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3.ソロキャンプと小屋作り

朝に一人、野原でソロキャンプを楽しむ。

草と土の匂いがする中、

石と土で簡単なかまどを作り

飯ごうで米を炊く。


時計も無い中、

ぶっつけ本番だったが

沸騰してからとろ火で湯気が減るまで待つ、

というのを覚えておいてよかった。

少し硬いがちゃんと米が炊けた。


弱火でじっくり温めたサバ缶も丁度いい温度だ。

美味い!

ソロキャンプ最高。



食べた後はクソ暇だった。

スマホも何も無いソロキャンプって暇過ぎるわ。

食べた後はテントを組み立てて

寝転ぶくらいしかやること無い。


ソロキャンプガチ勢ならまた違うだろうが、

凡人ぼっちはスマホパソコンありきなんだよ。

なんて考えながらぼーっとしていたら、


ウサギがこちらを見ている。

角生えてるけど

くりっとした目が可愛い。


「おー、可愛いなお前。

暇なのか?遊ぼうぜ」


ふと、一角ウサギの目が

凶悪になった気がした次の瞬間、

こちらに突進してきた。


反射的に身をかわしたが、

テントの布を突き破った一角ウサギが

5メートルほど向こうで

急ブレーキをかけて

こちらに再度向きなおろうとしている。


おいおい!

たかがウサギの癖に狂暴じゃないかよ!


ていうか思ったより大きい。

中型犬くらいの大きさはある


武器は用意していなかったが、

テント用に用意した

鉄製のペグを引き抜く。


運が良かった、と思う。


慌てふためいて

へたり込んでいた俺の腹めがけて

突進してきた一角ウサギの眼窩に構えたペグが、

たまたま運よく眼窩に深々と刺さり、絶命していた。




……早速実感したけどハードモード異世界やん。

せめてイノシシならもうちょっと警戒したけど…

いや、イノシシなら同じようには勝てなかった。

ペグがたまたま刺さろうが、

ぶっ飛ばされて動けなくなっていただろう。


しばらく恐怖の余韻と

自分の心臓の音しか聞こえず、

生きてる心地がしなかったが、

それが過ぎて落ち着いてくると逆に、

強烈に生きているという感覚が湧いてきた


生き物を殺したは初めてだが、

滴る血にも嫌悪感は全くなく

考えたことは逆に

(コイツ美味いのかな)

だった。


捌こうかなと思ったが、

狩猟ビギナーの自分には

ハードルが高い気もする。


飯も食べたばかりだし、

今回は捨ててしまおうか?

と考えていると


「おお!一角ウサギではないか!

お主が捕えたのか?」


いつの間にか近づいていた

精悍なガチムチおっさんに話しかけられる。


弓矢を担いでいて

猟師のような恰好だが、

何となく身綺麗だし

貴族が趣味で狩猟を

しているのかもしれない。


「一角ウサギは肝が特に絶品でな!

儂は毎日でも食べたいくらいだ!

見ない顔だと思うが、旅の者か?」


転生という事情まで

説明するとややこしそうなので

色々あって流れ着いて旅をしている

と簡単に説明し、

ウサギをどうしたら良いか

考えていた旨伝える。


「ほうほう!なるほどのう!

ではそのウサギ、儂が銀貨1枚で買い取ろう。

相場より少し高いと思うし、

普通の飯ならここらで3日程度は食える金額だぞ?」


それで良いです、と伝えると、


「よしよし!交渉成立だな。

縁があったらまた会おう!」


おっさんは機嫌よく帰っていった


しかし、モンスターにいきなり出くわすとは。

また何度も襲われてはたまらないし、

時間はあるので簡単に防衛用の

小屋を自作することにした。


シャベルで軽く地面を慣らし、

ブロックを地面に並べ基礎を敷き、

隙間にモルタルを詰めつつ、

土台の木材を嵌めるアンカー用鉄筋を埋め込む。

ツーバイフォー木材で土台と骨組みを作り、

合板で壁下地を作る。


室内用ドアのユニットがあったので

それを入り口として取り付ける。


8時間くらい夢中で作業をしていたら

何とかそこまでは進めることができた。


資材をいつでも目の前に持ってこれると、

こんなに作業が早くなるとは驚きだが、

職人さんがよく言う

「段取りが一番大事」

っていうのはこういう事なんだと納得。


全体的に耐久性も、もう少し欲しいし、

まだ屋根も無いからシートを

天井に被せただけだし、

早さ優先で作ったからガタガタだし、

まだまだ改善の余地がある。

広さも4畳半くらいしか無いけれども、

充実感パない。


床もまだ作ってないから

地面にブルーシートを敷いた上に

寝具コーナーで見つけた

2万円のマットレスを置いているだけだ。


この屋根すら無い「小屋もどき」でも、

熊レベルの化物が来なければ大丈夫だろう。


今日は体力も限界まで使い切った。

ぐっすり眠れそうだ。

と、思い寝転んだところで意識を失った。





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