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懸けた想いと消えた声Ⅸ
「あ、あの…生徒会長」
「あの二人は何処に」
「行ったんですか?」
生徒会室に残された三人組は凰華に不安そうに疑問を口にした。
凰華は楽しそうに微笑んだ。
「言ったろ?彼らはお姫さまを助けに行ったんだ。君たちは安心して教室で待っていればいい」
紅茶を片手に微笑みはいっそう嬉々としたものになった。
「生徒会長がそう言うなら」
「素直に教室で待ってようか」
「うんうん」
三人組は疑問が晴れぬまま、生徒会室を退出した。
三人組が居なくなるのを確認すると凰華は窓に近づき、勢いよく開けた。
「この貸しはかなり大きいよ。千尋…それに渚ちゃん」
花瓶に飾られた花がそれに答えるように風になびいた。




