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15-人気のある可憐にストーカーがいない訳がない2

純也(じゅんや)さん? こっちの道ですか?」


「うん。こっちの道の方が駅に近いんだよ。早く帰れる方が安全でしょ?」


「へえ、初めて知りました。気を使って頂いてありがとうございます!」


「まあ、俺は地元民だからね」


ハハハと乾いた笑いで自然体を装うが、内心は冷や汗ダラダラだ。

駅までの近道なのは本当なのだが、騙しているようで罪悪感が半端じゃない。



俺達はその後学校から駅まで一緒に下校していた。


だが、一緒に帰るとは言ったものの、俺はある重要な事をすっかり忘れてしまっていた。


現在の時刻は7時を少し過ぎたあたり。

駅までつながっている大通りには部活終わりの生徒がちらほらいるのだ。

前にも言ったが、可憐は凄く人気がある。

現にストーカー被害に遇っているのだからその影響力は計り知れない。

一緒にいるところを見られればその後どうなるかは当然予想できる。

だから周囲にバレないように少し大通りを外れた住宅街を歩いていたのだ。


「あ、本当です!goggles(ゴーグル)マップでも400m近いって出ますね!」


「で、でしょ?」


そんなに近道だったのか。


意外に近道で自分でも驚いた。


「あ、そうだ純也さん。香織(かおり)と喧嘩でもしたんですか?」


「香織と? してないけど」


香織を怒らせるようなこともした覚えはないのだが……


可憐と香織はクラスは別でも仲が良いらしい。

なんでも委員会が一緒で意気投合したのだそうだ。


「最近純也さんの話を香織にすると急に機嫌が悪くなるんです」


あ……


俺は全てを察した。







「ありがとうございました!」


何事もなくその日は駅にたどり着けた。


怪しい人影も見あたらず、誰にもつけられていた様子はない。


「大丈夫だよ。明日からも不安じゃなくなるまでは送っていくからさ」


「本当にありがとうございます! 私の友達はみんな部活があるので、いつもは一緒に帰る人が居なくて心細かったんです。でも純也さんが居てくれたお陰で安心できました」


可憐の額のマークは真っ赤なニコニコマークに戻っている。

こんな俺でも彼女の役に立てたならうれしい。


「じゃあ可憐も部活に入ってみたらどう? 俺も帰宅部だから俺が言えたことじゃないんだけど、文化部とかなら可憐も入りやすいと思うし」


うちの学校は入部期間が決まっていないため、どの時期からでも部活に入ることができる。


「それも少し考えたんですけど、今の時期から部活の見学に行くのは少し抵抗がありまして……あ、そうだ! 純也さんも一緒に部活入りませんか?」


「え、俺も?」


「はい! 知り合いがいる方が安心できますし」


部活か、中学の時に怪我をしてから考えたこともなかった。

特にやることがなかったので良い機会かもしれない。


「そうだね、良いかも。入ってみようかな」


「では今度一緒に見学に行きませんか?」


「良いよ。夏休みが近いからそれまでには行きたいね」


「そうですね! 電車が来たみたいなので詳しい事はまた今度話しますね。ではまた明日!」


「また明日!」


そう言って俺達は別れた。


部活か、何部に入ろうかな。

そんなことを考えながら今来た道を戻るのだった。



ここまで読んで頂き、ありがとうございます!


少しでも面白いと思って頂ければ是非ブクマ、評価、感想等よろしくお願いします!

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