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ヒスティマ Ⅴ  作者: 長谷川 レン
第三章 季節と心
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三日目の朝を迎えました

キリからリクに視点変わります


「んぁ……。朝、か?」


 俺は眠たい瞼を光りに照らされて意識を覚醒させる。

 おそらく誰かしらがカーテンをあけたのだろう。

 俺はそんなのは無視。ただ、左手が丁度良い温かさと滑らかで柔らかい感覚を覚えている。

 その感覚がとても気持ちがいいので、俺はそれを手繰り寄せようと握った直後だった。


「ふぁ……っ」


 何やら漏れるようにして聞こえた声。そして握る物は少し手に余る大きさだが確かな弾力を持つ何か。


「ま……さ、か……」


 俺は今目の前で起きている事が嘘だと思いたい衝動に掛けられながら、目を思いっきり開けた。



 ――目と鼻の先で夜に抜けたはずのリクが頬を赤らめて、呼吸が少し乱れて眠っていた。



 俺の腕はなぜかそのリクの首下のから服の中にすっぽりとハマっていた。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



「……で。……な……した……りさ……」

「ち……! 俺は……ねぇ!」

「…………みぐる……よ……」

「だか……れ……!」


 辺りが騒がしい。

 そのために起きたボクは薄い目をあけて上半身を起こす。

 すると窓側で何やらキリが正座で、ソウナがソファに座り、マナが仁王立ちで居ると言う奇妙な場面に立ち会った。

 まだ寝ぼけているのでどういう状況下分からないし、夜中に戦闘をしてまだ眠たいと言う本能に逆らうこと無くボクが二度寝を決めた。

 ぽふんと枕の音が鳴ってその柔らかさにボクは満足しながらまた寝ようとする。


「……リク! お……んなら説明しろ! おい、リク!」

「勝手にリク君の所為にするなんて頂けないわね。昨日、まだディスに制御させてるけど面白い魔法を覚えたの。試し切りさせてもらえない?」


 何だろう。名前を呼ばれてる気がする。

 しかもなんだかボクが話しの中心のような気がする。

 眠いのに、と思いながらもボクは目をこすりながら起き上った。


「何ですか……? キリさん……。夜動いたからまだ眠いんですけど……」

「夜外に出た事は知ってるが今この状況を打破してくれ!」


 どうしてボクが打破出来る鍵になるのだろうと不思議に思う。


「リク君。どうしてキリさんのベッドで寝ているの?」

「それは、ボクのベッドでユミさんが寝ていて……」

「ユミさん~? ユミさんがどこに居るの~?」


 ボクは自分が寝るはずだったベッドを見る。

 もぬけの殻だ。

 どうやらソウナ達が気が付く前に逃げていたらしい。

 ちなみに姿はボクの姿だったのでビックリしたが、昨日の朝のようにボクの姿にでも魔法で変身していたのだろう。


「それで、どうせ――キリさんがじゃあ俺のベッドで寝ればいいじゃねぇかって誘ってくれたので」

「「ッ!?」」

「はぁ!? 俺がいつ!? いつ言った!?」


 あれ? 今ボクは同性だからキリのベッドで寝ようと思ってって言おうとしたのに、勝手に帰られ……まさかっ!?

 ボクはすぐさま自分の体に視線を送り、探した。そうして見つけた物は……。



 ――ユミの物であろう魔力供給線。



(ボクを操る魔法でも使われた!? いつの間に!?)


「ち、違うんです! ボクはただ――ソファでいいって思ったんですけどキリさんがそんなとこだと風邪ひくだろって言って……」


(だから違うってば!! 何でこんな事言わせるの!?)


 昨日キリのベッドに入った時はキリはぐっすりと寝ていて、決してキリが誘った訳ではない。ただ、寝るまではキリの寝ぞうが悪くて変な所を揉まれたりしたがちょっと魔力を込めてつねったらしてこなくなった。


「そうね。確かに風邪を引いたら大変だものね。きっと寒かったのだろうし、温めない(、、、、)といけないわね。そうよね? マナさん」


 あれ? 今の言い訳で納得してくれた?


「うんうん~。温めない(、、、、)と風邪をひいちゃうもんね~」


 ソウナとマナの顔がさわやかな笑顔になる。

 なぜか温めると言う部分を強く言っていたみたいだったが、たぶん気のせいだろうと考える。


 どうやら納得してくれたみたいだ。よかった……。って、あんまり良くない?

 でもこれ以上変な事を言う前に、ボクは口を閉じておいた方がいいかもしれない。


「キリさん。ちょっと地下二階まで行かない?」

「そうそう~。いかない~?」

「い、いや、待てお前ら。誤解だ。俺はそんなことは言わない! 言っていない! しかも明らかにおかしいだろ!?」


 とりあえずまずは魔力供給線を切っちゃえば……。

 魔力供給線は無色で見つけにくい。だが見つけた以上はしっかりと切り裂かないと、体の自由。特に口の自由が聞かない。


「大丈夫よ。風邪を引いたらいけないから、温めるだけだから」

「きっと寝起きで肌寒いだろうから、温めて上げるよ~」

「どう考えてもそれは温めると言う状況じゃねぇ!!」

「ほら、行くわよ」

「やめろ! 離せ!!」


 ボクはルナを呼び出して刀で斬る。そうすることで魔力供給線は簡単に斬れて自分に掛かっていた魔法が無くなった。

 そうこうしていると、いつの間にかソウナとマナとキリの姿が消えている。

 …………。最近、ボク一人だけが置いてけぼりを受けているような気がする。


 とりあえず、朝食にでも行ったのかなと思ったがまだそんな時間では無い。三十分ほど早い。

 結局わからないまま、髪でも梳かそう思ってベッドを立ち上がると、腰下まである髪が落ちる。

 そう言えば、ボクはまだ指輪をしたままだった。

 すぐさま指輪を外して男に戻り、それからドレッサーの前に座って髪を梳かした。

 梳かす事十分。ドアが控えめに叩かれた。


「朝食の準備が出来ました。早くいらしてくださいね」

「わかりました」


 外から聞こえるサラの声。

 ボクはその声に答えると外に出ようと足を向けてから気がついた。


 ……ボク、まだパジャマのままだ。


 だが女の時みたいに着るのに時間がかからないのに安堵し、ボクはクローゼットを開けてノースリーブシャツと半袖ジャケット。先を巻いた反ズボンを選択して着た。

 昨日は長袖長ズボンだったが、今日は魔法を使うのに動きの動作を行う魔法を使うつもりだ。

 昨日ツツが放った魔法に向かって放った魔法。あれを見せれたら、なんて思う。


 ユミの言葉は本当だった。


 ボクは自分を信じたらこういう結果を残せたんだ。少し自信が付いた気がする。

身なりが整ったので、ボクは客室を出て食堂へと向かった。

 廊下には何人かが一緒に歩いているのでボクもその後を追って行き、同じ魔法陣の上に乗って五階へ。


 それから食堂の方へと入って行って……見た。


「あの……どうしてキリさんはそんなに焼け跡が残っているんですか……?」

「…………リク。お前、どうして俺のベッドに……?」


 声が弱々しい。一体、この短い間になにがあったのだろうか?

 そんな疑問を抱きながらボクはキリに質問された事を話し始めた。


「えっと、ユミさんがボクのベッドで寝ていて、ソファの事をすっかり忘れてて、どのベッドで寝れるかって思ったら、同性のキリさんならいいかなって思ってお邪魔させていただきました。ダメでしたか……?」

「そうか……じゃあなんでさっき……」

「ユミさんに……」


 そう言って隣を見た。

 ユミは笑顔で首を傾げていた。

 まるでその笑顔が面白かったよと言っているみたいでしてやられたと、ボクが思うのと同時。


 キリが握りこぶしを作ってユミを睨みつけていた。


誤字、脱字、修正点があれば指摘を。

感想や質問も待ってます。

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