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7. チョロロー

姫様に謁見した次の日もアーヤがやってきた。

こいつ暇だろ。


「タクミくんってチョロいなって思いましたー!」


「うん!全く否定できないけども!

アレはしょうがないだろ。」




乃木丘の推しの握手会も

行ったことあるけど、

姫様とは比べもんにならんかったぞ。

令和の日本のどこ探しても

あんな子いないよ。

完全に推し変しちゃったよ。


見た目だけじゃなくて

存在まで完璧にお姫様じゃん。

ピーチ姫くらい囚われの運命背負ってる。

ヒーロー願望ある男にはたまらん!


「まあね~、

助けたくなるのはわかる!

わかるけどチョロい!

チョロいヒーローって何て呼ぶのかな?

チョロロー?笑」


「尿みたいな呼び方すんな」


「ていうか姫様もどこまで計算してやってんだろうねえ?」


「俺の姫様幻想を汚すんじゃねえ!」


「でもまあ?

本当に国を救ったらあの姫様だって

タクミくんのモノになるのは間違いないだろねぇ?

ちょっとがんばっちゃおうか?」


俺の肩に手を回しながら言ってくる。

地元の先輩かお前は?

悪い女だなあ。

巫女さんなのに。


「まあ頑張るのは確定として、

何からやればいいのかって話だな。

人質がどこに囚われてるとかって情報あるの?」


「無いことも無いですよ」


アーヤはニヤリと笑う。


「ほう」


「人質を隔離するには、

防衛力と収容力のある城みたいな場所が

候補になるでしょうね。

それに、食料供給の問題もあるから、

ある程度の場所は絞られてるわけです。

現在のところ、7か所まで特定できてます」


「なるほど、でも詳しい場所までは

完全には特定できてないし、

人質の安全を考えると、

それらを同時に攻略する必要があるってわけか」


「その通り。だから現状では手が出せないんです」


「なるほど。確かに厳しいな」


「でしょ?でも、ツクリナ様が今日の夢で

『タクミえもんの便利アイテムでどうにかなるんじゃない?』

って言ってたから、出してくださ~い!」


ドラえもん扱いすんな。


「てことは、ツクリナ目線でも

どうにかなるアイテムがあるってことだな?」


「うん、そうだと思う!」


「わかった。ちょっと探してみる」


瞑想状態に入り、売り場を廻り始める。

小一時間ほどかけて偵察に使えそうなアイテムを集めてみた。


双眼鏡(夜間使用機能付があったのはラッキーだった)

ドローン

監視カメラ(SDカード・乾電池タイプ)

小型発電機(ドローン充電用・)

アウトドア用ホワイトガソリン(発電機用)


偵察に使えるのは、たぶんこのあたりだろう。

というか、この世界だと十分チートアイテムかもしれない。

ホームセンター、舐めてたわ。


それぞれどんな道具かをアーヤに説明していく。


「無茶苦茶な便利道具ですね。夜目が効くわ、

その場所にいなくても見張り出来るわ、

果ては鳥の目のように空から見通せるとか…。

これはもう世界征服しちゃいましょうか?」


悪い顔だなあ…。


「巫女がしていい顔じゃなくなってんぞ?

まあ、でもこの道具だけじゃ

そこまで簡単じゃない。

建物の中まで見通せるわけじゃないし、

目星がついたとしても実際に潜入して

確認しないといけない。

それに、潜入して人質を見つけても、

敵と戦闘になるかもしれないから、

少数精鋭で動く必要があるだろうな。」


「それは確かに。

取り合えず潜入する第一候補は私という事で」


「アーヤって強いの?」


「女神ツクリナに仕える神職は皆、

超武闘派ですが?普段は狩猟やその護衛、

そしてお布施が主な収入源です。」


俺の知ってる宗教と違う。

いや、戦国時代の僧兵に近いか。


「じゃあ取り合えず第一号として、

3、4人くらいは欲しいよなぁ」


「うーん、そうですね。

というかタクミくんは行かないんですか?」


「俺?戦いなんかしたこと無いですが?」


「うーん?でもどう見ても神力あるしなぁ……。

そっか!神力を使ったことがないんですね!」


「?まあ無いな。」


「なるほどなるほど、

ククク…これは鍛えがいありそうですね」


また怖い顔なんですけど……。


「そう怖がらないでください。

神力がある=身体強化できる

ということです。

ツクリナ様の使徒であるタクミくんが

神力弱い訳が無い、

これは分りますよね?」


「まあ理屈は通ってる」


「とはいえ、

身体強化も人によって現れる能力が違います。

剣が得意な人は剣術に向いた身体強化作用が出るし、

その人の特性がより強化される感じです。」


「なるほどねー。

で、俺は剣で戦ったことも無ければ

格闘家でもないよ?」


「んんー!!

前の世界ではなんか体動かす事してなかったんですか?」


あ、あったわ。

ボルダリング好きだった。


「壁を上るとかならできるかも。趣味でやってたから」


「趣味で泥棒でもやってたんですか?」


「違うわ!そういう遊びがあるの!」


「でも意外と今回の任務に役立ちそうですね!

なんかいける気がしてきました!」


「俺が使い物になるとして、

あともう少し人員探さないとな。」


そう話していると――


「話は聞かせて貰いました!!」


野良の姫様が現れた!

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