部活動の選択って大切だよね・上
部活動。それは多くの中高生が青春を謳歌するであろう活動である。
狐火が転校してきた翌週の月曜日、正門の先にはたくさんのプラカードを掲げた先輩たち、その群れに飲み込まれていく1年生たちで溢れかえっていた。
この時期になると毎年起こる宮ヶ丘学園伝統の部員獲得争いである。
「おはようございます、カズ君」
目の前の光景に飲み込まれそうになっていると、突然背後から話しかけられ前みたいに変な声を上げそうになってしまった。
「あっ、あぁ狐火か、おはよう」
「えっと、なんの騒動ですか?」
「部活の勧誘だよ、この辺の地域では結構有名なんだよ。とは言っても実際に見るのは俺も初めてなんだけど」
「一体どれだけ部活があるんですか……」
「えっと…同好会含めて60、70くらいだったはずだよ」
この学園は何故か部活、同好会共に他の学校を圧倒するような種類がある。
「それはまた多いですね。まぁこの学園の規模を考えれば普通…なんでしょうか?」
この部活動の数が存在できる理由。この宮ヶ丘学園は1学年に350人、10クラス分の人数がいるからだ。この学年は狐火が転校してきたから351人になるけど。それが3学年分あり、全校生徒約1051名も居るのだ。
ちなみにこの人数は学園の高校生の人数であり、中学生も合わせるとさらに増えてしまう。
「カズ君、何故今日に、唐突にこんな騒ぎが起きてるんですか?入学式があった日から数週間経過してるのに」
「人から聞いた話にはなるんだが、それは他校からの新入生がこの学校に慣れるための期間が必要だろうという学校側の配慮で、この日……入学式の3週間後までは勧誘行動は禁止になってたんだよ。まぁシュンみたいに自主的に部活に参加してる人も居るみたいだけどね」
「そうだったんですね。カズ君はもう部活を決めてらっしゃるんですか?」
「残念ながら全く。今日から1週間の体験入学でなんとか決める予定……」
俺はこの部活の多さ故に、どの部に入部するかなかなか決められないでいた。
「もしよければなんですけど、私も体験入学にご一緒しても構いませんか?」
狐火の提案に、少しびっくりはしたが入学して間もない上、この部活の多さ。正直俺も1人で回るのは心細かったのでありがたかった。
「狐火がいいんならこっちがお願いしたいくらいだよ」
「ではぜひお願いしますね!」
そんな会話を正門の近くでしていると、ホームルームが始まる10分前の予鈴が鳴り響いていた。勧誘をしていた人たちは「急いで引き上げるぞ!」「早く片付けろ!」などと、慌てながらその場を後にしていた。
「私たちもそろそろ行きましょうか?」
「だな」
そう言いながらいつも以上に賑やかな学校へと俺たちは足を運んでいった。
2週間ぶりにこんばんわ!
先週は休んでしまい申し訳ないです。
今回から部活動篇に突入ということで、カズたちがどんな部活に入部するのか、予測なんかもしながら楽しんでいただければ幸いです!
では今週はこの辺で!また来週も楽しみにしていただければ幸いです!ではでは!
PS.やっぱり物語を作るのって楽しいね