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女子でもサバゲーやるんです!  作者: 追い鰹☆
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24話『不運は続く…?』

前回の「女子サバ」☆

〈最終日を楽しもうと努力する5人。侑子はいなかったが、それぞれの活躍により無事に最終日を終えることができた…〉とさ

悠希「そろそろ起きないと…遅刻するよ?お姉ちゃん。」

悠依「んー…」


とてつもなく重い瞼を開けるとまず最初に写ったのは妹の悠希の顔。よく見れば唇の隅に歯磨き粉が付いている。

次に時計へと目を走らせた。現在時刻…


悠依「8時…12分!?」


遅刻まで約20分。


悠希「…バカ。」



悠依が制服に着替え、身だしなみを整えるのに掛かった時間は僅か5分だった。走れば5分程で学校に着く距離だが学校に持っていく授業道具の準備をしていなかったがためにぎりぎり間に合う…ことはもう無いだろう。


悠希「行ってらっしゃい。今日はストレートなんだね、髪。」

悠依「ポニーテールにする時間無かったから…と、とりあえず行ってきます…」


悠依が学校に着いた時、まず最初に学年主任の先生に怒鳴られた…らしい。

教室へ入ると国語の授業中だった。そして悠依だけ反省文の時間となった。


授業が終わり、無事に反省文を提出した悠依はなんと梨子にビンタをされた。


梨子「あなたほどバカで哀れな女子高生他にいないわよ。。。」

悠依「でもぉ…」

美玖「落ち着いて。まず…悠依はストレートよりポニーテールの方が可愛い。」

悠依「ほんとに!?」


束の間の褒め言葉。次に悠依を痛めつける。


美玖「そして…ゲームのし過ぎ。どうせ、今日の正午からのアプデに備えて色々と用意してたんだろうけどね。」

悠依「…反省します。てか、しました。」

美玖「うん。なら、それで良し!」


今日、何故悠依は寝坊したのか…

一週間ほど前、公式の運営が発表したのは新たなアップデート情報だった。中でも目を引いたのが【1部の武具に属性付与/属性耐性の追加】だった。

正直、そこまで来ると本来のFPSより離れる気がする…との声も上がっていたが、悠依は逆に属性の追加を待ちわびていた。

何せ、悠依にとって属性の無い、更に一人称視点のゲームは初めてだったからだ。そして1部の武具…それは【光学銃等の実弾銃以外の銃/レーザー耐性の防具】だった。

悠依は自分の光学銃に属性が付与されると知り、ここ5日ほどは休息をほぼ取らずにテレビ画面と向き合っていた。


梨子「でもさ、例えばだけど【属性に関して何も無い防具】とか、どうなるんだろうね。」

悠依「それは普段の良くやってるアクションゲームと同じだよ。火耐性の防具に火属性はあまり効かないけど耐性が無ければ普通にダメージが通る…って感じだと思うよ。」

美玖「確かに悠依の言う通りだけど、もしかしたら…」

梨子「もしかしたら?」


美玖の予想は大半が当たる。本人曰く、適当らしいが…


美玖「普通のガンシューティングとして考えたら、属性はダメージ増加より、相手にデバフを与える様な考え方じゃないとゲーム変わっちゃうし、そうだったとしたら、属性耐性があったとしてもダメージは普通に入るのかも…」

悠依「まぁ、帰ったら分かるよ!」

美玖「そうね。放課後だね。」

梨子「そろそろ次の授業よ。悠依、たまには授業に集中しなさいよ。」


悠依はゲームのアップデートが近くなると授業中にも関わらずゲームの事しか考えなくなる事がよくある。これによって先生に怒られた回数は…考えたくもない。



チャイムがなり、部活に向かう生徒、廊下でたむろする生徒、そそくさと帰る生徒が出てきた。


悠依「梨子、情報出てる?」

梨子「んーと、、、うん。ある感じ。どれどれ…」


【不具合により、アップデートを中止しました。次のアップデート予定日は未定です。情報の公開…】


梨子「不具合?」

悠依「え?何の?」

梨子「不具合によってアプデ中止されたってさ…」


悠依はその場で膝を付き、地面に崩れた。


美玖「ごめんごめん。待った?」

梨子「いいえ、そうでも無いわ。でもショックな情報により悠依は力尽きたばかりよ。」

美玖「あ、もしかしてアプデが中止になった事?」

梨子「そう。よく知ってるわね。」


美玖が遅れた理由は同じクラスの男子と上記の悠依と梨子の様なやり取りをしていたからだ。


美玖「気の毒ね…寝坊するほど頑張ってたのに。」

悠依「人生…終わった。アップデート…来ない。私にとって…運命の…アップデートは…不具合で中止。」

梨子「…ゲーセンでも行こうかしら。美玖、あなたはどうする。来る?」

美玖「じゃあ、同行しよっかな。」

梨子「悠依。私と美玖はゲーセン行くわよ。あなたはどうする?」

悠依「………行く。」


正直悠依にとってゲーセンがどうとか、今はどうでもよかった。ショックで意識が朦朧とした。【早朝の努力とは…?】悠依はそれしか頭に無かった。もっと早く情報が入っていれば…先生に怒鳴られることなど無かったのだ。


その頃有希は…


有希「やぁやぁ、麻井君。お仕事お疲れ様。」

凜咲「どしたのさ。急に。」


麻井君。とは凜咲のことである。ただ単純に苗字に君付けされてるだけなのだが。


有希「侑子に送ったメッセージ…結局返信来ないまま?」

凜咲「うむ。そうですぞ。氷野君。」

有希「ねぇ、侑子ほんとに大丈夫かな?」

凜咲「多分…ね。」

有希「近いうちに侑子の家にでも行って…」


〜プルルルル〜


電話がかかる。


有希「はい。こちら市立病院…」

警察「い、家で人が首を吊ってるんだ!今からそちらの病院に搬送させてもらいたい。今すぐ救急車を頼めるか?」

有希「了解です。直ぐにそちらに向かわせます。」

警察「よろしく頼む。住所は・・・だ。」


有希は電話を切り、凜咲に一言。


有希「救急車を出すよ。自殺未遂かも。」

凜咲「自殺か…未遂でもきっと酷い状態よね?」

有希「さぁ?でも少し降ろすの遅かったら涎と尿くらいは垂れ流してるんじゃない?」

凜咲「うーわ。まじか…」


2人は自殺未遂であることを願い、救急車を発車させた。この時まで彼女達は気づかなかったであろう。自殺を志望した人が誰なのか…を。



1期が早くも後少しで終わりとなります。1期を書き終えたら初期のお話の拡張、1部内容の訂正、裏・番外編の制作に入ります。

今後とも追い鰹☆(イケてる出汁感)をよろしくお願いします!

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