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【尋問施設の前】
どうやら、何事もなく移動できたようだ…。
「はるさん…!何ですか…今のは…⁉」
「あっ…説明もなしにいきなりごめんね…。なんとなく分かったかもだけど、転移魔法の一つだよ。」
「転移魔法って!…そんな高度な魔法使えるんですか…⁉」
「そうだね…。俺らの仲間でも使える奴は少ないから、一般的な魔法じゃないんだろうね…。」
「当り前じゃないですか!…帝都の宮廷魔術師の隊長でも難しいと思いますよ…!」
「エルさん…ご主人様は、特別な方なので…このぐらい造作もないことですわ~」
「そうですぞ!…エル殿、こんなことで驚かれていてはまだまだですな…!」
彼は言葉を発っすることも忘れて、まるでお化けを見たかのようだった。
「エルさんも…少しずつ慣れてけば良いからね…。それよりも…この施設はもういらないと思うから、壊しちゃうね!」
「え、えっと…」
何か言おうとしている、エルの言葉に気づかないふりをして、詠唱する…
「無限の虚空に眠りし重力の王よ…その無慈悲なる力を我に貸し与えよ!黒き太陽よ、その力を持って全てを呑みこめ!……『グラビトン・エクリプス』!」
俺の叫びと共に、巨大な重力の渦が発生し、一瞬にしてあらゆるものを吞み込んでしまった……
「な、何しちゃってるんですか……‼」
「なんかムカついたから…それに俺らの知らない魔道具があったかもしれないからな……!」
「ポイッ…」
彼が作ったと言ってた、噓発見器の魔道具は回収しといた。…だって、後で怒られたら嫌だし……
「これ、持って来てくれたくれたんですか……!」
「うん、だって大事なモノなんだろ?」
「あ、ありがとうございます!」
迷子の飼い犬が、飼い主にあった様な表情するな……こいつ……
「さっきの魔法でかなり目立っちゃったし、取り合えず俺らの住処に移動するぞ!」
そう言うと、俺は転移魔法を唱え、楽園に帰ってきた……目の前には、ココアが居る。
いつも思うんだけど…なんで帰ってくるときわかるのかな…?
「お帰りなさいませ。ご主人様!」
「ただいま、元気にしてるかな…?」
「もちろんでございます、楽園の秩序は問題なく守られております。……それよりもそちらの方はどうされたのですか…?…人間では無い様ですけれど…」
「説明が遅れちゃったね…!この人はエルさんっていう帝国人の人だよ…。さっきまで帝国の維持隊の人に尋問されていたんだけど、この人は協力してくれるみたいだから客人として扱ってほしいな…。」
いろいろと察してくれたのか、さっきより警戒心が薄れたようだ…。ココアの猫耳がゆっくり垂れ、尻尾もいつもみたいに柔らかい動きに戻った。
「ご主人様がそうおっしゃるなら……先ほどは失礼いたしました。どうぞ、こちらへお進みくださいませ。」
まだ少し、疑っているようだけど…それも必要なことだと思うから徐々に仲良くなって欲しいな…それより、例の件で意見合わせしないとだね…
「ココア…!例の件で話聞きたいんだけど、いいかな…?」
「ご主人様のお誘い、大変うれしく思います。…例の件についてはこちらもまとめておりますので、資料と共に後ほど向かわせて頂きます…!」
「じゃあ、俺の部屋で待っているから…来てね。」
俺が部屋に帰ると、前みたいに部屋の中に誰かいるかを警戒したが、今回は誰もいないようで安心だ…。復讐は絶対成し遂げると決めているが、幼いドラゴン娘のモカや暴走しそうなりんかにはあまり教えたくないのが本心だ。
正直、あの二人は1体2で戦ったら勝てるか怪しいほどぶっ壊れだしな…
「コンコンッ…ココアでございます!」
「入って良いよ…。」
「失礼いたします、ご主人様!」
「来てくれて嬉しいよ。早速で悪いんだけど、地上の方はどんな感じだったのかな…?」
「詳しくお話致します!」
そこから、地上での諜報活動で確認できた事項を教えてもらった。
・『社会復帰増進法』を作った際に積極的に関わった政治家や財界の人間の名前。
(総理大臣:大泉 宗一郎、ダンジョンから産まれる『若返りの薬』欲しさに法案制
に強行採決を行った)
(官房長官:杉中 六蔵、大泉と結託しダンジョン利権を自らのものにするために、ダンジョンの危険性を考慮せずに法案を作成した)
(財務大臣:筒丸 鈴太郎、国民に増税よりも簡単に税収を上げる方法がある事をアピールし、『社会復帰増進法』のいい部分だけを強調して賛成勢力をまとめた)
(厚労大臣:幸村 真由美、引きこもりやニートが増えている事に目を付け、健康的な観点からも例の法案の重要性を説き、実際に行われる業務内容を伏せて説明していた)
(八坂財閥:八坂 幸之助、日本最大の財閥のトップをしている男。当時の首相や官房長官と結託し、巨大なダンジョン利権を我が物にするために推進。反対している野党や放送局に把握している不祥事をもみ消す代わりに反対しないように強迫を行う。)
・法案成立に関わった、レスティア帝国の有力貴族たち
(公爵:ゲルグード、アジア圏の政治家に工作員を差し向けて、ダンジョン産のアイテムを採掘するよう促していた。引きこもりやニートの親族が声を上げたときに国家反逆罪の罪で家ごと焼き消すように命令。)
(子爵家:ハーゲルン、ハゲメットの父親で子爵家当主。『社会復帰増進法』制定前に反対していた野党政治家の自由党員を国賊として幽閉。生き残ったニートたちを管理するために奴隷にし、労働内容を口外することを禁止にした。)
(侯爵家:マグリード、ゼノム家当主の男。世界中から奴隷をかき集めて人体実験などの危険性の高い実験を繰り返す。ダンジョンの最奥にあるダンジョンコアを収集する趣味があり、法案制定時に頑なに反対していた政治家を毒殺していた。殺した相手をアンデッドとして再利用する。)
(伯爵:アリア、ゼクス家当主の女。人間狩りが趣味で毎日自分の支配地域で人間ハントなる悪趣味な行事を作り、法案に反対した人の家族を標的にする。)
他にも関係者はいるが、主要メンバーはこの9人のようで…全員出世し、巨大な影響力を行使し続けている。法案に反対した人の数は今この時も減っているようだ…。
ココアとの情報の擦り合わせで、いまの情勢把握が出来るようになった。
「ありがとな…ココアのおかげで誰が俺たちの敵なのか分かったよ…!それにしても『若返りの薬』なんてものも有るんだな…!…研究すればアリシアあたりも作れそうだけど……」
「もったいなき、お言葉でございます。…確かに、ご主人様がおっしゃる通りアリシアなら問題なく作れると思います。」
「そうだよね…後は、どうやって復讐するかだけどさ…どうしよっか…?」
「取り合えず、この国の者たちにご主人様の苦しみをわからせてあげてはいかがでしょうか……?」
「それって、一般の人たちをダンジョンに放り込むってこと……。俺は、それはしたくないな…そんな事したら、俺もあいつらと一緒になっちゃうからね…。」
「大変失礼いたしました!…では、ご主人様がかねてより望まれていた『アルファ計画』を実施致しましょう…。」
「確かに、あれをやれば…あの法案に賛成した一般人の人たちにも意趣返し出来るもんね…!」
「こういう事も有ろうかと、準備をされていたご主人様は、やはり流石で御座います。」
「興味深々!」
「こんな風に描写したらもっと面白くなる!」
「今後どうなるの!」
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