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4.王様に会う

昨日はめちゃくちゃよく眠れた。

久しぶりに体を限界まで酷使したからね。

そう、本日は全身筋肉痛です。

お城、行きたくねえなあ。


ていうか見渡す限り

それらしいお城なんか無かったし、

どこまで行くんだろう?

めっちゃ歩かないといけないんじゃないのか?

馬車とかあるのかな?


そんなことを考えながら

昨日と同じような昼飯(ごはん、焼き鳥缶、トマトジュース)

を外で食べながらキャプテンス●ッグの椅子で

くつろいでいると

昨日教会で出迎えてくれた

巫女のアーヤさんが現れた。


「タクミ様~、ごきげんよう!」


「アーヤさん、こんにちは」


「昨日は雑魚モンスターに襲われたけど

何とかなったみたいですね。

スキルも活用されるみたいで安心しました~」


「ん?なんで知ってるの?」


ていうか雑魚モンスターって。

そうだろうけど言い方よ


「女神さまが

『一角ウサギくらいならさすがにいけるっしょ』

と思ってけしかけたらしいです」


「クソ女神じゃねえか!」


いけたけどそういう問題じゃねえよお!!

あらかじめ言っとけよお!!


「俺死んでたらどうすんの!?危なかったよ?」


「まあまあ、結局大丈夫だったじゃないですか」


美人の笑顔ってずるいよなあ。

怒る気なくすじゃん


「まあ、それはそうだけどさ。

怪我したらさ、危ないじゃん?」


「そこは私、治癒魔術使えますのでご安心を。

治癒できたと思いますよ?たぶん」


「たぶんじゃねえかよ」


女神もこの人も緩すぎるわ。

そら国もピンチになるわ 

と思うが言わないでおこう

なんか溜息出るわ。


「まあそれはいいです。

王様に会いに行くんですよね?」


「そうですそうです!

それでは向かいましょう」


ニッコリして、スタスタ歩き出した


見える範囲にお城なんて無いから、

遠いんだろうな~

馬車で移動?

と思っていたのだが、

そんな感じでもなく

しばらく歩いている。


「そういえば、お城ってどこにあるんですか?」


「お城は無いですよ?

弱小国なので

ちょっと広めの平屋建て物件です」


場末の賃貸営業マンみたいな紹介すんなよ

あと弱小国って当然のように…


大丈夫か?

いや大丈夫じゃないから

俺が派遣されてるんだろうけども。


15分くらい歩いたと思うが、

件の平屋建て物件にようやく辿り着いた。


見た感じ、面積は広いけども、

マジで平屋建て物件。


和風建築ではないけども、

日本で見られる大名屋敷のような建物の配置だ。


しかもたぶん木造&土&漆喰。

王宮にしては普通の建物だなあ。


庭が広い分を考慮したとしても

中堅貴族の屋敷という方がしっくりくる。




文明度が中世と聞いていたので、

中世ヨーロッパぽい石造りとか

レンガの立派なお城を想像していた分、

逆にカルチャーショック。

文明度、10世紀あたりじゃないのかコレ?


それを見透かしたのかアーヤさんが言う


「もっと大きくて立派なお城を

想像されてました?

残念!これが現実です」


なにわろてんねん。

お前の国のことやぞ。

美人だから許すけども


「確かに色々残念ですね。

一番残念なのはアーヤさんを

美人だからと許してしまう俺かもしれませんけど」


「えっ口説いてるんですかキモ」


ぜんぜん優しくないこの人!


「口説いてませんね。

顔だけ残念じゃない人って

ある意味一番タチ悪いなって」


「言うじゃないですか。

その意気で我が国の再建もお願いしますね」


「承りました。案内お願いしますね」


2人の門番にアーヤが話しかけると

中に通され、謁見の間まで案内された。


謁見の間は30畳くらいだろうか?

まあまあ広い。

ちゃんとした会社の会議室くらい?


奥の方に高座があり、横に2畳ほどの広さ。

そこに王座のような席が二つ。

左右に護衛が各2名。


王と女王と思われる男女が

それぞれの席に座っている。


「ジリヒンヌ国王、

マケヌス=ジリヒンヌである!

面をあげよ」


王様と思われる精悍な

ガチムチのおじ様が名乗りをあげる。


…昨日、一角ウサギ買い取ってくれたおっさんじゃねえかよ


「お主、昨日の旅人ではないか!」


こういう偶然の再会って、

美少女とは限らないのかあ…


「はい、昨日は一角ウサギを

買い取って頂きまして

ありがとうございました」


「なに、こちらこそだ。

新鮮な肝が欲しくて自ら猟に行くんだが、

儂が行ってもウサギが怯えて

なかなか出てこんのでな、助かったぞ」


ニカっと笑う。

たしかにこの人デカいし存在感あるよなあ。

そらウサギも怯えるわ


「喜んで頂けて何よりです。

ところで私、女神様からこの国の力になるよう

申し付けられておりますので、

私に出来ることであれば何なりとお申し付けください」


一応、自営業とはいえ社会人経験のある俺である。


自分なりに最大限の丁寧さで、

なおかつ自分にできる範囲で、

と保険を付け加えて相手の出方を伺う

さて、何て言われるかな?


「やって欲しいことはなぁ…。

山ほどあるのだ、これが」





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