プロローグ
「私…サバゲーやる!」
主人公、悠依が何気なく放ったその一言がまさかホントの事になるなんて…
2×××年5月某日。悠依は親友の梨子といつも通りゲームの話で盛り上がっていた。そんなたわいもない会話の1幕
梨子「私FPS嫌いだもん!」
悠依「私はそもそもガンシューティングゲームなんてやらないし…」
梨子「悠依は良いよね〜。勉強時間とか関係無くゲーム出来るんでしょ?」
悠依にとって、親にゲーム禁止を言われるのは非日常的な事らしい。
悠依「でも普段から【勉強しなさい!】しか言われないよ、私。」
梨子「ふーん。やっぱりそうなるよね〜。」
逆に親から何も言われずに遊べる人は少ない気もするが…これは悠依の家庭が特殊だからだろう。
今日は何して遊ぼうかな…
そんな事を考えていたら唐突に梨子が言った。
梨子「悠依!FPSやりなさい!あなたなら出来るでしょ!!」
悠依「だーかーらー!私は普段からガンシューしないんだってばー!いきなりFPSやっても端に追いやられるだけだよ。ね?」
とか言いつつ悠依にも多少はFPSをやりたい気もあった。かっこいいし、昔から人気だし。でも…
悠依「女子がFPSのサバゲーねー…」
やっぱり抵抗があった。周りではFPSをやってる人がまずいない。SNSのゲームアカウントのフォロワーの中にはFPS専門の人もいるが、女子はいない(が、女性ならちらほらと…)。
オマケに
悠依「じゃあ梨子もやろ?2人でなら…」
梨子「私はFPS嫌いって言ってるでしょ?」
普段は一緒にゲームをしている梨子もこのザマだ。断られる事は何となく察していたがここまでキッパリ断られると悠依も何も言えない。悠依は1人で新しいゲームをやる勇気が無かった。
とりあえずFPSは一旦忘れよう。
そして、話を逸らすために時間を開けた後、悠依は梨子に別の話題を振った。
悠依「そ言えば梨子、今日の物理のレポートの宿題やった?」
梨子「あ、、、あはは。やってない。。。」
悠依は【話振らない方が良かったかな?】と思ったりしたが、もう遅い。
だが流石悠依。嫌な事を考えるのが嫌いな悠依はポジティブに考えようとした。
悠依「え…全く?」
梨子「ええ、全く。記憶にすら無かったわ。」
悠依「き、気づけて良かったよ…なんか嫌でしょ?授業中に気づいてみんなの前で先生に謝るの…そうでしょ?」
梨子は数秒間悠依を睨むと、悠依の髪を縛っているヘアゴムを取った。ヘアゴムを取られた悠依の髪は綺麗なポニーテールが崩れ、普通のストレートになった。
梨子「おっとりしてるあなたにFPSは合わないわね。」
悠依「ん〜、怒った梨子はほんとに腹立つよ…」
こうして物理のレポートにより、お互いそっぽを向いたが悠依と梨子の間ではよくある事だ。ほとんどは30秒後には仲良しに戻る。
…
悠依「あ、もすぐチャイム鳴るね。」
梨子「あぁ、そうね。。。あ、悠依。明日からのイベント、一緒に周回しない?」
悠依「おー!良いじゃん!!じゃあさじゃあさ、日付けが変わる時間に待ち合わせね!」
梨子「あ、う、うん。そうね…」
2人は約束をし、それぞれの席に着いた頃、授業の開始を知らせるチャイムが鳴った。