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016 そもそもなんで書いてるんだ? それは、退屈な日常に刺激を必要とする誰かのため……

そもそもなんで書いてるんだ? それは、退屈な日常に刺激を必要とする誰かのため。それは、暗い明日が来る前に癒しを必要とする誰かのため。そしてそれは、どこかの他人であると同時に、昨日の自分であり、明日の自分でさえある。



 なぜあなたは、小説を書こうとしたのか?

 初めは自分の利己的な理由だったかもしれない。


 しかし物語を書くということは、それを必要とする誰かの手に届くということだ。その誰かは何であなたの書いた物語を必要とする?


 それは繰り返される退屈な日々に、刺激を欲するからかもしれない。


 それはいやな明日がくる前に、しばしの癒しを必要とするからかもしれない。


 理由はそれぞれの読者ごとにある。かつてのあなたがそうであったように。

 あなたが書いている物語は、そういった役割を持っているんだ。

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