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第1話 私が変身!?

「ん?なんじゃお主。わらわは見世物ではないぞ」


「あ、え、その……」


「……なるほど、ビビり散らかしとるだけか。


 んー、向こうから地獄の者の気配がするのぅ。よし、お主はまた後でじゃ。精々怯えて待っておれ」


 その化け物は私から視線を外し、後ろを振り向く。


(向こうに何かあるの?たしか、『地獄』がどうとか……)


 たしか滅ぼすって言ってたし、この人(?)が敵で地獄の者って言う人が味方なのかな……。


「……あっ!!嬉々さん、夢々さん!」


 辺りを見ていると、倒れた二人が見えたので駆け寄った。


 脈はあるし、呼吸もしてる。詳しいことはわからないけど、多分大丈夫かな?


「でも、アイツのせいで二人が……」


 私にできることは、警察に通報することと、救急車を呼ぶことぐらいしか無かった。



 一方その頃、祝サイド


「ん?なんか音しなかった?ドゴーンって感じの」


「えー、そうかな?」


「うーん、勘違いだったかも」


 私は、友人たちと一緒に帰路についているところだ。丁度学校を出たタイミングで、音が聞こえた気がした。


(いや、これは勘違いじゃない気がする。音の響き方的に方向は……ん?)


 何……あの炎の柱は。あんなもの初めて見た……!


「ちょ、ちょっと向こうの公園で遊びたいから帰ってて良いよー!!」


「「は、祝ー!?」」



 私は昔から人並み以上に勉強が出来た。


 他人より優れている理由は地頭だけではなく、気になるものへ一直線に向かう程の探究心も理由の一つだった。


 そして今、初めて見る現象が見えた。これは行くしか無いでしょ!!


「たしかここを曲がって……きゃっ!」


「むぎゃ!!」


 角で曲がるタイミングで誰かとぶつかったみたい。今度からはちゃんと気をつけよう。


「いてて、すみませ……ん?」


 この人……角が付いてる……!?


「チッ、人間に見られたか……」


「え、えっと……」


 ギロリと睨んでくるこの男性は、急にハッとした顔になり、振り向く。


「下がれ!」


「え?あ、はい!?」


 私が下がると同時に、炎が前からやってきた。


 まるで、普通の何倍もデカい火炎放射みたいな火力。近くにいるだけで溶けそうだ。


「ふむ、まずは一人じゃな。にしても、何故ここに地獄の者がおるのか……ま、どうでもええわ」


「だ、大丈夫ですか!!」

 

 炎が止まり、あの男性の姿が見えてくる。


「はぁ……はぁ……」


 男は私を睨みつつ、とてもイライラしてそうな顔で言ってきた。


「おいお前。ここで逃げようとして死ぬか、それとも立ち向かって死ぬかどっちがいい」


「私は……ねぇ、もし逃げれたとしてどうなるの?」


「市内が滅び、地獄……俺たちの故郷が消え失せ、世界がアイツらの手に落ちる」


「なら立ち向かって生き残るしか無いじゃない……!」


「ふん……いいか、これは成功しない可能性もある。それでもするか?」


「逃げたら最悪の未来しか無いんでしょ?そんなの気にしてらんないよ」


 このとき、男が少し笑ったように見えた。でも、勘違いだったのか瞬きしたら元の顔に元通り。


「その度胸に免じてこの方法を教えてやる」


 そう言うと同時にその男はどこからか謎のアイテムを取り出した(龍騎のドラグバイザーみたいな物)。


「それを手首に装着しろ!」


「こ、こう……?」


装着(SET)


「な、なんか鳴ったよ!?」


「何も考えずに思いついたことをしろ!」


「え、ええ!?」


 そんなこと言われても……。


「……何をしとるんじゃお前らは。さっさと消え失せろ!」


「手の炎が……!早くしろ!」


「う、うん!


 地獄の名の下に!我が魂の真の姿を映せ!」


『奇術師《Magician》!』


「変身!」


――――――――――――――――――――――

次回へ続く

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