中学2年生、3月終業式
春の陽気が感じられる3月の終業式。
涼たちは、それぞれの思いを胸に、この1年間を振り返りながら、無事に学校生活を終えようとしていた。
「涼、終業式だね」
凛が隣で言う。
涼は彼女を見ながら、少し苦笑いを浮かべる。
「うん。今年も無事に終わったけど、来年どうなるのか考えると、ちょっと気が重いな」
涼の言葉に、凛も少しだけ考え込みながら答える。
「でも、私たちはもう、ただの生徒じゃないよね」
涼は凛の言葉に同意する。
未来の出来事に備え、彼らは他の誰とも違う立場に立っている。その意識が、日々強くなってきていた。
「そうだな。文化祭の事件を無事に解決したけど、それで終わるわけじゃない。あれが、次の大きな出来事に繋がってると思うし」
涼は少し遠くを見つめながら言った。
その目には、未来を見据えた強い決意が込められていた。
「来年、どうなるんだろうね」
凛もまた、同じように未来を思い浮かべているようだった。
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終業式が始まり、全校生徒が体育館に集められた。
校長先生の話を聞きながら、涼たちはこれからの夏休みや、次の学年に進むことに思いを馳せていた。
「さて、来年度の目標は……」
校長先生が語りかける中、涼の耳にはほとんど入っていなかった。
彼は、目の前に広がる未来のことに思いを巡らせていた。次の学年で何が起こるのか、そして、何をどう変えていかなければならないのか。それが気になって仕方がなかった。
「涼?」
凛が優しく声をかける。
涼は我に返り、周囲を見渡す。
「ごめん、ちょっと考え事をしてて」
凛は静かに笑いながら言う。
「うん、わかる。私も同じ」
涼はふっと息を吐いて、再び校長先生の話に耳を傾ける。
だが、思いのほか時間が経つのは早く、式が終了すると、涼たちはそれぞれ帰る準備を始める。
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終業式が終わると、涼は凛と共に校門の前で待ち合わせをしていた。
「涼、次の段階に進むために、何か準備をしなきゃね」
凛が真剣な表情で言う。
「うん。俺たちにできるのは、少しずつでも未来に備えて動くことだ」
涼は頷きながら、次に訪れるであろう出来事にどう立ち向かうかを考えていた。
その時、突然、近くにいた楓と奈央が声をかけてきた。
「涼、凛、今年度もお疲れ様。来年度もよろしくな!」
楓が明るく言うと、奈央もにこやかに笑顔を見せる。
「そうだね。あっ、次の学年で何か大きな事件とか、予感とか、ないよね?」
涼は少し驚いて、奈央の顔を見つめた。
「何でそんなこと聞くんだ?」
涼が疑問をぶつけると、奈央はにやりと笑う。
「だって、涼たち、未来のことに関わってるでしょ? 何かあるんじゃないかって思って」
涼は一瞬言葉に詰まる。だが、すぐに冷静になり、奈央に返す。
「いや、まだ確かなことは分からない。ただ、何か起こりそうな気がしてるだけだ」
凛がその会話に加わり、真剣に言った。
「私たち、来年はもっとしっかり準備しておかないと」
楓と奈央はその言葉にしっかりと頷く。
「うん、分かった。私たちも手伝うから、何かあったら言ってね」
涼は少し驚きながらも、仲間たちの強い意志を感じ取った。
これから、何が待ち受けていようとも、みんなで協力して立ち向かっていくのだと。
「ありがとう。これからもよろしく頼む」
涼はそう言いながら、仲間たちと肩を組み、これからの未来に向けた準備を進めることを心に誓うのだった。
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その日の夕方、涼は自宅で一人、未来について考え続けていた。
過去にタイムリープしてきた自分が抱えるべき責任は、決して軽いものではなかった。
そして、涼が未来で起こる出来事を防ぐために何をすべきか――それを明確にしなければならない。
「さぁ、次だ」
涼は静かに呟き、部屋の隅に置かれたノートを手に取った。
そのノートには、彼がこれまでに得たすべての未来の予兆、手がかりが書き込まれている。
「未来を変えるためには、まず過去を正確に記録しておかなきゃ」
涼はそのページをめくりながら、次のステップへ進むための準備を始める。
今年度の終わりは、新たな一歩を踏み出すための準備期間だった。
そして、涼の目には強い決意が宿っていた。
どんな困難が待っていようと、未来に立ち向かい、必ずその運命を変える――それが涼の誓いだった。




