秘密の世界
掲載日:2015/03/24
「秘密の世界」
悪戯心に任せて始めたはいいが
あんな言葉を口にするべきではなかった
舌が滑るにゆだねて好き勝手に方便を繰り返し
今も僕の横顔に切り刻まれるのは汚名と後悔
幸運と不運が訪れては去っていく
骨と血肉自体に罪はない
吹きすさぶ風の行方にも、気紛れな天運にも
僕は灰色の大地に木乃伊となって横たわる
残るのは、ただ君の柔肌の残り香
好奇心に任せて調べたはいいが
あんな事実を耳にするべきではなかった
目移りするがままにして好き放題に探訪を繰り返し
今も僕の碧眼に刻まれているのは悪夢と残根
死神と女神が訪れては去っていく
事実と答え自体に罪はない
吹き荒れる風の行方にも、移り気な天使にも
僕は褐色の大地に骸となって目を閉じる
残るのは、ただ君の艶やかな唇
「秘密は痛みを伴い闇の中へと閉ざされる」
君はそう望むだろう
だけど全てが明らかになった世界の終わりでは
最早、秘密も嘘も神秘も等価の売買品だ
ただ人々の欲望の赴くまま僕らは暴かれて
君と僕の純粋さは冥府へと落ちて行く
幸福と災禍が訪れては去っていく
爪と体自体に罪はない
荒れ狂う波の所業にも、移り行く運命にも
僕は錆びついた大地に木乃伊となって横たわる
残るのは、ただ君の柔らかい艶姿




