尋問されることになりました!
「パリンッ…」
「じょ、冗談でしょーーー⁉」
どうやら、解除されないと本当に思っていた様だ…。魔力濃度が少なすぎる……はっきり言ってお粗末過ぎる結界で拍子抜けしたな…
「流石は直人様ですわ~私でも殴り壊すのに2,3分かかるものを一瞬で壊してしまうなんて、カッコ良すぎなんですの~!」
「わしならスキルで融解しないとダメじゃったな!流石直人殿じゃな…‼」
「そう言うことだから。…この程度の魔法じゃ、詠唱も必要ないんだよね…正直。」
彼女はまだ衝撃から立ち直れないのか、あ然としている…俺達が、話をしてるとリーフちゃんの声が聞こえる…
「し、しつれい致します!…重田さん…維持隊の関東地区の統括が来てます…‼」
「わかったわ!…あなた達にお客さんみたいよ…フフッ…どうするのかしら♡…」
こんな時にもこの変態はウィンクしながら質問してくる…
「取り合えず、面倒は嫌だから念の為にも…同行を促して来たら、行こうかなって思ってるかな…。」
「わしらも、同じ気持ちですぞ!」
「もちろん、わたくしもですわ~」
「仕方ない子たちね…いいわ、後で後悔しても知らないわよ♡……リーフちゃん、お通ししてちょうだい‼」
リーフちゃんが、いかにも軍人って感じの渋めのおじさんを連れてくる…厳格な軍服に身を包んだ高位の軍人だ。後ろには数人の兵士が整然と並び、その圧倒的な威圧感が室内に広がった。
「お前が直人とかいう、維持隊に危害を加えた貧民か…?」
「貧民ではないが、俺のことだな…何様かな、ぞろぞろと群がって…?」
気に障ったのか、眉間にしわが寄っている…
「探索者ごときが!…まあ、良い…貴様にはグレイナル子爵家長男の誘拐をした疑惑がかっかている、詰め所に連行する…‼」
結論ありきって感じで、気に食わねーな…
「冗談だろう…?俺には何のことだかわからないよ…」
「黙れ!貴様の意見など関係ない、貴族の失踪は重大な問題だ。その責任を追及するためなら、どんな手段も許される。」
はなからこっちの話聞くつもりないとか、問題解決するつもり無いだろ…まあ、ここはあえて着いてくのも有りかもな…
「直人様は、貴族の誘拐なんてなさいませんわ~!」
「リリア、気持ちは嬉しいが…俺も疑われたままは気持ちが悪いからな。…付いていこうと思ってるんだ。」
「そうだ!…平民は私たちの命令に従っていればいいんだ!…協会長、貴様も引っ越しの準備でもしとくんだな。…こいつらが黒だった時はお前も連帯責任だからな…!」
「やだもう、隊長さんったら。私傷ついちゃうわぁ~♡…」
変態はいつでもぶれねーな…
「まあ、良い…近くの詰め所で聞き取りをするから、ついてこい…!」
俺たちは、偉そうなグレイナル家の私兵に連れられて行く…。
一人一人を尋問するようで、郊外の施設に連れて来られた…
「ここで一人一人別れて各部屋に入れ!…拒否権なんてないから大人しくしてろ…‼」
「あの…?武器とかは持ち込みOK何ですか…?」
「もちろん、ダメに決まっているだろ…!そこの籠に入れておけ…。」
「念のため言っておきますけど…この武器は自我があるので触らない方がいいですからね…」
「フンッ…そんな高度な武器をお前のような探索者ごときが、持っているわけないだろ…!」
俺の忠告を全無視するつもりみたいだな。こいつにお願い出来たらいいけど…この剣、言うこと聞いてくれないんだよな~……俺たちは、言われたように武器を外し籠に置いていく。
「直人様を一人にするなんて…失礼ですわ~」
「わしらが一人になるのは構わないが、直人殿にはどちらかが一緒の方がいいのじゃないかの…」
「二人共、大丈夫だよ…この人たち程度なら問題ないからね…」
俺は、二人に聞こえるか、ギリギリの声で伝えた…俺達が、個別に取調室のような部屋に入ると各部屋に一人ずつ、軍人らしき人がやってきた。どうやら、俺の相手はさっき連行して来た奴みたいだな…
「状況的にお前たちが、グレイナル家のご子息様をさらったのは明確な事実だ!…私たちの貴重な時間を貴様ら平民ごときに使わせるな…!」
「事実?…ずいぶん面白い冗談を言うじゃないか。俺がそんな面倒なことに首を突っ込むと思うか?」
俺は淡々と答え、口元にかすかな笑みを浮かべる…
「証拠があるなら、見せてみろよ。時間を無駄にしたくないんだろう…?」
「証拠はある。お前の行動パターン、接触した人物、全てが彼の失踪に繋がっている。今ならまだ、自ら罪をを認めることも出来るぞ!さもなければ…」
「さもなければなんだよ…?それより早く証拠を持って来いよ…。まあ、持ってないだろうから見せられないだろうけどな…!」
彼は我慢できなくなったのか、拳を握り締め、明らかにいらだっている…
「ドカンッ…」
いきなり机をたたき始めた…。おかしくなっちゃったのかな…?
「自供してくれないか!…ここにいる限り、私たちのルールに従うしかないんだ。貴様が口を割らなければ、あの小娘もどうなるだろうな…?」
「ルールだと?そのルールってやつはお前が勝手に作ったものだろう?俺は、そのルールに縛られるつもりはない。だから、その幼稚な脅しはやめておけ…!」
「全く、これだから地球の猿はしつけが行き届いてない!前にもこんなことがあったよ…。なんとか法に反対してた親族のやつらも、面倒な連中だったな…」
こいつ…!俺の母さんに何がされたか知っているな…⁉今までの空気が噓のように重くなる。
「お前…あの件について知っているんだな…?誰がやったのかも…」
「黙れ!お前が何を知ろうと、この場では私が…」
軍人が言葉を発し終わる前に、俺は両手を強く引き、手錠の鎖をねじ切った。魔鉄製の鎖が激しい音を立てて崩れ落ちる。再び拘束しようとしてくるが…
「ドガン…」
「お前に、聞きたいことが出来たよ…!今度は俺の番だ。知ってることを全て吐いてもらおうか…⁉」
俺の拳が体にあたり、軍人の男は壁にめり込んでいる…。
「貴様…何をするつもりだ!私は貴族であり軍人なんだぞ!こんなことが許されると思うな!」
「黙れ。この状況でまだ自分が優位に立っていると、思っているのか?俺が探しているのは、さっき口走ってた法案の件だ‼早く教えろ、さもないと…」
俺は一瞬で言葉を切り、冷静な笑みを浮かべて続ける…
「さもないと、お前がどうなるかは…言わなくても分かるだろ…」
「分かった…話す…だからその殺気を沈めてくれ…」
「お前が正直に答えれば、すぐ終わるさ…取り合えず、聞かせてくれよ…誰の命令で法案に反対した人たちを殺したんだ…?」
「ほ、本国から連絡が来たんだ…恐らくだが、本国から子爵家より上から命令が来たんだろ…」
「なぜおそらくなんだ…?」
「本国の使者にはその地域の統括を行っている者しか、面会できないんだ…」
「なるほどな…だが予想ぐらいはできるだろう…?」
「私の口からは……言えない…」
「まだ立場がわかってないんだな!…仕方ない奴だ…忠告はしておくが今すぐ答えた方が身のためだぞ…!…まあ、いまだに理解出来ないなら体に聞くしかないよね…?」
俺は、空間魔法から毒々しい剣を出す…こいつは、いきなり目の前から出てきた禍々しい剣に興味津々の様だ…
「この剣は特殊な技法で作られた魔剣なんだよ…作り方は簡単、人間の魂を使った呪われた剣なんだけど、痛みが通常の100倍になる武器なんだ…」
「じょ、冗談だよな…そんな呪物使うなんて、イカれてる…」
「なんで、怖がってるか分からないんだけど…答えてくれないみたいだし、刺しちゃうね…!」
満面の笑みで伝えると、まるで悪魔でも見たかのような表情で青ざめていく…
「…………。」
「答えないのは自由だけど…お前の精神がどこまで耐えられるか…俺自身も興味あるな…」
グシャッ…まるでトマトがつぶれたような音が部屋に響く…
「う、うああああっ!」
刃が肉に触れた瞬間、軍人の身体にはまるで火が燃え広がるような激痛が走る…
「く、くそっ…!何だ、この痛みは…!やめてくれ、こんなの耐えられない!」
「そう言ってる俺たちの家族にも、もっとひどい仕打ちをしたんだよな…!なら、お前自身も痛みを感じないとだめだよな……‼」
俺は冷酷な表情で見下ろし、さらに剣を深く押し込む。その動作と共に、軍人の体は痙攣し、悲鳴をあげる。
「う、あああああっ!やめろ、やめてくれ…!頼む、もう耐えられない…!」
「痛みから解放されたいなら、早く全部吐け…!さもないと、この痛みは永遠に続くぞ。」
「分かった…話す、話すから…もう、もうやめてくれ…」
彼の顔は涙と汗でぐちゃぐちゃになり、彼の眼は恐怖に満ちていた…
「め、命令した方は…公爵様のゲルグ―ド様だと、思います…。命令には逆らえなくて、だから…私だけは助けて…」
「なるほどな、公爵からの命令だったら…絶対服従しかないな…。だから、お前たちには責任がないってことか…?」
「その通りです!…私は全部話しました…だから、見逃してください!」
「そうか…やはりお前達には救いは必要ないな…!元々、俺たちの家族を苦しめた奴らを助けるつもりなんてないからな…!」
奴は、絶望した表情をした後…狂気じみた笑みを浮かべ、体中から禍々しい魔力が立ち昇る。
「何を?」
奴の背中から天使の羽が生え、金色だった髪は漆黒になり、青白い肌が鋭い爪と牙に覆われていく…
「貴様にはわからないだろう、この力の意味が…!これは私たち、貴族の本当の姿だ!」
「ハゲの時と一緒でお前も変身するんだな~」
「黙れ!お前はここで終わりだ!…『ダーク・インフェルノ』!」
奴は巨大な黒い炎の塊を投げつけてきた…
「『ディスペル』」
俺が魔法を唱えると元々何もなかったかのように、奴の魔法が消滅した…
「本気を出してみろよ…お前たちの誇りとやら、壊してやるよ!」
「下等種の分際でなめるな……!我が手に集い、闇へと返せ『シャドー・カノン』!」
「パシンッ…」
「くだらないな!……こんな大道芸しか出来ないのに、誇りとかプライドとか恥ずかしくないのか…」
「あ、有り得ない!闇魔法レベル8の魔法だぞ…」
「本当の魔法ってやつを見せてやるよ…!深淵より這い出し紅蓮の焔よ…その怒りを今、解き放たん…!終焉を告げる灼熱の地獄を見せよ、全てを焼き尽くせ…『タルタロス・インフェルノ』!」
青い炎が火柱を立てて爆発する…部屋の中を一瞬で灼熱の地獄と化した…
しばらくして…着弾点を確認すると地面が融解し、そこには何もなくなっていた…
「あっ!」
リリア達大丈夫かな…?変な事されてないと良いけど…
「楽しい、面白い!」
「読み続けたい!」
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