表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/14

俺はロリコンじゃない

「さて、これで落ち着いて話ができるな」


キューはじいさんが出してきた白いガウンのような服を着せられていた。


ちなみにじいさんが着ているのは前合わせの着物のような形状の服なのだが、着物の上から前掛けをかぶっており、着物の下にはモンペのような下履きを履いている。


俺もじいさんに借りた同じような着物を着ているが、下履きの代わりにスエットのズボンを履いている。

背の低いじいさんの下履きは短すぎてハーフパンツみたいになったためだ。

上着の着物も袖が短かったのだが、農作業をするには丁度良かったのでそのまま着ている。


キューはじいさんとあまり背丈が変わらなかったので、着物のサイズも丁度いい。

白い着物はキューによく似合っているが、服を着たことのないキューはだいぶ不満なようだった。


「動きにくーい」


ぷうっと頬を膨らませながら眉をしかめて服の袖を引っ張っている。

キューの見た目は十二、三歳の少女そのものなので、中身がドラゴンだというのにとても子供らしく愛らしい。


さっきは初めての女の子の裸に混乱していたが、俺は決してロリコンではないのだ。

俺は妹を見るような目でキューを見詰めた。

妹なんていたことないけど。


「今度、お洋服買いに行こうね〜」


「気持ち悪い笑顔じゃのう」


俺の渾身の笑顔に何を言う!

俺はギロリとじいさんを睨みつけた。


「そんなことより、キューの変身についてしゃが……神龍の生態は謎に包まれておるから詳しくはわからんが、恐らく人間になりたいと心から願ったせいじゃろう」


「心から?キュー、そんなに人間になりたかったのか?」


じいさんの淹れたお茶をはふはふ飲んでいるキューに問い掛ける。

キューは「にがー」と顔をしかめながら頷いた。


「ヒロキとジジイ、なか、いる。キュー、おそと。キュー、さみしい」


「さみしい……」


言われてみれば、キューはいつも外にいる。デカすぎてじいさんの小屋に入れないからだ。

朝起きて家の外に出るといつもすぐに擦り寄ってきたのは、寂しかったからだったのか。

腹が減ってるからかと思っていた。


キューは神龍だからか、基本的に食事は必要ない。しかし桃は好きなようで、俺が桃をもいで渡すと喜ぶのだ。

自分で勝手に食べればいいのに何故か毎朝待っている。

そのため、じいさんの許可を得て毎朝ひとつだけ桃をやるのが習慣になっている。

もちろん仙桃はあと百年はならないので、その桃は普通の桃だ。


「キュー、人間ならコヤはいれる!それにヒロキ、女の子、すき!」


「お、おう……」


キューは満面の笑みで俺に抱きついてきた。


確かに女の子は好きだけどな。

俺はロリコンじゃない、ロリコンじゃ……


くっ!可愛い!


俺はにやける顔を止めることが出来なかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ