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5月1日(木)曇り ー中編ー



 梶野の万博初日、その続きです。



◇広場へ

 特に目的もなくリングに上がったので、流れのままに左方向、リングの北側に向かって歩いていきます。こういう人、結構多いんじゃないでしょうか。


 すると左手(リング内側)の景色が急に開けます。見えてくるのは、人気ナンバーワンらしいアメリカパビリオンが構える大きな広場。隣にはこちらも人気のフランスが並んでいて、行列がすごいことになっています。特にアメリカは入り口前にぎちぎちに並ばせるタイプで「並ぶなら覚悟しろよコラ」と威圧するかのよう。流石アメリカ。ゆる勢の私たちは当然スルー。


 それにしても結構な数の入場者でした。

 でも会場が広すぎるので、そこまで混雑は感じません。平日の夕方というのもあるかもですが。


 でもって、それらの人たちが皆楽しげに歩いているのを眺めていると、いつになく楽しくなって来るんです。まるで宝島に上陸したように。それぞれ行き先は違っても、楽しさは共有できているこの感じ、なかなか他では味わえない気がします。


 パビリオンでなくても、この広場にはスープ皿のような屋根のある建物があって、皿から定期的にミストが溢れ出すのを「おおー」とか言いながら写真撮ってました。名前もわかりませんが。そういう体験多いです万博。


 観客観察も飽きた辺りで、我々もそろそろパビリオンに入ろう、という話になりました。特に目的地もありませんが、とりあえず私らゆる勢も宝探しに参戦です。


◇トルコ

 最初に入ったのはトルコのパビリオン。

 理由は見下ろしていた広場にあって、並んでる列が短かったから。後輩が選びました。

 恥ずかしながらトルコについては「親日国」「世界三大料理」「なんか難破船を日本が助けたみたいな過去があったような?」程度の知識しかありません。それすら適当w


 5分も並ぶとパビリオンに入れました。

 最初に大きな部屋があり、中央に太陽と月を模した赤くてでかいオブジェがどんと置かれてます。トルコ国旗のデザインというか象徴らしいです。

 入館者の列に流され進んでいくと、通路の傍らでろくろを回している女性がいたり、織物の展示があったり。たぶんトルコの風俗文化がプロジェクターで垂れ流され(映像展示はどの国もデフォ)、ぐるりと一周すると元のオブジェのある部屋に戻り、終了。

 えっ、これだけ?

 盛り上がりなく終わったので、不人気パビはこんなもんかと思いました。


 でも後々思い返すと、これは私にも非があったんですよね。

 まず、一つ一つの展示に足を止めなかったこと。人の流れに抗えず、ろくに展示を見ないまま流されてしまいました。たいていの展示は小さな文字で説明書きがあるんですが、老眼だと足を止めてじっくり見る必要があります。周囲に急かされているように感じて、気後れしてしまったんです。ろくに理解できないまま終わったら、そりゃあ面白く感じないですよね。

 もう一つは、後輩と一緒で気を使ってしまったこと。ぶっちゃけ後輩Tは気の置けない間柄なのですが、それでも一方的に待たせるのは悪い気がします。お互い気兼ねしないよう、事前に打ち合わせておくの、大事かも。

 

 そして何より、私は万博の楽しみ方を勘違いしてました。

 万博は博覧会です。説明はあっても自分から興味を持ち、読んで調べて知識を広げるべきもので、口を開けていれば向こうから接待してくれるエンタメではありません。そして楽しめるかどうかは、当人の意欲や知識にも左右されます。


 例えば陶芸に興味がある人なら、他国のろくろ実演は惹かれるものがあるでしょうし、映像も最初から最後までじっくり見ればよかった。

 なのでこの日以降、私は周囲に遠慮せず、見たいものはとことん見ることにしました。せっかく万博まで来てるんですから。


◇モナコ公国

 モナコ公国も、ろくに知らない国です。グランプリ?

 入った理由は「トルコの隣り」「人が少ない」ですし。

 タワー型の建物で、階段を上がりながらモナコの文化に触れていく感じですが、正直よく覚えていません。理由はトルコに同じ。VR設備がありましたが、やたら混んでいたのでパスしたのが不味かったかも。かろうじて拾った知識は「アクアラングはモナコ発祥」くらい。(合ってる?)

 一番興味を惹かれたのは最上階にあるワインバー。ここに行くまでがまた一苦労というか導線がろくになかったりすんですが、エレベーターで直接上がると、雰囲気あるバーとベランダ席を発見。先客が何人かグラス片手に夕暮れ間近の会場を見下ろしています。

 万博で飲むのが第一目標だった私は勇んでカウンターに向かったんですが、値段表を見て目玉が飛び出します。

 ボトル一本20000円! グラス一杯2000円!

 「万博の物価は高い」とは聞いていたので覚悟してたつもりでしたが、貧乏中年の梶野が二の足を踏むには十分です。悩んだ末、「覚えてやがれ」とか捨て台詞を吐いて撤退しました。まー、この後我慢できず飲んだビールだって900円したんですが。

 ワインの知識は皆無ですが、今思えば結構な銘柄のワインならそれくらい取られてもおかしくなかったのかも。ボトルはともかく、グラスはアリだったか? 結構サイズは大きかったし、ベランダで飲んでる人、すごく幸せそうだったし。

 モナコのワイン、次の機会にリベンジしたいと思います。


◇フードトラック

 次第に空が暗くなる中、ついにアルコール欲しさに限度が来た梶野は、後輩を説き伏せ、ドリンクを探して徘徊し始めます。

 しかし前調べをしてない悲しさ。各国の酒が飲める的な話は聞いていたものの、具体的な店や場所は知らず、結局会場中心にある「静けさの森」付近のフードコートで、ビールを頼むことになりました。もはや値段度外視。ビール! ビール!

 つまみも欲しかったんですが、夕方の時点ですでに売り切れ。仕方なくテラス席に座り、一人(後輩は飲まなかった)酒を煽る五十代男性。いやーでも格別に美味かったですよ。国産銘柄だったけど。ビバ国産!


 しかし、ここで腰を落ち着けたのはいけなかったですね。

 本当はリングの上から夕日を見たかったんですが、気がつけば日が暮れていたんです。もちろん日没なんて間に合いません。

 ま、夕日は毎日あるわけだし、また次回でいいか! と気持ちを切り替えて。


◇コモンズ館

 ビールを飲みながら、今後の予定を相談。

 万博の噴水ショー、正式名称は「アオと夜の虹のパレード」。前評判もよく、数少ないマスト企画として、事前にチェックしてました。

 本来は20時30分開始に合わせ、続くドローンショーを見て、21時の閉場に合わせて帰るつもりでしたが、調べると19時30分開始もあるとのこと。なら、ここからゆっくり歩いて行けば、ちょうどいい塩梅かな、と。早めに帰らないと地獄のような渋滞に巻き込まれるのでは、と後輩と意見が一致したのもあります。


 19時まではまだ時間があるので、手早く回れる場所として選んだのがコモンズ館。これは大きな会場に各国のブースが詰め込まれた展示会みたいな場所で、国ごとに独立したパビリオンほどの規模はないですが、手軽に様々な国を見て回れる利点があります。あと、行列がほぼない。


 で、我々が足を運んだのはコモンズD……のはず。ビールが回ってて定かではないのですが、アフリカ諸国中心の会場でした。ほとんどのブースは「お国紹介映像」「特産品、名物」「アート展示」なので、ぶっちゃけ各国のカラーとかほとんど区別がつかなかったりするんですが、私の大好きなアフリカンアート、黒檀の彫像がやたらに豊富で、個人的には大満足でした。カシオミニが手持ちにあったら交換したかった。(動物のお医者さん)


 あと、トイレ借りるついでに通過した際、ジャマイカのブースに大きなボブスレーの(そり)が展示されていて、「おお、クールランニング!」と一人盛り上がっていました。あの映画大好き。後輩は知らないくらい昔の作品ですが、ジャマイカでは今でも有名なんだろうな、と思ったり。

 ちなみにその後、万博来るたびに探したのですが、何故かジャマイカが見つかりません。じっくり腰を据えて見たかったんですが、もう展示終了したのかも。反射的に写真撮っといてよかったです。万博は一期一会。

 


 嘘だろ、まだ終わらないのかよ……!

 梶野の万博漫遊記(初日)、まだ続きます。



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