5月14日(水)曇り ー前編ー
◇行くまでの流れ
通期パスも無事購入し、とりあえず次も誰かと行きたくて、あちこち声をかけてみました。
最初に乗ってくれたのは二つ下の妹。マイルドヤンキーの弟は「ガンダムだけ興味ある」と梨のつぶてだったので、妹と二人、再び万博に向かうことに。今回も夜からコースです。
うちの妹は私と同じ漫画アニメ大好きのオタですが、インドア派のわりにイベントにはガンガン出かけるタイプで、一時はUSJの年間パスも持ってました。おっさんな私の妹なので、こちらもおb……貴婦人なのですが、ノリノリで参加してくれました。何なら私より熱量高いくらい。
ちなみに「行列ってどれくらい待てる?」と訊くと「一時間半くらいなら余裕」と貫禄の返答。さすがテーマパークガチ勢、面構えが違う。私は30分くらいで限界ですw
◇入場
この日も入場は東ゲート17時。まだ16時オープンはなかったはず。舞洲駅で妹と待ち合わせし、さして混雑もせず、20分ばかりで入場できました。
万博独特の空気、雑踏、BGM。
ああ、この「ただいま」感。まだ二度目なのにw
◇リング
何はなくとも、まずはリング。夜チケットで入ると、早めに登っておかないと「昼のリング」を体験できないので。
幸い、妹には大受けでした。さすが我が妹。浪漫がわかっておる。風も涼しく、絶好の万博日和。
途中、スペインパビリオンから歓声が聞こえるので見てみると、階段状の建物の一番奥でフラメンコのステージをやってる様子。遠い上に人だかりが凄いのでろくに見れませんが、この距離でも伝わる熱気が凄い。こういう突発イベントに高確率で出くわすのが万博の面白いところです。
◇フランス
私は通期パス買ったので、今回も妹をゲスト待遇。妹の希望に沿う形で付き合うことになりました。この方式は行きたいところを回れませんが、自分では絶対行かない場所に連れて行かれたりするので、思いがけない発見を求めてる私は気に入っています。それに同行者が喜ぶなら何よりですし。
そういうわけで入場後は「お好きにどうぞ」モードだったんですが、その妹が最初に選んだのは、フランスパビリオンでした。
マジかよ。フランスかよ。
内心そう思ったのは秘密。いや、別に嫌いじゃないんですよフランス。パリ行ったこともあるし。
ただ、フランスは万博でめちゃ人が並ぶトップ3として有名で、隣りにはそのトップ1、アメリカパビリオンが構えてるんです。その編み物のように密集した大行列は、待つのが嫌いな私にとってまさに天敵。アメリカほどではないにせよ、フランスに並ぼうなんて考えすらしませんでした。さ、さすがはテーマパークガチ勢……!
フランスの行列は他の参加者の通行の妨げになるので、信号待ちのように間隔を開けてるくらい長大で、正直目眩がしました。でも列自体はするする進んで、15分も待つと建物の前。さらに5分が過ぎると、入り口を潜れました。あれっ、案外待たなかったような……これは妹の判断に感謝すべきかも!
パビリオンの内容は、一言で言えば「ハイセンス」。闇の中、光を浴びながら回転するオブジェとか、タワーかビルだかの高所で踊り続ける男女の映像とか、世界の神殿の模型とか、ワイン産地であるブドウを模した巨大モニュメントとか。私は学がないのでほとんど意味が分かりませんでしたが、なんかセンスあるう!と唸らされたのは事実。
鞄とドレスの歴史を展示してるスペースなんかも、天井までずらりと壁を埋める様は、もう見せ方の時点でセンスあるなあ、としか。日本人だとこういう発想はなかなか出てこない気がしました。フランスという国を知るというより、フランスのセンスに触れられる場所だと思います。もちろん一端に過ぎないんでしょうが。
◇ドイツ
のレストランが評判いいと妹が言うので並んでみましたが、これが罠でした。なんか建物の裏側に向かっていくので確認したところ、ドイツですらない別の国の行列!
ただでさえドイツはレストランと本館で別の列があってわかりづらいんですが、まるで別物の行列まで繋がってるとは! がっくり来た私らは、結局ドイツ飯をあきらめ、次に向かいました。うーん、いつかリベンジしたい。
◇サウジアラビア
次はサウジアラビア。やたらに高く威圧的な建物と、その谷間に造られた通路を進むのが印象的。こういう建造物がお国柄なのかも。
展示は色々ありましたが、特に映像は「俺たち金持ってんぜ!!」アピールが凄かったです。砂漠開拓した未来都市ビジョンとか、ほとんどSF映画。どこまで実現を想定してるかわかりませんが、これだけ大風呂敷を広げられる経済力は正直羨ましい、昔の日本もこうだったのかな……と思うとちょっと寂しくなりました。
◇インドネシア
インドネシアも妹主導で入りました。最初は隣にあるインドの行列だと思ってたので「インドネシアかよ!」と落胆したんです。が。
現時点で、私の一番推しのパビリオンになりました。
例によってインドネシア知識皆無の私ですが、まず最初の待合室の壁に無数に飾られた奇妙な面の数々で記憶を呼び覚まされます。
あれっ、これ見たことあるぞ……そうだ確か某格闘漫画の敵(の師匠)が、こんな仮面をつけてたっけ……確か土着の武術の超達人で……とか。
中に入ると祖国の密林を模したプチジャングルを抜け(警備員が「この森で生きてるのは私だけ」とか言ってて笑った)、様々な人物の肖像画(たぶんインドネシアの偉人)が飾られた回廊を進むと2階へ。
そしてここからがイチオシポイントなんですが、ジャングルを見下ろす吹き抜けの壁に、伝統的な短剣が解説とともにずらりと展示されてるんです。インドネシアでは「クリス」と呼ばれるその短剣は、実用的なものからどうみても怪しい呪術向けの形状まで実に様々で、武器や武術大好きな私は一発で魅了されてしまいました。
二つ目のイチオシポイントは、映画。ちょっとした映画館が置かれていてショートムービーを観られるんですが、これが何だか、深い。
日本語訳はついてるんですが、ぶっちゃけ意味はよくわかりません。呪術師の老人が村の祭りで影絵の芝居を見せ、神々の歴史を語る……みたいに私は解釈しましたが、その祭りの舞台とか集まる村人の風俗とか、ご馳走や影絵用の紙人形の制作過程なんかがつらつらと流れて、ギュンと心を掴まれました。
どこかNHKの海外番組とか、ディスカバリーチャンネルの雰囲気に似てるというか。映画を見たあと歩かされる通路の壁に、影絵用の切り抜き人形が飾られたのもグッド。
以来、私は隙あらばインドネシアに寄ることにしております。そんなに並ぶこともないですし、何度見ても不思議と飽きないんですよね。あまり知られてない名パビリオンだと私は思います。
インドネシア……いつか行ってみたいなあw
おっとそろそろ文字数が……続きます。