ユニークスキルと仲間たち!
あれから何日経ったか分からないが、分かったことが3つある…
1.MPを全部消費するとその場で倒れるようだ
2.目の前の悪魔は以外と音を出しても起きる様子が無い
3.このスキルは基本、役に立たない
正直最初の数日はいろいろ期待したが、俺の目の前にはぬいぐるみが50体以上並んで一種のテーマパークになっている。
もちろんあおり文句は毎回のアイテム召喚時に記載されている。これを書いてる奴は絶対に友達がいないボッチで間違いないだろう…毎日毎日、毎回違う文面を添えてこちらをあおってくるのだ。
アイテムを把握するために召喚アイテムの中から出たノートにこれまでの出たアイテム一覧を記載しておく
1.アイテム名:ぬいぐるみ各種×55
レアリティ:★★★★☆
2.アイテム名:食料品セット×22
レアリティ:★★☆☆☆
3.アイテム名:生ごみ×56
レアリティ:★☆☆☆☆
4.アイテム名:bl漫画×107
レアリティ:★★★★★
(君も寂しいんじゃないかなって思って、オネエさんからのプレゼントw)
5.アイテム名:スキル異世界言語×1
レアリティ:★★★★☆
(本当はそっちに行きたいんだけど~言葉がわからないとかわいそうだからあ、げ、る)
6.アイテム名:スキル変身×1
レアリティ:★★★★★
(最近動物園とか行ってないからそのスキルで色んな動物に変身してみてね♡)
7.アイテム名:その他の雑貨×500
レアリティ:★★★☆☆
書いてみて改めて分かったけど、悪魔と戦えるスキルは一向に出ない…謎のコメントを見るのに慣れてきた自分が居るのにびっくりする…。何故かbl漫画が大量に召喚されて、うんざりする…今日もどうせ煽り文句が出るんだろうと思って召喚してみるか…実は召喚をしている中でステータスにも変化がおきていた。
名前:如月 遥
職業:無職
レベル:3
・HP: 10/55
・MP: 130/130
・攻撃力: 5
・防御力: 10
・魔力: 10
・敏捷性: 5
・運: 10
スキル:万物召喚Lev:1:スキル所有者のMPを消費することにより、無差別にアイテムを召喚する(一回の召喚必要MP:5)
装備:布の服、錆びた銅製の短剣
少しずつではあるがMPの増加が確認された。つまり召喚回数が増えたのである…。とりあえず今日は10連してみてからいろいろ考えるか…
「召喚するぞー!…ポチッ」
1.アイテム名:たわし×8
レアリティ:★★★★★
2.アイテム名:ポテトチップスゴーヤ味×1
レアリティ:★★☆☆☆
(おなかがすいたんじゃないかと思って、ポテチ作ってみたよ~)
3.アイテム名:アップグレード薬×1
レアリティ:★★★★★★★
(いつもかわいい反応見せてくれるからご褒美だよん♡飲んだら好きなスキルのレべルが上がるよ)
俺な脳内でガッツポーズしてしまった。ちなみに最近決めたことなんだが、この説明欄にセリフを書いてくるやつを『残念女神さま』と呼ぶことにした。神様じゃないかもしれないけど、おだてといたら上手くいくんじゃないかと思うから、全力で尻尾を振ってみることにした。
早くこの薬を飲んじゃうか…
「ゴックン…!」
薬と書いてあるからにはまずいかと思ったが、無味無臭だった。暫くすると頭の中にどのスキルをレベルアップさせるかがゲーム画面のように出て来た。もちろん俺は万物召喚スキルのレベルを上げることにした。
ステータスを見ると万物召喚Lev:1から万物召喚Lev:2に進化していた。説明欄には毎週一回、特別召喚という機能が増えていた。MPを全部消費する事でスキルか従者が手に入るようだ。
やっとボッチから解放される時が来て改めてガッツポーズをしてしまった…。
早速スキルを使用して召喚ボタンを押す。
「ガチャッ…ポロロロロロン!」
目の前にはこれまでに見たことのない大きさの魔法陣が神秘的な光を発している。しばらくすると黒髪猫耳メイドがいた。
こちらの混乱を察したのか、メイド姿の彼女から自己紹介を始める。
「ご挨拶が遅れました私はレア度EXキャラの『レベル999 変装が大好きな万能メイドのココア』と申します」
「え、えっ…EXってURとかより上の…?それに、レベル999ってマジ…⁉」
「はい。ご主人様の奇跡の力『万物召喚』から召喚されたEXキャラでございます。私がお側にいる限り、ご主人様のお体になん人たりとも、触れさせるようなことは致しません。」
「ご、ご主人様って恥ずかしいよ…でも本当にレベル999もあるの?…ダンジョンの探索者ランキング、一番強い人でもレベル100行ってなかったと思うけど…⁉」
「ご主人様が、いきなり現れた私のことに警戒されているのは理解できます。私の実力を証明するためにも、あそこにいるケダモノを倒してまいりますね。」
「あっ…ココアさん…待って一人だと危ないよ⁉」
「ご主人様、メイドである私に敬称は不要です。どうぞココアとお呼びくださいませ。」
「それは…でも…」
「そこは譲れません…お願い致します」
彼女の琥珀色の瞳を前に俺は素直に従う。
「危ないからやめといたほうがいいよ!…こ、ココア…」
「ご主人様にそう呼んで頂けて幸せでございます。さすがご主人様です。せんえつながら私に『鑑定』をかけさせて頂いてもよろしいでしょうか?」
「え…?鑑定って物語に出てくるステータスを確認するやつだよね…⁉」
「もちろんでございます。私はご主人様の為に役立つためにいるのですから…では、確認させていただきますね。」
「お、お願いします」
「そんなに身構えなくても大丈夫ですよ。それでは失礼いたします。鑑定―――、申し訳ございません、少し時間がかかるかもしれません。」
一分後…
「お時間かかってしまい申し訳ございません。ユニークスキル『万物召喚』。使用回数の制限なしのあらゆるアイテムが召喚できる。召喚されるアイテムは■■■■■シ■によって確率が決められている。ランクは星五までは★表記で記載され、SSR、SSSR、UR、SUR、EXと表記されるようです。」
「それってランクが高いと、強いってことなのかな?」
「その認識で間違いないと思います。強力なアイテムや珍しいものはランクが高いようです。これからも何か疑問点がございましたらお聞き下さいませ。スキルの内容を知らなくとも私を呼び出して頂けたのは、運命だと思うんです。今後は私がご主人様のお側におりますので何なりとお申し付けくださいませ。」
そういうと彼女の耳がピクリと動いた。彼女の耳が僅かに反応するたびに、柔らかい毛がふわりと揺れ、精神攻撃をしてくる。俺は触りたい衝動を我慢する…
「ン……」
「どうかなされましたか?」
「ココアさっ…ココア、何でもないよ…」
「それなら良かったです……そういえばこちらどういたしますか?」
彼女の右手にはさっきまで部屋の中央で眠っていた悪魔の顔が握られていた。俺は何も見えなくて絶句してしまった。次の瞬間、まるで最初から何もなかったかのように部屋の中は悪魔の痕跡が一つもなくなっていた。
「聞くまでもありませんでしたね。ご主人様にあのような下等なモノをお見せしてしまい申し訳ございませんでした。」
「え、えっと……なにから突っ込んでいいかわかんないんだけど、あの悪魔はどうしちゃったの?」
「ご主人様との二人きりの空間に邪魔でしたので、掃除させていただきました。」
「そっか…うん…もしかしてだけどさ、ココアってものすごい強いのかな?」
「私などご主人様と比べたらまだまだでございます。ですが、この程度の者に遅れは取りません。私はご主人様のメイドでございますから。……そういえば、ご主人様はなぜ何もないこちらの部屋にいらっしゃられたのですか?」
「別に好きでここにいるわけじゃないんだ…」
こんなダンジョンの奥地に好きで来てると勘違いしているココアに、転移トラップで飛ばされてきてしまったこと、「社会復帰増進法」で政府に殺されそうになっていることを伝えた。どうやら俺は途中から泣いてしまったらしい。
話し終えた時、俺の顔はココアの胸にダイブしていた。気づいた時にはすでに遅く、彼女の女の子特有の甘い香りで頭がくらくらしてしまい、顔に熱がこもるのを感じた。
「私などにご主人様のお気持ちを理解した気になど、出来るものではないのでしょう。ですが、苦しめた者共へ引導を渡すことは可能です。私にご命令ください。必ずやご命令を果たし、国の一つや二つ沈めて見せます‼」
「違う!…それはだめだ!」
「その様な者共に情けは無用でございます。」
「そういうことじゃないんだ。もちろん復讐することは変わらない…だけど俺がこの手で復讐をやり遂げたいんだ。ココアは俺には無理だって思うかな?」
「差し出がましいことを申し上げました。ご主人様であれば復讐を成し遂げることも造作もないと私は信じております」
「嬉しいな…ありがとう、ココア」
「もったいないお言葉です」
俺のスキルから生まれたとは思えないほど綺麗なメイドが従者になってくれたことに口角が上がるのを感じた。復讐も手伝ってくれると思うし、泣いてなんていられないと思い袖口で涙を拭く。
「ココア…相談なんだけどさ、俺はこれからどうしたらいいのかな?」
「そうですね…先ず、ご主人様はこのダンジョンで活動するには、少しステータスが足りていないと思います。なので、レベル上げをしていただきながら私のような仲間を増やすために『万物召喚』を使用して頂きたいです。」
「それって、ココアだけじゃ復讐が難しいってことなの?…レベル999なんて地上には一人もいないと思うけど…」
「確かに無差別に人間を皆殺しにするなら簡単ですが、法案に関わりのある人物を探す為には、どうしても人手が必要となります。なのでご主人様のレベルアップと並行して召喚も行って頂きたいのです。」
「そっか…確かに関係ない人は巻き込みたくないもんね。説明ありがとね…ココア」
「はい、仲間を増やしてご主人様の楽園を作りましょう。」
こうして仲間探しの為に毎日、召喚にいそしむのであった。
「興味フカフカ!」
「続きが読みたい、我慢できないのだ!」
「今後どうなるのかにゃ!」
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