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24ー須藤先輩の様子がおかしい事に気付かないわけがない

更新頻度が安定せず、すいません。

できるだけ毎日投稿目指します!

「さて、話を聞こうか(はるか)


純也(じゅんや)さんと加藤(かとう)さんが居なくなり、3人になったボランティア部の部室で皆川(みながわ)先輩はそう切り出しました。


「えっ? 急にどうしたの桜」


「えっ? じゃないよ。気付いてないと思ったの? さっきからずっと元気ないじゃん。 霧島(きりしま)に会ったくらいの所からずっと」


「私も思いました。今日はずっと様子がおかしかったです」


確かにずっと気になっていました。

霧島先輩がイメチェンして格好良くなって、きっと喜ぶと思っていたのですが逆に落ち込んでいるように見えましたし……


「だよね! ほら、後輩にも心配かけちゃってるし、悩みがあるなら聞くよ。霧島に何かされたとか?」


「ち、ちがうわよ! それに私は元気元気!」


須藤先輩はそう言って力こぶを作るジェスチャーをし、笑顔で答えます。


「……もしかしなくても恋の悩みかな?」


皆川先輩はニヤリと悪い笑みを浮かべてそう尋ねると、須藤先輩はびくりと肩を震わせて反応しました。

どうやら図星のようです。


「ほほう、恋する乙女は複雑ですなぁ」


須藤先輩の反応で確信したのか皆川先輩はそう言いながら須藤先輩を肘でつついています。


「霧島先輩が格好良くなって何か不満があったのですか?」


そんな私の問いかけに反応したのは皆川先輩でした。


「?! 可憐ちゃん、遥が霧島の事好きなの知ってるの?」


皆川先輩も須藤先輩が霧島先輩のことを好きなことを知っていたようで、私が知ってる事に驚いている様子です。


……でもまあ、昨日会ったばかりの私が知っているくらいなので周りにはある程度バレているとは思いますが。


「昨日初めて須藤先輩にお会いした時に、霧島先輩に告白まがいのーー「いやあぁぁぁ?! 可憐ちゃん! ストップストップ!」


須藤先輩は私が昨日の出来事を話そうとしたのを全力で阻止してきました。


多分先輩の中で今すぐ忘れたい黒歴史になっているのでしょう。


それに気づかず私はなんて事を……

それに皆川先輩に知られたら面倒なことになりそうですし……


でも私は全部言ったわけではないので多分バレてないはずです。大丈――


「告白まがいって……わかった! 遥がいつも通り、照れ隠しに霧島の前でつんけんしたら、うっかり口を滑らせて告白まがいの事をいったんでしょ! それでも霧島は気づかなくてスルーしたんでしょ?」


――夫じゃありませんでした。

思いっきりばれてました。


「皆川先輩……的確過ぎて怖いです」


「まあね、いつも通りだから」


あれがいつも通りなんですか……

だとしたら霧島先輩は大罪人ですね。


皆川先輩は得意気に語る一方、須藤先輩は肩を落としてうなだれてしまいました。


須藤先輩ごめんなさい。


「でもそれは昨日の話でしょ? 今日はどうしたのさ」


「……今日、霧島格好良くなってたじゃない?」


須藤先輩は観念したのかポツリポツリと元気がない原因を話してくれました。


「ずっと前からあいつが高スペックなのは知ってたのよ。でもあいつは性格があんなだし、見た目もぱっとしてなかったからそんなに目立ってなかったけど。格好良くなっちゃったら誰かに霧島を取られちゃうかもしれないし、私だけが知ってた霧島の魅力がみんなに知られちゃうし、でも私はあいつの前だと素直になれないし……もうどうすれば良いかわかんなくなっちゃって」


そう話す先輩の話を聞いていると皆川先輩が耳打ちをしてきました。


「可憐ちゃん。あれ、どう思う? 霧島がイケメンになったところで中身は霧島のままだよね。中身()あんなならあんまり問題なさそうだけど」


「うーん、そうですね。多少不安材料は増えるかもですが、危機的というわけではさそうですね」


霧島先輩は多少クセがあるかたなので性格の合う合わないがはっきりしてそうですし……

少なくとも万人受けされるタイプではないと思いますから。


「でしょ? それで私は今回の件は二人の距離を一気に近づけさせるチャンスだと思うんだよ。いい加減くっついてほしいって思ってたしね。遥が危機感と焦りを持ってくれて、アタックする勇気が出しやすい状況になったからさ」


「先輩もお二人をくっつけたかったのですか?!」


「可憐ちゃんも? もし良かったら二人で協力して遥の恋を応援しない?」


「協力しましょう先輩! 私がこの部活に入るのを決めたのは須藤先輩の恋を実らせるためでもありますから」


というかほぼそれが理由です。


「須藤先輩!」


「へ?」


私が先輩を呼ぶと、須藤先輩はびくりとこちらを振り向きます。


「ピンチをチャンスに変えましょう」


この件がもどかしい恋を後押しするきっかけになれば良いと私は期待に胸を高鳴らせました。



でも、この時はまだ知らなかったのです。

その後、霧島先輩に人生初のモテ期が到来することを。

ここまで読んで頂きありがとうございます!少しでも面白いと思っていただけたら、是非ブクマ、感想、評価等よろしくお願いします!

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