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Public Star~目指せ若隠居への道~  作者: 黛紫水
第二章 歩みの章
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第十五話 授業説明

新しい朝が来ました。

うん、昨日のことは忘れよう。

俺は何も見てない。

この籠の中で眠っている不思議系ピケットが色々やらかしたことは俺は見てない。

よしっ!


気合を入れてベッドから起き上がり周りを見回したらシエルはもう起きていたらしい。朝の光に照らされながら本を読んでいた。

くそ。まだ子供なのにイケメンだとやっぱり何をやっても様になっている。


「シエルおはよう。ずいぶんと早いな」

「おはよう。実家にいるときからこの時間に起きていたからね。習慣だよ」

「おはよぉ。二人とも早いわねぇ」

「ゴンドリアおはよう、今日もとっても変態ですね」


ゴンドリアがスケスケのフリルが着いたネグリジェを着て起きてきた。

とにかく死んでくれませんか?

何なのお前。マジでどこを目指してるの?


「おはよう。凄いの着てるね」

「そうだなキてるな、頭の中が」

「あら、ありがとう。これ学園に来る前に作ったのよぉ。綺麗でしょ?」

「とりあえずどこか行ってください」

「良いじゃない、ズボンは履いてるんだから。流石に下もスケスケは見せたくないわぁ」

「「こっちも見たくないし(ね)」」

「皆おはよぉ、うん」

「おはよう、朝から強烈なものを見てしまってまた寝込みたい気分なんだが…」

「介抱してあげましょうか?」

「「「「遠慮しておく」」」」

「ところでルピシーまだ起きないの?さっきから置きるそぶりも無いんだけど、うん」

「近くで話しているのに、死んでるのではないかと思うほどの熟睡振りだな」

「あー、こいつは一回寝ると起きるのに時間が掛かるんだよね。でも魔法の言葉があるから大丈夫だ」


ルピシーのベッドの近くまで行き耳元でこう囁く。


「早く起きないとご飯の時間が終わりますよ」

「メシィーーーー!!あれ?飯は?」

「な?」


聖育院じっかにいた時からこの言葉を言えば直ぐ起きていたからな。

まぁ、俺も最初この魔法の言葉を知らなくてロベルトから教わったんだけどな。


「モキューーー!」

「ってお前もかよ!!」

「食べることに関する執念がすごいね、うん」


人間と動物の枠を越えた似た物同士だな。


朝の支度を整え学食で朝食を食べた後、中央棟前の広場へ集まれと言う指示が出たので例の本を頼りに講堂へ移動する。

移動した先に男の先生が立っており学園の授業の受け方などについてマイクのような物と、自分の横の空間にペンらしきものを使って光の文字を書いて説明をしていた。

後で聞いたが拡声型魔道具マジックアイテムと、光魔法を封じ込めた魔道具マジックアイテムの一種らしい。


「さて。皆さん入学おめでとう。早速ですが学園の授業ルールのようなものについて話しておきます。授業は1授業50分で朝9時から夜の20時までの授業があり、週ごとに受けることが出来科目が違います。月~土曜日までに好きな時間に好きな科目の授業を受けていくシステムです。しかし、授業は時間も決められているので自分たちでカリキュラムを作成してください。週に一回しかない授業もあるので気をつけるように。夏休みと冬休み以外はほぼ年中無休です」


マジか、大学みたいだな。しかもそんなことを6歳児にやらすのかよ。結構ハードだわ。

大体自分たちでカリキュラム作れって子供に対してかなり無理があるぞ。


「授業を受けたら先生に確認を受けに行ってください。先生が持つ魔道具マジックアイテムで出席確認をします。不正防止で教室には授業途中から入れないようになっています。途中退席は出来ますが、授業中に再度入ることは出来ませんのでトイレは早めに済ましておきなさい」


なるほど、ズルを防止するためか。


「月~土曜日までに受けた授業は日曜日に小テストをします。その小テストに合格すると次の授業に進めます。不合格の場合また最初から受け直してもらう形です。そして学期の中頃に中間テストを行い、夏休み冬休み前に期末テストを行います。」


うわぁ、テストの数が半端ないな。

周りを見回してもすでに魂が抜けてる奴がいるし、ルピシーとかルピシーとかルピシーとかが。


「単位を落とさないようにがんばってください。分からないことがあれば手の余っている教員や親しい先輩方に聞きに行きなさい、留年もありえる話ですからね。飛び級もありますが1年生は必ずこの1年間は他の生徒と一緒に過ごしていただきます。2年進級時に成績優秀者の希望者には飛び級試験を実地しますので、希望者はその時に説明会に参加するように」


前世で言う小学生時から留年制度あるのかよ。もし留年したら針の筵なんだけど…


「先程好きな時間に授業を受けて良いと伝えましたが、どうしても余りの時間が出てきます。その時間は自習や自分の好きな時間に使ってかまいません。中等部や高等部にある研究施設や工房で実験開発をしても良いですし、迷宮に潜るのもかまいません。ただし、聖帝国籍の生徒は例外を除き成人になるまでは正式に迷宮への挑戦は許されていません。逆に留学生などの聖帝国籍ではない生徒は迷宮に潜る時には許可は要りませんのでお好きにどうぞ。ただし学園入学の時に交わした誓約書の内容は守ってくださいね」


契約書。あの話って本当だったのか。

まぁ、体が出来上がっていない子供が迷宮に入ってもすぐに死んでしまうからなんだろうけど、もどかしいな。

しかし、他国人の命は別にどうでも良いのか。前世の価値観がある俺からすると物凄く違和感があるけど、割り切り方が凄いな。


「聖帝国籍の生徒にも成人前の迷宮へ挑戦のチャンスはありますが、それは自分で調べてください。サンティアス学園は自主性を重んじますから。授業やイベントに出るも出ないも生徒次第です。ただし、生徒の自主性次第なので複数回警告はしますが目に余れば当然退学も十分ありえます。」


マジで自主性だな。やる事やらなかったり努力しない奴は落とされると言うわけか。


「細やかな説明は後日行いますので今日は解散してください。授業時間の説明本と学園における基本的ルールと施設案内の本を配りますので順番にあちらへ並んでください」


そう言って指差すほうを見ると特設コーナーらしきブースが広場の横にあり、教員や上級生たちが俺たちを待っていた。


「では本日はその本を見て学園内を探検するのもいいですし、他の生徒と授業のカリキュラムを組みながら親交を深めるのもかまいません。それでは解散してください」


男の先生はそう言い残しさっさとブースの中に混じっていった。

随分とあっさりしてるな、あの教員。

まぁ、長々と話されるよりかはずっとマシだけどな


俺は仲間と一緒に早速特設ブースへと向かい、本を受け取り内容を確認しつつ皆にこれからどうするかについて質問してみる。


「で、どうする?俺は探検派なんだが」

「僕もそうかな、カリキュラムは探検しながらでも出来るしね」

「ぼくも探検したいね、うん」

「俺もだ!!」

「私も探検派だ。学園の地理に早く慣れておきたい」

「あたしも探検派ねぇ」


おお、全会一致だ。


「じゃあ、どこから行こうか?僕はまず教室を見てみたいな」

「俺は鍛錬場が見てみたい!」

「ぼくは実験室か温室かな、うん」

「この本によればプールもあるらしいぞ。流石は聖帝国だな」

「俺は皆についていくよ」

「相変わらず流されるわねぇ。あたしは工房が見てみたいわ」

「いいじゃん別に。あ、でも図書室は見てみたいな」


早速とばかりに歩きつつ学園の探検をして改めて思ったことは広い…広すぎる!

何だこの広さは、マジで回りきれないんだけど。

他のメンバーも広すぎて困っているぞ。


「もぉ!なんなのこの広さ!?広すぎるのにも限度があるわよ!」

「つかれた…うん」

「これは歩くだけでもいい鍛錬になるな!」

「移転陣があるから最初から使えばよかったね…」

「だな、広すぎるから移転陣や魔車でんしゃが必要なんだろうな…」

「モッキュ!」

「お前は歩いてないだろうが!!何『情けないなぁ』みたいな雰囲気でえばってるわけ?とりあえずお前は浮いてないで歩けやーーーー!!」


公星の態度にイラつきつつ歩き続け目的の場所は確認できたが、皆疲れて言葉も無い。

帰りは魔車でんしゃを使って帰りました…

移転陣を使わなかったのは、学生が長距離の移転陣を使うのには許可証が要るかららしい。

成績優秀者や特別な理由で歩けない人たちは許可証が贈られるのだと聞いて、俺たちは勉強をがんばろうと誓いあうのだった。

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