第八話 無視
point of view 【神崎 零也】
車椅子の少女にぶっ飛ばされようやく教室にたどり着いたぜ。
心も体も満身創痍だけどな。
っと、もうHR始まってるな。まっ、いいや。何事も無かったように教室に入ろう。うん。
ガラガラガラガラー(ドアを開けた音)
「おはようございまーすっ!!!」
・・・・・・・。
し〜〜〜〜〜ん。
「へ?」
何?この空気?
なんでみんな俺を可哀想な目で見んの?
しかも、先生は下向いてプルプル震えててるし……。もしかして……怒ってる?
「オラァ!!神崎ぃ!!遅刻してんじゃねぇ!!コレでもくらって反省しやがれぇっ!!!」
先生の怒りの叫び。
そして、先生の手から放たれる“何か”。
こちらへ向かってくる。どーせ、チョークだろ。
そんなの、ちょっと見極めればかわせるっつーの。
見極める……。
……って、あれ?でかくない?チョークの割りには。
ってよく見ると、もしかして……。
もしかして。
もしかして…………。
「教卓じゃねぇかぁぁぁああ!!!死ぬっつーのぉぉぉおお!!!」
point of view 【クラスのみんな】
「教卓じゃねぇかぁぁぁああ!!!死ぬっつうのぉぉおおお!!!」
ドッゴォーン!!!!
あ、神崎が倒れた。
まぁいいや。
「「「「「無視しよう。」」」」」
「いやいやいや。そこは助けとけよ。」
神崎零也はそう言いながら……
気絶した。
◇◆◇◆◇◆
point of view 【神崎 零也】
「ん〜。いってぇ。冗談じゃねぇよ。」
意識が戻ってきた俺はそう愚痴りながら目を開ける。
「保健室か?ここ?」
目を開けて最初に視野に入って来たのは教卓だった。教卓が俺の上に乗っかっている。その教卓のせいで周りが見えない。
ってか教卓が乗っかったままっつーことはココ教室!?
俺のことほったらかしかい!!
そんな俺は助けを求める。
「誰かー助けてー!」
返事が返ってこない
俺の発するSOSも無視。完璧な無視だな。そんなことあってもめげないもん。
がんばる、俺。
「って、クラスの連中。俺が気絶してるの完全に無視しやがって。完璧なチームワークじゃねぇか!しかも俺のいないところで!泣けてくるぜ。」
とりあえず教卓が体に乗っかって動けないので、体の上からどかして立ち上がる。
「どっこいしょ。って誰もいねぇじゃねぇか!!しかも、すでに夕方!!
完璧すぎな無視。パーフェクト無視!!!」
・・・・・・・。
ギャラリーいないからさ、無反応なのはわかるくどさ。やっぱり悲しいよな。グスン。
「っと、もう帰ろかな。」
廊下に向かう俺。多分、夕焼けが似合いそう。
◆◇◆◇◆◇
point of view 【月代 綾香】
ど〜も〜。最初の方は出番あったけど最近全く出番がなかった零ちゃんの幼馴染みで未来の零ちゃんのお嫁さん……。
キャー!!言っちゃった。恥ずかしー!!
な、月代綾香です。
今回、私は射殺された零ちゃんを迎いに来ました。
みんな零ちゃんを無視してた(私もしてたけど…)ことが可哀想だからね。
そしたら、零ちゃんが……。
《 月代綾香の妄想 零也の感謝ver. 》
「零ちゃん。迎えに来たよ。」
「綾香……。お前だけだよ。俺の事を想ってくれるのは……。」
「だって……。私は零ちゃんの幼馴染みだから……。」
「なぁ、俺はお前にとって何なんだ?ただの幼馴染みなのか?」
「え?」
「俺はお前を大切な人だと思ってる……。昔よく遊んだからとか幼馴染みだからとかじゃなくて……。好きだから……。愛してるから。」
「零ちゃん……。私もだよっ。零ちゃんのこと大好きっ!!世界中の何よりも……。」
「綾香……。」
「零ちゃん……。」
《 月代綾香の妄想 零也の感謝ver. 【終】 》
いやん。零ちゃんったら!!恥ずかしいよ。そんなこと。
……っていけないいけない。妄想してる場合じゃない。もうすぐ目的地に着く。
後はこの角を曲がるだけ……。
名前を呼びながら、抱きつこう。
あっ!!見つけたっ!!
「零ちゃーん!!怪我大じょ……え!?」
私は驚いた。
だって……。零ちゃんが……。
零ちゃんが……。
零ちゃんが知らない人と抱き合っていたから。
零也 「なぁ?俺、一つ気づいた事あるんだけど。」
作者 「何だい?」
零也 「第六話がないぞ?第五話の次が第七話になってる。」
作者 「気づいてるにきまってるだろ。ただ俺の器が大きいからそのままにしてあるだけだよ。」
零也 「器が大きい・・・って使い方違わないか?ただめんどくさかっただけだろ。」作者 「・・・・・・。」
零也 「あと、第七話で自転車乗らないって言ってんのに、第一話の登校の時に乗ってるし、第二話で同日の下校の時は徒歩だし。」
作者 「気づいてるに決まってるだろ。ただ俺の器が大きいからそのままにしてあるだけだよ。」
零也 「器が大きい・・・って使い方違わないか?ただめんどくさかっただけだろ。」
作者 「・・・・・・。」