懸けた想いと消える声Ⅳ
屋上に続く踊り場。
そこは昼休みにもかかわらず、沈黙が占める気持ちの良い涼しさがあった。
そんな踊り場に耳をすまし、壁に寄り掛かる人影が二つ。
「おい。あれはたしかに鬼姫であってるよな」
「ああ、間違いない」
「しかし、驚きだな。かの『地獄の鬼姫』があんな無防備になっているなんてな」
「そうだな。とにかく……」
「「佐熊さんに伝えねば」」
二人はそそくさと立ち去って行った。
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静かなお昼ご飯をいただいた後、満腹感に千尋と渚は屋上でまったりとしていた。
「ああ~。平和だな」
「うん」
「日本は良い国だ」
「そうだな」
二人は淡々とそんな色気のない会話を、悲しいぐらい感情のこもらない声でほのぼのと流れる時間を過ごした。
「あ…」
そんな時間は長くも続かず、予怜が二人の足元から聞こえる。
「…戻るか」
「そうだね。遅れたら、うちの担任は恐そうだ」
「ぷ。ぷぷ。ちくっちゃお~っと」
「な、ひどいな。渚だって笑ってたじゃないか」
「し~らない」
二人の笑い声が屋上から遠ざかっている。
こんな時間は長くは続かない。
そう。
それは幸せならなおさらだ。
残暑だったり台風で大変な皆さんこんにちわ
お元気ですか?
「元気があれば何でもできる!!」
って赤マフラーのお方がいってますが、無理はしないようにしてくださいね。
さてはて、これから始まる渚編第二弾。
すでにそこそこフラグをたてました。
さらに物語をめちゃめちゃにしていきます
お楽しみ!!




