第四十九話 花祭り三 -後編-
「どうして!?どうして!!?何でなの!!?」
黄昏迫る森の川辺から数十羽の鳥が飛び去っていく。
「…………」
鳥達が飛び去って行った原因は火を見るよりも明らかで、その原因を作った人物はそんな事はお構いなしとまた大声を放つ。
「ねぇ!?どうしてよ!!?」
如何にもどうしてか解らないと言う震え放たれる声。
「…………」
鼓動は激しく刻まれその顔は夕焼けを移したかのごとき赤に染まっていた。
「うがぁぁぁああああ!!」
そう、その声の主シルヴィアは激怒していた。
「煩い。魚が逃げただろうが」
そんなシルヴィアの横に太公望宜しく釣り糸を垂らし、無表情だが冷めた目で淡々と静かに注意をする男がいた。
「だって!だって!なんで私の竿には当たりが来ないのよ!」
「お前の釣り方が下手だからだ。主にその声がな。はっきり言って邪魔だから俺から遠く離れろ。釣りの邪魔だ」
「むっきーーーーー!!!」
今にも釣竿をへし折らんとするように悔しがるシルヴィアに、男は先程よりも更に冷たい視線を送る。
「猿の真似をしている暇があるなら早く釣り上げろ。今晩の飯がお前の分だけなくなるぞ」
「誰が猿よ!それにあんたさっきから10匹も釣り上げてるじゃないの!少しは私に分けてあげようって気持ちは無いわけ!?」
「無いな。今日の俺の晩飯に3匹、残りの7匹は干物にして保存食として後日食う。それに最初の賭けの話を忘れたのか?日没までに多く釣った方が寝ずに火番をする。お前が言い出したことだ」
「確かに言い出したのは私の方よ!あんたには少しでもレディに勝ちを譲ろうって気持ちは無いの!?あんたそれでも男!!?」
「それも無いな。それにどこにレディがいる。見えるのは山猿だけだ。もしここにレディがいたらそれなりの対応はするが、お前の何処にレディに要素がある?もう少し自分の行動を顧みてから発言しろ」
「ハルトの黒髪青目陰険男!」
「陰険以外は合っているな」
シルヴィアとこの男、ハルトことハルティスフリードとの出会いは旅に出て約1年後、つまり約2年前まで遡る。
良い気分で酔い潰れたシルヴィアが、男達に襲われそうになっていた所を助けてくれた男がハルトであった。
その当時自分の男装が完璧だと思い込んでいたシルヴィアは、周りからバレバレとは思わず覚えたばかりの酒を酒場の男達に勧められて泥酔させられてしまった。
体に力が入らず頭も働かない危ない状態の中、ハルトが周りの男達を物理的に潰してシルヴィアを助け出し、酔いから醒めたシルヴィアに説教をかまし、シルヴィアが説教を聞き流した後助けてくれたお礼と自分の憂さ晴らしを兼ねて試合を申し込み、見事コテンパンにハルトに負けた時からの付き合いであった。
シルヴィアは正直負けるとは思っておらず、再度素面の時に試合を申し込むもハルトに『面倒くさい』の一言であしらわれるも、負けず嫌いのシルヴィアは勝つまでと諦めきれず、ハルトを追い掛け回し試合を申し込む事を繰り返していた。
そして終には探すのが億劫だからと、金魚の糞のようにハルトと共に行動を共にしている始末であった。
そんな縁でこの2年、何故か現在でも行動を共にしていた。
「大体お前は短期短慮すぎる。少しは待つと言う事を覚えろ」
「待っていたら逃げてしまうじゃないの!」
「だからお前のその大声のせいで逃げるんだ」
このハルトという男、エルトウェリオンやシルヴィアと同じく精霊に愛されており、精霊の声を聞きあの力も使うことが出来た。
それを知り余計に負けん気を出すシルヴィアは、幾度となく試合を申し込むもその結果は悉く負け続き。
最初は剣による試合だったのだが、回を重ねるごとに宿の飯屋で出された料理をどれだけ早く食べられるかの早食いや、どれだけ早く動物の毛を刈れるかなどといったモノに変わっていった。
そんな勝負でも涼しい顔で全て勝利しているハルトに、シルヴィアは勝負に負ける度に無駄な強がりや文句をハルトに浴びせるのが恒例となっているのだが、ハルトもそんなくだらない勝負を面倒臭がりながらも渋々付き合ってやっている辺り類は友を呼ぶなのであろう。
その日結局シルヴィアは坊主の結果に終わり、勿論勝負はシルヴィアの大敗であった。
しかしシルヴィアはハルトから2匹魚を奪い取る事に成功する。
空は茜色から黄昏へ。
焚き火の燃える枝がパチパチと爆ぜ、飛び散る火花は上空へと上がりやがて消えていく。
夕食を食べ終え枯れ枝を火に足していたハルトへ、シルヴィアは常々疑問に思っていた事を口にした。
「ねぇ、そういえばハルトは何であの力が使えるのよ?」
「知らん。俺に聞くな。気づいたら使えた、それだけだ」
「私の家系は使える人が多いけれど、もしかしてあなたうちの父の隠し子とか?」
「知るか。俺にはちゃんと親父がいる」
「あなたのお父さんってきっと根性が歪んでるのね。だからハルトもこんな風なのよ」
「ふん。じゃあお前の父親は頭が残念なんだな。娘がこんなだからな」
「煩いわね!お父様は馬鹿じゃないわよ!お父様はハルトと違って優しくて格好良いわ!それに人望もあってみんな笑顔で暮らしているわ!!」
「では何故飛び出てきた。王女の地位まで捨ててな」
「っ!!!」
ハルトの口から出た思いもよらぬ言葉を聞き、シルヴィアの顔は驚愕に染まった。
だがハルトの顔はいつも通り、ピクリと動きもしない眉にキリッとした目、スーッと通った鼻梁にムッときつく閉じられた唇。
何の気概も無く放ったと言うような顔であった。
そんなハルトを尻目にシルヴィアは声を絞り出す。
「な…!なんで…」
「『知っているの』か?お前はわかりやすい。そして無自覚すぎる。自分が有名人だと言う事を知らないなんてな」
「…私は有名じゃないわ」
「いいや、有名だ。エルトウェリオン王の娘、第一王女シルヴィア。お前は自分の父親が周りからどんな風に認識されているのか分かっているか?」
「…善王と言われているのは知っているわ」
「エルトウェリオン王は冷血王とも言われていた。建国の際に多くの血を流し、逆らう者はあの力を使い全て殺した。建国した当初も同じだ。だがお前の兄が生まれる3年前、何があったか知らないが善政を推し進め現在の善王と呼ばれるようになったわけだ」
シルヴィアはハルトの顔を見てまた驚く。
いつも表情を崩さないハルトの顔は、明らかに面白くないと言っていたのだ。
「……………」
「善王や冷血王の他にも呼び名はあるぞ。侵略王だ。他国の人間からそう呼ばれているのは聞いた事がないか?」
「…あるわ。でもあれはその国の人間が我が国に併合させてくださいと言ってきたから!」
「当事者はそう取るかもしれないが、他国の者から言わせると策略を練り国を乗っ取ったとしか思えん」
「知らないわよそんな事……それより何であんたが私のことを知っているのよ!」
「お前の容姿は有名だぞ。良く城下に出て遊んでいたとも聞いている。輝く黄金の髪、透き通る白い肌、青緑の瞳。お前の姿絵も世間には出回っていた。そしてみな口々に男勝りのお転婆姫と噂していた」
「………………」
「いつも言っているがお前は迂闊過ぎだ。自分が他人の目にどのように映っているのか理解しようとしない。それに自分の価値も良くわかっていない。他国の王族から見れば垂涎物の地位にいる姫の情報を知らない方がおかしい。お前の父はエルトウェリオン王だぞ。それだけでも十分な価値がある。あの国と縁と血を結べたらとは他国の王族や貴族ならば誰でも考える事だ」
「ハルトも王族なの…」
先程まで潤っていたシルヴィアの喉はカラカラに乾き声もかすれていた。
「違う。俺は正真正銘平民だ」
「じゃあ何で私と一緒に旅をしているのよ。まさか自分が王族になれると思っているわけ?そんな事だったら早く別れたほうがいいわよ」
「ふんっ、王族になんてなりたくも無い。馬鹿も休み休み言え。それについてきたのはお前の方だろうが」
「うっ!……じゃあ何でよ!」
「さっきから言っているだろう、お前は短慮すぎる。危なっかしいんだよ、見ている方がハラハラする。少しは考えて行動しろ」
「結局何が言いたいのよ!!あんたの言葉は回りくどすぎるわ!馬鹿にされてるのは分かるけどもっと素直に言いなさいよ!」
ハルトはシルヴィアを睨みつけると小さく溜息を吐きながら問いかけた。
「本当に分からないのか?」
「分からないわよ!」
「……………」
「何よ!はっきり言いなさいよ!!」
「心配だからだ」
「………へ?」
「ふらふら危なっかしいお前が心配だったんだ!」
感情をあらわにするハルトを初めて目にして、シルヴィアは驚き目を丸くする。
「ハルト…あんたもしかして……私に惚れちゃったとか?」
「自惚れるな猿」
「誰が猿よ!!」
「俺は一人っ子だからな、下に弟妹がいたらと思っただけだ。お前は馬鹿で世話のかかる妹としか認識していない」
「誰が馬鹿よ!」
「お前だ馬鹿」
「何回馬鹿って言ってるのよ!!」
「3回だ。大体お前は何なんだ。行く先々で騒動を起こしやがって。馬を盗まれて涙ながらに豚に跨って旅に出ようとした時は腹が痛くてたまらなかった」
「ちょっ!ちょっと何でそれを知ってるのよ!?それって私が旅に出て1週間も経ってない時よ!!?」
「最初は依頼だから見ていただけだがどうにも我慢できなくなった。お前あの時俺が助けに入らなければ今頃男達の玩具だぞ。しかも懲りずに大酒を飲んで泥酔し俺に迷惑を掛けた回数は覚えているか?」
「そんなの数えてないわよ!っていうか依頼って何よ!お父様が命令してたってわけ!?」
恥ずかしさから赤に染まった顔が怒りの赤に変わり、ハルトへ詰め寄った。
「いや、エルトウェリオン王からは依頼されていない」
「じゃあ誰よ!」
「お前が良く知っている人物だ」
「へ?誰よそれ!」
「~~~~だ」
「あいつかぁあーーーーーー!!!ハルト!行くわよ!」
「どこへだ」
「決まってるでしょ!お父様の国よ!あいつに会って直接文句言ってやるんだから!!」
「今現在の時間を考えろ。こんな夜中に動き出して無事なのは野生動物か馬鹿だけだ」
「あんたさっき言ったじゃないの!私が馬鹿だって!だから大丈夫よ!!ほら、行くわよ!!!」
シルヴィアの言葉に一瞬きょとんとした後、ハルトは立ち上がり「然もありなん」と笑いつつ立ち上がった。
二人は焚き火を消した後直ぐに馬に跨り夜の森を駆けて行く。
シルヴィアは怒る頭とは別に心は楽しく湧き踊り、シルヴィアに続き馬を駆けるハルトはそんな前を行くシルヴィアを見て微笑えんだ。
二人は馬を使い潰さぬ程度の速さで故郷へ戻ると、シルヴィアは渋るハルトを引き摺りながら一直線に城へと直行する。
「シルヴィア姫ご帰還!」
「お姫様だ!お姫様がお帰りだ!!」
「お帰りなさいませ姫!」
「姫様ご無沙汰しております!」
「おお!姫様じゃ、大きゅうなられて」
次々と来る挨拶に適当に相槌を返し、父王と宰相が待つであろう玉座の間へたどり着く。
そして腕に力を入れて扉を開いた。
バターーーン!!!
勢い良く鳴り響く音。
躊躇無く開かれた扉の先には、予想通りの2人の姿が見える。
一人は何事かと目を丸くし、もう一人はいつも通りしらーっとした顔をしながら扉へ視線を向けた。
「エルバルドーーーー!!!」
「おや、シルヴィア姫。おかえりなさいませ、ご壮健で何よりですね」
「何よりじゃないわよ!!!」
宰相に詰め寄るシルヴィア。
「帰ってきて早々それか……前よりも酷くなっておるな…」
玉座には帰還した娘の行動に、目を丸くした後コメカミを押さえるエルトウェリオンの姿があった。
「ちょっとなんでこんなお目付け役がいるのよ!」
「何かご不満でしたかな?」
「大大大不満よ!!」
「ほぉ、それはそれは。だそうだぞ、ハルティス」
「………こちらとしては苦労の連続だったがな」
宰相のその言葉にハルトは片眉を少し上に上げた後溜息をつきそう呟いた。
「何が苦労の連続よ!!こっちだってあんたに散々馬鹿にされてきたのよ!!こっちの苦労を労わって貰いたいくらいだわ!!」
「労わって貰いたいのはこっちの方だ。それともなんだ、お前の武勇伝をここでぶちまけてやろうか?」
「ちょ!っちょっとそれは駄目に決まってるじゃないの!!大体あんたは!!」
またいつもの様に不毛な口論を始める二人だが、少しいつもと違うのはいつもよりも不機嫌そうに眉間に皺を寄せるハルト。
そんなハルトをエルトウェリオンはじっと見つめている。
「その者がおぬしの信頼する者か」
「はい。そうですよ」
「確かに上手く乗りこなしているようには見えるな」
「ええそうでしょう。期待通りです」
「何二人で納得しあってるのよ!乗りこなすって何よ!?私は馬じゃないわ!!」
「言うなれば豚か猿だな。馬の代わりに豚に跨っていたしな」
「ハルト!あんたは黙ってなさいよ!!!」
宰相がニヤニヤと笑いながらハルトへ問いかける。
「随分と楽しそうな旅だったんだな、ハルティス」
「………見ている分にはな」
そう言ってハルトはまた溜息をついた。
「ちょっ!」
「して、戻ってきたと言う事は結婚の意志を決めたのだな」
ここでシルヴィアの言葉をさえぎり、エルトウェリオンはシルヴィアに問うた。
「何言ってるのよ!結婚なんてしな………」
「どうしたのだ?戻ってきたと言う事はそうなのだろう?」
「……………」
下を向いて固まるシルヴィアに、エルトウェリオンはなおも問いかけるがシルヴィアは答えない。
しかし次の瞬間シルヴィアは顔を勢い良く上げ、ハルトの腕を掴んで宣言した。
「お父様!私この人と結婚するわ!この人が私の夫になるハルトよ!!!」
「……おい。お前は何を言っているんだ」
「ほほぉ、それは目出度い」
今にも噴出しそうな顔で答える宰相にハルトは憮然し、不機嫌さを隠そうとしない。
「(良いから話し合わせてよ。このまま行くと私絶対にお見合い地獄よ)」
「お前は一回地獄を見たほうが良いと俺は思うぞ」
「(ちょっともう少し声を抑えてよ!)」
シルヴィアは内緒話のつもりだったが、室内が静かでしかもシルヴィア自体の声が大きいため丸聞こえであった。
「うむ、許す。して式の日程はどうする」
「「え!?」」
あっけなく頷く父王に二人は驚き声を上げた。
そこに宰相が笑いながらこれからの計画を口にする。
「ははは、そうですな。突然なの事ですからブハハ、各国に知らせるための時間なども考えて、ヒッヒヒ式はどんなに急いでも2ヶ月後ですなブホッ!」
「そうか、ではそれで良い」
「「ちょっと待った!」」
「何かな?」
慌てる二人に良い笑顔で問いかけるエルトウェリオン。
「シルヴィア。お前は先程の自分の言動を覚えておるな」
「いや……あの……」
「ハルトとやら、おぬしも依存はないな」
「いや、あ「ないですな」」
拒否しようとするハルトの言葉を宰相が遮った。
その言葉には嬉しさが溢れているのがわかる。
「いやぁ、まさか本当にシルヴィア姫が娘になるとは思わなんだ」
「「……は?」」
宰相の言葉に困惑する父娘。
「エルトウェリオン王。遅ればせながら紹介いたします。この男が我が息子のハルティスフリードですぞ」
「……親父」
「「へ?」」
良い笑顔の宰相に嫌そうな顔をするハルト、そして固まる父娘。
しかしそこは経験か、いち早く動き出したエルトウェリオンは大声で先程の言葉を撤回しようとする。
「いかん!いかんぞ!!」
「エルトウェリオン。君は先程の自分の言動を覚えているかな?」
「それとこれとは!」
「同じだ。いやぁ目出度い。実に目出度い」
「おぬし俺に一回も息子の話などしていなかったではないか!!」
「ああ、言ってなかったからな。息子には出来るだけ平穏に過ごして貰いたかった。だから今まで黙っていたんだが」
「真におぬしの子か!?」
「ああ、正真正銘私の子だ。君から離れた約10数年で結婚もしたが妻が産後の肥立ちが悪くてな。忘れ形見があの子だ。いやぁ、実に目出度い!」
ハルトは何度目か分からない溜息をつき、更に深く眉間に皺を寄せた。
「(ちょっとあんた!そんなこと一言も言わなかったじゃないの!もし知ってたなら絶対に仮でもあんたを候補になんて挙げなかったわよ!!!)」
「それとお前さっきから小さく話しても丸聞こえだぞ。お前の声は煩いからな」
「そんな事良いから何か良い案出しなさいよ!!このままだとあんたと一緒にならなくちゃいけない嵌めになるんだから!!」
「それはこっちもごめん被る。俺にだって選択権というものはある。お前とは絶対に無理だ」
「あんたどれだけ失礼なのよ!!自分で言うのもなんだけど私かなりの優良物件よ!?」
「仕方ない。シルヴィア。お前はこれからの2ヶ月みっちりと花嫁修業に力を入れてもらうぞ。城から出られると思うなよ。お前が逃げた数年の事をこの2ヶ月で取り戻すのだからな」
「いやよ!!……ああもう!!とにかく逃げるわよ!!ほら!ハルト行くわよ!!!」
「あ!こら待たんか!シルヴィア!!」
「おお!愛の逃避行か。姫、ハルティス幸せになれよ~。孫は早めに見せてくれ」
「「知るか!!!」」
この後2人は5年ほど旅をすることになる。
各地を放浪しその間に長男が産まれ、それを知ったエルトウェリオンはエルバルドに広大な領地を下賜し、ホーエンハイムの苗字を贈った。
そしてシルヴィアが2人目の妊娠を機に二人は国へ戻り、ハルトはエルトウェリオンからホーエンハイム領の隣にオーエンハルトと言う領地を下賜された。
ハルトは引退したエルバルドから領地を譲り受け統治し、シルヴィアとの間に3男4女を設けた。
二人の長男トランバルドは、エルトウェリオンの長男でシルヴィアの兄、第2代エルトウェリオン王シルトアランの第5王女サイーディアを娶り、長女のオリヴィアは、エルトウェリオンの孫の第3代エルトウェリオン王アルデバランの正室として嫁ぎ血を繋げ、2つの家は更に血の繋がりをより深め、力を強めていくことになる。
現代にも続く偉大なる家系、オーエンハルト・デ・ホーエンハイム家の始まりであった。