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女子でもサバゲーやるんです!  作者: 追い鰹☆
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25話『リンク』

前回の「女子サバ」☆

〈今日は待ちに待ったアップデート…のはずが不具合で中止。寝ないで用意していた悠依は絶望した…〉とさ

帰りにゲームセンターにて遊ぶJK3人。ポンコツとツンデレとアブノーマルは椅子に座り、携帯型端末にて公式のサイトやFPSについてのブログを見て過ごしていた。


美玖「今回の件でアンチ凄い増えたね。」

悠依「うん。なんか、ちょっと残念だな、私。」

梨子「もしかしてさ…侑子がログインしなかったのって、不具合と関係してるんじゃない?」

美玖「あーーー!なるほど!ツンデレは冴えてるね!!」


梨子は美玖の足を蹴りつけ、続けた。


梨子「もしそうだとしたら…ん?でも待って。たしか音信不通よね…」

悠依「とりあえず、有希さんに聞いてみるね。」


そう言うと悠依は有希の連絡先から電話を掛けた。





有希「もしもし。氷野です。」


3回目のコールが鳴り終えた後に有希が出た。


悠依「もしもし、桧山です。有希さん、お忙しい中すみません…」

有希「んん、大丈夫だよ。。。で、どうかした?寂しくなった?」

悠依「ううん。実は侑子さんについて聞きたくて…」


有希は息を呑んだ。今朝、病院に搬送された自殺未遂者…まさに悠依が聞こうとした人こそ、自殺未遂を犯した人だったのだ。


有希「あ…あ…」

悠依「え、と、、、有希さん?」

有希「いや、やだ。認めない…認めたくない。」

悠依「な、何をです?」


有希は電話を切らずにその場をさった。


梨子「どうなの?」


悠依は首を横に振った。

すると突然聞きなれた誰かの声。


?「驚いたらごめんね。実は今朝さ…この病院に運ばれた人がいてね、その人、自殺未遂者でね、かなり酷い状態で見つかったの。そして身元を確認したら、、、侑子だったんだ。」


悠依は衝撃的なことを言われ、自我を保てそうに無かった。


悠依「どーゆー、事です…それ。ねぇ、凜咲さん。教えてよ…ねぇ!!」


電話が切れる。


美玖「ちょ、ちょっと。ひとまず状況を整理しない?とりあえず話を聞く限りだと…侑子さんが自殺未遂。か…」

悠依「あんなに優しかったのに…私…どうすれば良いの…」

美玖「とりあえず、梨子。まだ平気?」


美玖は腕時計を指さしながら聞いた。


梨子「今日は平気よ。」

美玖「じゃあ…侑子さんに会いに行こう。有希さんが働いてるのは市立病院だから…歩いて15分かな。」

悠依「…私のせいだね。私…変な態度取ったから…私が殺そうとしたのも同然ね。」

美玖「ちょ…悠依!」

悠依「とりあえず…行こ。」


歩いて約20分程で3人は病院に着いた。

受付には凜咲が暗い顔をして座っていた。


凜咲「来たんだ…みんな。」

美玖「あの…侑子さんの部屋は?」

凜咲「今、案内するわ。でも、有希はほっといて欲しいな。あの人、ちょっと気が狂ってて…」

美玖「そっか…」


エレベーターに乗り、凜咲は9階を押す。


凜咲「突然だったよ。急に電話が掛かってね。有希が応答したんだけど、救急車を出して、行ってみたら、侑子の家だったの。見つかったのが早かったから、大事には至らなかったけど侑子は…」


凜咲はそこで話を止めた。


凜咲「902…ここよ。」


悠依はゆっくりドアを開けた。

美玖が電気を付ける。


綺麗な内装だが、ベッドの上には異質な状態で侑子が寝ていた。


悠依「ひっ…」


酷い状態だ。首には包帯が巻かれているが、血が滲んでいる。そして両手の爪は剥がれ落ちている。次は何も着ていない下半身だ。ここからは酷いアンモニアの様な臭いが立ち込めていた。


悠依「どうして…どうしてどうして!なんでなの!どうして相談してくれなかったの…!」


悠依はその場で泣き崩れた。同時に思い出す。

一緒にショップでスコープを選んだこと。

いつも背中に気を配り、見てくれてたこと。

そして、いっつも一緒に笑ってたこと。


美玖「…悠依。私達、外にいるね。」


そう言い残すと、悠依を残して、みんな病室を離れた。


悠依「…辛かったよね…気づけなくて、ごめん…!でも…でも悪気なんて無かった。」


侑子の足が少し動く。意識はまだあるみたいだ。


侑子「…、…、」


何か言おうとしているのだろうか。口元から何か聞こえた気がした。

だが首の状態がよろしくないためか、声が出ていなかった。


悠依「これからは…無理しないでね。私は、一生侑子さんの仲間だよ。」


また何かを言おうとしている。

悠依は口元に耳を近づけた。


侑子「ごめんね…」


侑子は微かにそう言った。


脈を測る機械に映る侑子の心拍数はみるみる減っていった。



あれからどれほどの時間が流れただろうか。侑子の心臓は遂に停止してしまった。

機械が高い音を立て、心肺停止を知らせた。

すぐに数人の看護師の方が来た。ペンライトで右目、左目と照らして確認した後、言われた。


「現在時刻、11時49分…死亡を確認しました。」


微かな静寂の後、悠依は大声を上げて泣いた。それに続くように、有希が崩れるようにその場で倒れ、泣いている。


侑子は愛されていた。


最期の最期まで。


侑子を思ってくれている人がいた。


侑子を愛している人に囲まれて侑子は逝ったのだ。


有希「辛い時…相談してくれれば良かったのに…」

悠依「…みんな、侑子さんの、夢。知ってるかな?」


他の4人が悠依に哀しい目を向ける。


悠依「侑子さんね、前に言ってた。【いつか、ゲームで1位を取りたい】って。だからね、私、決めた!」


全員の視線はいつの間にか悠依の言葉を待つような視線になっていた。


悠依「FPSで…ランキング1位を取る!そして、みんなで侑子さんの夢を叶えたい…!」

梨子「ほんとに…そういう所真面目な人ね。」

美玖「私はどこまでも付いてくよ、悠依。」

有希「なら、私も。みんなで達成しよ。」

凜咲「ポジティブっていいね…私も協力するよ。」


悠依達は侑子の死と新たな目標によって一つになった。

悠依達の戦場はここからだ。


有希「おっと…そうだ、悠依。1人、知り合いの人がFPSのゲーム引退するからって色々貰えそうなんだ。侑子の分も含めて、アプデ前にでも大幅強化しとかない?」

悠依「…うん!」


そうしてその日は解散となった。

後日、葬式と火葬が行われ、侑子の1連の件は幕を閉じた。



1期…終了でございます。

ここまで読んだくださり、誠にありがとうございます!

2期の予定はまだ未定ですが、いつか必ず…悠依達はここに戻ってきます。その日まで…待っててください!

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