俺と狩りと焼き肉パーチー
今日のお昼は焼き肉だった。
修行じゃ!というじいさんに着いて行って俺が仕留めた鳥肉が使われている。
狩り?は面白かった。
まあ、狩りと言ってもその辺にある小石をぶん投げただけで、弓矢とかそういうのは使っていない。
なんせ岩をも砕く怪力なもんで、弓矢を使う意味が全くないのだ。
俺が投げた小石は、空高く飛ぶ鳥に向かって弾丸のようにすっ飛んで行き、見事命中。
ヒョーロロロロロロと間抜けな声を出して落っこちてきた鳥は……
じいさんが腰を抜かすほどデカかった。
ズドーーンと轟音をたてて地面に大穴をあげたため、復活したじいさんに再び殴られることになった。
初めての狩りが大成功したというのに、何故殴られねばならんのか。全く納得できない。
ともあれ随分たくさん食料が手に入ったため、保存用に干し肉や燻製にする以外は本日の焼き肉パーティーに使われるのだ。
ひゃっほう!
じいさんがどこからか取り出した炭を、地面に掘った簡易かまどにセット。
「火をつけるぞい。ちょっとどいとけ」
じいさんが杖をひょいと構えようとすると、キューがくいくいとその袖をひいた。
「なんじゃい、キュー」
「キュー、火つける!」
世にも可愛らしい顔でキューが袖を引っ張るので、じいさんの顔がグニャグニャに崩れている。
「そうかそうか。それじゃあお願いしようかの」
「うん!すぅーーーー」
キューが思いっきり息を吸い込んだ。
じいさんの顔がピキッと強ばった気がするが、気のせいだろう。
ほっぺを膨らませるキュー可愛い。
ゴウッ!!!
次の瞬間、キューの口から直径一メートルはあろうかという極太のブレスが放たれた。
「「キャアアアア」」
人間って、焦るとキャーとか出ちゃうのね。
男の子なのに。
小屋、大丈夫かなあ。
爆風で飛ばされた俺は、木の枝に引っかかりながらぼーっと考えた。
向こうの木にじいさんが引っかかってブラブラしているのが見える。
焼き肉は……
こんがり、消し炭になりました。
俺の頬を涙がひとすじ落ちていった。