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幕間 とある学園都市の住民(2017.9.23修正)

私は今とても気になる存在がいる。

たまにしか見かけることが出来ないが、私の中でとても重要な存在にっていた。


そう!あの大きなピケット!

空中浮遊をしながら学園都市の屋台通りや総菜店などの通りを練り飛ぶあの子!

あの子はじめてみた瞬間から私の心は鷲掴み状態にされた。


あのクリッと煌く大きな目、つやつやと輝く毛皮、ぷにぷにとたるんだ皮膚、短い手足。

そしてあの愛くるしい鳴き声と仕草にチャームポイントの星のマーク!

ああ!触りたい!抱きしめたい!!モフりたい!!!


あの子は野生のピケットなのかしら?

でもこの学園都市にいると言う事は、もしかしたら学生の使い魔か住民のペットの可能性がある。

それにたまにだけど服を着ているときも見たことがあるからきっと飼い主がいるんだわ。

なんて名前なのかしら?


いつまでもあのピケットと呼ぶのは味気なくあの子にも悪いような気がして、私は名前の分らないあのピケットにジョセフィーヌと命名した。


私が地道に調べた結果、ジョセフィーヌはいつも大体決まった時間に決められたルートを飛んでくる。

私はその時間にジョセフィーヌの行動を観察して逐一日記に記している。

最早これが私の趣味、ルーチンワークと言っても過言ではないわ。




○月○日


ジョセフィーヌが「モッキュ~モキュキュ~♪」と鼻歌交じりに学園の方角から飛来してきた。

いつもとほぼ同じ時刻だ。

惣菜店のおばちゃんがジョセフィーヌに向かって余った固形のお惣菜を放り投げていた。

ジョセフィーヌはそれをいとも容易く口で受け止めて、「モッキュー」と鳴きながらおばちゃんの頭上を2回旋回する。

おばちゃんも満更でもない顔をして「また来なよ!ちゃんとあんたの分用意しているからね!」と言って手を振っていた。

おばちゃんが羨ましい、私もジョセフィーヌにご飯をあげたいわ!



X月X日


ジョセフィーヌが学園の方角からハムらしきものを咥えて飛来してきた。

串焼きの屋台のおじちゃんが「焦げたから商品にならねー、やるよ!」と言い串を抜いた物をジョセフィーヌに放り投げる。

ジョセフィーヌは「モキュキュー♪」と鳴きながら猛スピードでキャッチして、おじちゃんの屋台の柱の上で貪り食べていた。

ああ!おじちゃんが羨ましい。私にもやらせてほしい!



△月△日


ジョセフィーヌが学園の方角から木の実らしきものを咥えて飛来してきた。

今日はいつもと少しコースが違い住宅街へと入っていった。

そこには数人の子供がおりお菓子をジョセフィーヌに分け与えていた。

ジョセフィーヌは「モッキュ~♪モキュ!」と鳴き、子供達に自分の体を撫でさせていた。

ああ!羨ましい!私も撫でたい!ペロペロしたい!



□月□日


今日は何時まで待ってもジョセフィーヌ来ない。

一体全体どうしたって言うの!?

この頃の私の体はジョセフィーヌを見なければ禁断症状が起こるような気がするわ。

だってあの愛くるしい姿が見れないのですもの。

ああ…ジョセフィーヌ、ジョセフィーヌ…何処へ行ってしまったの?



@月@日


ジョセフィーヌが来ない。

いつもとは違う場所を探して見ても見つけることは出来なかった。

ああ…!ジョセフィーヌは何処?



*月*日


今日もジョセフィーヌが見つからない。

ジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌ…

ああ!ジョセフィーヌ!



#月#日


今日もジョセフィーヌを見つけることが出来なかった。

ジョセフィーヌの姿さえ見れれば私は満足なのに…

ああ…私の幸せは何処…



!月!日


ジョセフィーヌがいない。

そんな人生耐えられない。

ジョセフィーヌハイヅコヘ…



+月+日


ジョセフィーヌキョウモコナイ

ドコ?ドコナノ?ジョセフィーヌ…



%月%日


ジョセフィーヌジョセフィーヌ…

ドコ…?

モウタエラレナイ

ジョセフィーヌ…



¥月¥日


ジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌ



$月$日


ジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌジョセフィーヌ



~月~日


くぁwせdrftgyふじこlp;@



☆月☆日


イタ!イタイタイタイタイタイタイ夕!!イ夕!!!

ジョセフィーヌガイた!

やっと見つけた!

ああ!ジョセフィーヌ!

私があなたへの愛を書き綴ったらきっと一日で聖帝国を紙で埋め尽くしているわ。

やっと会えた!

あなたさえいればもう何もいらない!






ジョセフィーヌが見つからなくなってから数日の記憶が無い。

待ち行く人が私と目を合わせないようして避けていくのがわかる。

どうして皆私を避けるの?

仲が良い友達も私のことを無視してる。

なんで?



ジョセフィーヌがまた姿をあらわすようになってから、私の生活に花が戻った。

そんなある日、学園の生徒らしき少年がジョセフィーヌを肩に乗せて歩いていた。



「公星、お前この頃マジで食べすぎだぞ。体重も重くなってきてるしそろそろダイエットしろよ。肩に乗るのは良いけどさ、肩が凝るんだよ。」

「モッキュー!モキュキュキュー」

「お前は大丈夫かもしれないけど俺は全然大丈夫じゃねーよ!お前エルドラドにいた時もスッゲー食ってたじゃねーか!良し!お前は今日から3日間はおやつ抜きだからな!」

「モッキュー!」

「お前どうせ俺が授業を受けてる時とか研究してる時は町に出て何か貰って食ってんだろうが!俺は知ってるんだからな!!だから俺からのおやついらねーだろ!!」

「モッキュ!……モキュキュキュキュ~」

「そんな悲しそうな声で鳴いても駄目です!」

「モッキュー!」

「あ!こら!俺のポケットを勝手に漁るな!こら!公星!!」


少年は早歩きで人並みの中に消えていった。


……………やっぱり飼い主がいたのね…

それでも私はジョセフィーヌを見守るだけだわ。

いいえ、コーセーと言う名前なのね。

でも私の中ではあなたはジョセフィーヌよ。


あなたを抱きしめて撫でたいけど、私はこの距離が一番な気がするわ。

だってそれが私のあなたへの愛だもの。

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