ばれた男は男たちの壁から一歩前に出て、渚の顔を覗き込むように腰をおろした。


「おいおい。鬼姫が随分な格好じゃねえか。え?」


「あいつらは…何処…だ」


渚は身体中を傷で飾りつけているにも関わらず、そんな事を声を震わせながら口にした。


「おお!感動だね。そんなにあの男が大事かよ!!」


佐熊は痛烈な蹴りを渚の腹部にいれる。


渚は苦痛の表情をうかべ地面に手をつくが、すぐに立ち上がった。


しかし、その表情は朦朧としており、足は今にも崩れ落ちそうなほどに震えていた。


「ちっ!いい加減、墜ちろや!!」


佐熊が最後のおとそうと拳を振り上げた時だった。


「ぐわっ!!」


響いたのは男の野太い悲鳴と渚と佐熊の間に飛来する男の落下音。


「さ、佐熊さん!!」


手下と思われる男があわてて、佐熊の前に出てきた


「どうした!!」


「そ、それが男が二人やって来て、見張りの奴等が止めたんですが、そいつら突然殴り付けてきて」


「その結果がこいつか」


そういって佐熊は目の前に転がる男を足で指す。


手下の男はゆっくりと頷いた。


「俺らに楯突くとはいい度胸じゃねぇか」


「ただ単に単位の危ない生徒を取り戻しに来ただけですよ」


佐熊の声に答えるように男たちの壁の一片が崩れる。


「間宮千尋…女の子一人をもらい受けに来ました」

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