幕間 ロベルッティ(2017.9.19修正)
あ~久しぶりぃ、どうしたの?
なぁに質問?良いよぉ。
このロベルトことロベルッティ・クォモに言ってみなよぉ。
え?パブリックスター商会を知ってるかってぇ?
知ってるよぉ、だっておいらの友達が経営してるところだもん。
言って置くけど紹介とかはしないからねぇ。
もしそれで問題が起こったらおいらがセボリー達に怒られるじゃないか。
それに今のおいらがあるのはセボリー達のおかげなんだよぉ、恩を仇で返すはずないじゃん。
ん?その恩とは何かってぇ?
ズバリ本だよぉ。
セボリーたちが稼いでその分け前がルピシーに行って、ルピシーからおいらへネタがはいるようになったんだからねぇ。
そのおかげで今サンティアスなんでも同好会の中でもおいらは出世頭なんだよぉ。
どんな本かってぇ?
ほら、これだよぉ。
え?読んだことあるの?ありがとねぇ。
凄いでしょ~、この文章を直してるのはおいらなんだけどさぁ。
感想とか思ったことが簡潔に書いてあるでしょ?
それって全部ルピシーがボソって言ってた事なんだよぉ。的を得てるよねぇ。
ルピシーが見つけてくるお店って正統系のお店からちょっと変わったものまでなんだぁ。
どこで見つけてくるのか分らないけどそこがルピシーの凄いところだよねぇ。
他にはどんな人が居るのかってぇ?
そうだなぁ、ルピシーにもお世話になってるけど、セボリーにもお世話になってるよぉ。
だってあの護符、すごいよねぇ。
加速と知恵の護符で執筆速度と修正速度が大幅に上がって助かってるんだぁ。
うちの同好会のメンバーは皆つけてるよぉ。
紹介したのはおいらだから先輩達からいっぱい褒められたし、差し入れもたくさん貰える様になったんだよねぇ。
うん。あそこのメンバーって皆個性的でおもしろいんだよぉ。
特にセボリーは最高だね。先輩達だって変人の鑑だって皆言ってるよぉ。
一回先輩がセボリーに、セボリー語録を出さないかって打診したみたいなんだけどねぇ。
何故か調味料を撒かれたって言ってたよぉ。しかもごま塩って言う調味料。
本当は塩を投げつけたかったらしいんだけど、なかったからごま塩を振ったんだってさぁ。
先輩達もまだ諦めてなかったからまた何かの形で打診するんじゃないかなぁ?
今度はコーセーの写真集だ!とか言ってたしねぇ。
そんなに有名人なのかって?
有名人じゃないかなぁ?
取材先の人でもセボリーのことは知ってたよぉ。
ユーリが着ている制服で興味を持ったらしいんだとけどねぇ。
あれは着る人を選ぶけど、似合う人が着るとすごい破壊力が生み出されるんだってぇ。
ある飲食店のオーナーが言うには似合わない人が着ると一気に惨劇が発生するって言ってたけどねぇ。
その飲食店のオーナーじゃない他の人が言うには限定兵器って裏の世界で言われてるらしいよぉ。
そういえばゴンドリアもあれを作るときに色んな注文を受けたって言ってたしねぇ。
どんな注文で、どんな惨劇なんだろぉ?気にならない?
でもセボリーって自分のこと普通だって言い張ってるんだよぉ。
おかしいよね?誰がどう見たって変なのにさぁ。
昔からおいら達の実家の聖育院でも皆から変だ変だって言われ続けてたのに絶対に認めないんだよぉ。
いい加減諦めて認めればいいのにねぇ。
前だってシエルの実家に行ってたらしいんだ。
そこのお土産を貰ったんだけどさぁ、見てよこれぇ。
そう、これ。色眼鏡。
セボリーがさぁ「ロベルトって色んな所で取材とかするんだろ?なら顔が分らないように隠す物が良いと思ってこれを買って来たんだ。ちょっと大きいけどどうかな?」とか言って差し出してきたんだよぉ。
確かに取材はするけどさぁ、どっちかと言うとおいら編集者目指してるんだよねぇ。
だからぶっちゃけ無用の長物と言っても過言じゃないんだけどぉ。
これを付けて部活の集まりに行ったら仲間に目元が昆虫みたいになってるぞって言われたんだよぉ。
しかも余計に目立って取材どころじゃなかったしさぁ。
ジジにも笑われたし。ねぇ、ひどくない?
そうそう、ジジと言えばさぁ。
実はジジってセボリーと寮で同室なったことがあるんだぁ。
それでね、セボリーが朝早く起きるとたまに変な体操をしてる時があったんだってさぁ。
ジジが何やってるの?って聞いたら「レイディオ体操」って答えたらしいんだけどねぇ。
レイディオって人が考案した体操なのかなぁ?
そういえば実家でもそんな事やってた時もあった気がするなぁ、ぴょんぴょん跳ねてたし。
一回ジジも一緒にやったみたいなんだけどね、以外にきつかったって言ってたよぉ。
体的にも精神的にもねぇ。
え?おいらぁ?おいらはやらないよぉ。変人に思われたくないもん。
でもセボリーって皆から慕われてるんだよねぇ、特に男からさ。
多分憎めない奴なんだと思うんだぁ。
何だかんだ言って面倒見いいしさぁ、頼み事もやってくれるし。
顔は良いんだからあの変な性格さえ直せば絶対にモテると思うんだよねぇ、お金も持ってるし。
ん?本人の性格だからもう矯正は無理だって?
そんなのやって見なきゃわからないでしょ?
もしかしたらって場合があるんだからさぁ。
え?僕がセボリーの事どう思ってるかって?
嫌いじゃないよ、だって大事な兄弟だもん。
相談にも乗ってくれるしさぁ。
悩んでるときにセボリーと話をすると必ず何かヒントをくれるんだよねぇ。
ワザとかは分らないけどね。
それにおいらが落ち込んでる時は叱責も交えて励ましてくれるし、良い所はちゃんと褒めてくれるしねぇ。
この頃セボリーの事が聖堂で説法をしている聖職者に見えてきんだ。
本人は嫌がって聖堂に行きたがらないけど、絶対似合ってると思うんだよねぇ。
そう思ったらなんだかイメージ湧いてきたぁ。
よ~し、今担当している作家さんのひとりにそのネタで書けないか話を振ってみようかなぁ?
ねぇ、君はその話当たると思う?