サタン様
混沌たる光の民との対立関係ある闇の民の住む世界にはひとつひとつと見れば普通の民家がチラホラとあるがドドんっと大きく立派なお化け屋敷みたいな所がある。そこが闇の民たちのトップ(魔王様)の住む屋敷だ。
魔王様は悩んでいた。数十年に渡り、この世界にも飽き今の自分の器である人間の皮にもガタがきている。このままダメな皮を被りながら皮とともに死を選ぶか、それともみんなが器を数年間ずっと探している為に裏切らずにそのまままた新たな皮を被りこの世界の魔王として君臨し続けるのか。
悩んだ魔王様がとった行動……それはベルフェゴールを探しに行くという嘘でひとり人間世界に遊びに行ってしまおうという事だった。
勿論、ばれないように魔力も抑えて変装もきっちりして。
変装と言っても……人間の姿にはならず自然体でいった。
がしかし、幼き子供に見つかり失敗をしてしまった。
『ソラにィ……うしゃぎ(うさぎ)つかまった』
捕まえたを捕まったと言い違えをおこしているアオにソラはほっこりと笑顔になる。そんなソラの姿をアオに首をぎゅうっと捕まり首が占めあげられるように苦しい魔王様は見る暇も無く顔も様子も帰ることの出来ないウサギでは心の中で『ヘルプサイン』を出しても無駄と思い一時的に変装をとこうとした……が、それはなしえなかった。
ソラ『アオ……ウサギさんが苦しそうだから掴まないで離してあげて』
アオ『なぁ(なんで)?』
ソラ『ウサギさんは繊細だから優しく触らないとダメなんだよ。それに首をアオもギュッされたら嫌でしょ?』
アオ『わぁた!はなしゅ』
人間でもこういう芯のしっかりしたやつはいるんだなと噛み締めた。闇の民(悪魔)が人間に付け入ったり悪さをするのは人間が元々は天使だったり人であった我らを狩ったからだ。人は悪よりも悪。そして脆い。
だからこそ我たちは人を利用しようとするのだ。
だが、悪魔もすぐに人に取り付ける訳でもない。創意の元でもなく入ろうとした場合、心や人間性が穢れ汚れているものほど漬け込みやすく取り付きやすいのだ。
まさに我の今の皮(器)はそうであった。ただ、魔力の貯蓄だけは大きいほうだからと選んだそれだけなのだ。
だが、もしも彼らが我の器のものであるならば我は…………。
『魔王……シンデ』
なっ!その時にやってきたのは聖水を持った祓魔師や異能力集団たちだった。我はやられたのだ。ルシファーなどの側近にまんまとハメられてしまったのだ。
思えばそうやすやすと魔王を留守にしていいはずがなかった。
我は早くも死の道を皆よりも先に進めてしまったようだった。
しかし、魔王としての義務だ。ただ死ぬだけではだめだ。あの……あの少年の…………方に少しでも力を…………。
アオ『ソラにィ……見て、キレイな石』
ソラ『アオそれより……刻印増えてる……大丈夫か?』
ソラがいち早く気づいたそれこそ魔王の加護とでも言おうか、ラッキーアイテム的な大事なそれこそが優しく偉大だった魔王の強き思いの結晶。
今日は2月22日という事でにゃんこの日だそうです。
猫がいっぴき猫がにひき…………
猫がさんびき……猫が―――――――――――――――――。