第四話 死闘もどき
point of view 【神崎 零也】
「ふふっ!私、お兄ちゃんと二人で登校するのが夢だったの。」
俺は志織といっしょに学校へ向かっている。朝は一人でいたいのだが、ついつい流されてしまった。
「つーか、この歳で兄妹で一緒に登校する人いんの?」
「お兄ちゃん?愛に国境は無いのよ?」
「明らかに使い方違うと思うぞ。俺ら二人とも日本人だからもともと国境ねぇし。」
なんか会話の内容が意味わかんねぇがそこは気にしないでくれ。俺らにとっては普通なんだ、これが。
と、まぁ適当に歩いていると遠くから声が…
「あ、零ちゃーん!一緒に行こっー!!」
綾香が俺を誘う。
んで、隣りにいる志織が綾香を睨む。んでまた、志織の存在に気付いた綾香が志織を睨む。要するに綾香と志織が睨み合ってるってことだ。
「「ねぇお兄ちゃん (零ちゃん)?だれ?この人」」
綾香と志織の声がハモる。綺麗に。歌声のように。
だが、怖い。綺麗すぎて。ただ怖い。
「こちらが幼馴染みの月代綾香でこちらが義妹の神崎志織。」
「フーン。
お兄ちゃんは私と行くから、さようなら。」
「ちょっと待ちなさいよ!!
私はいつも零ちゃんと学校に行ってるの!!だから私は零ちゃんと行くの!!」
おいおい。朝っぱらからケンカか?ったく、朝からなんでそんなに元気なんだよ。でもまぁ、俺が兄貴として。幼馴染みとして。男としてこのケンカを止めるとしょう。
「おい、朝っぱらからケンカなんてして…」
「お兄ちゃん(零ちゃん)は黙ってて!!!!」
「…はい。」
オラ弱っ!!泣いていい?オラ泣いていい?
《ギャーギャー》
いつまで続くのケンカ?
《ギャギャ》
もっとのばそうよ
《ギャーーーーギャーーーー》
のばしすぎ
《魚介類ー》
ドコにツッコムべき!?
ってどんなケンカだよ!?
まっ、いいや。
ケンカ止めんのめんどくさいから、先行こ。
ビバ、楽。