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懸けた想いと消えた声Ⅲ
お昼時
珍しく尋は教室にいた。
「よっ!珍しいな、間宮。今日は自慢の妹さんたちと御一緒しなくていいのか」
クラスメートもそれが珍しいのか、皮肉を込めたそんな台詞といやらしい笑みを浮かべ、肩を叩いていった。
「有名人は大変だね~」
敏樹はコンビニによくあるうどんをすすりながら、にやにやとしている
「…有名人なのは妹たちで俺は有名人じゃない」
千尋はため息をはきながら、なんとか言葉をかえす。
「に、しても…本当に珍しいな。どったの?」
さほど興味もなさそうな態度で、敏樹は手に持った箸で弁当箱を指す。
そこには普通サイズの変てつもない弁当箱が。
気にするようなことはないきはするが、ここ最近の千尋は毎日のように重箱を持ってきていたため、回りからしたら普通のほうが以上なのだ。
「ちょっと、妹たちが寝坊してな」
そこから千尋の話を聞くと、間宮家全員が寝坊したらしく、各自で昼食は用意することとなったらしい
そのため、高校生組は食堂にいったらしい。
「一応、まきとまなには弁当つくったけどな」
その声には疲れがでていた




