第1話 女の子はじめました I
学園の名前とかまだ考えてないです。
感想ツッコミ大歓迎でふ。
――何かがおかしい。
異変に気付いたのは、準備運動を終えグラウンドを1/4周ほど走りきった時だった。
身体が重い。
惰性で前に進んではいるけど、一度立ち止まったら即刻倒れ込みそうな気さえする。
まひるの言った通り風邪でもひいたのか?
とも思ったが、急激に悪化しすぎているし、そもそも風邪をひく心当たりもない。
ていうか明らかに風邪とかいうレベルを越えてる…
初夏にしては日差しが強く、夏真っ盛りのような陽気ではあるが、それにしたって汗が出すぎてる。
まるで身体中の水分が全部出きってしまうような…
目も霞んできてるしマジでヤバい…かも…
瞬間、全身に何かがぶつかってくる。
何だ?顔にザラザラ…
あぁ…ぶつかってきた訳じゃなくて、
俺が倒れ込んでるのか――――
――――
「……知らない天井だ」
と、気が付いて早々とりあえずお約束を呟いてみたが…
マジで何処だ?
カーテンで仕切られたベッドに寝かされている…
思い付く最後の記憶は体育の授業中…ということは十中八九保健室かな。
病院ほどの設備も見当たらないし。
そう起き上がりながら周囲の確認をしていると身体に若干の違和感。
まだ体調は万全じゃないみたいだな、やけに肩が重たい…
プルンッ
……?
はて?
肩を回そうと上げた腕に妙な感触が…
なんだか心地よい柔らかさと、それでいてしっかりとした弾力の…
同時に肩から胸の辺りに掛けて感じた、引っ張られるような感覚に吸い寄せられるように視線を移す。
「山だ。登らなければ。」
目の前にそびえ立つ山脈に思わず山男の心情に共感してしまう。
ちょっと待て、何故うつむいた先に山が見える?
いや、今までも丘なら見えたことは多々あった。
しかしそれは、もっと下――脚の付け根辺りのはずだ。
ところがどうだ?今見えるそれは明らかにその脚の付け根を覆い隠すどころか、そこに至る過程で出会うはずの割れたお腹さえ覆い隠す。
「…オーケー。一つずつ確認しよう。」
まず色。雪山のような白に所々薄茶色の汚れ。
これは体操服だな。汚れは倒れた時のものだろう。
次に形。真円に近い楕円。
大きく体操服を押し上げたそれをよくよく見ると二つの頂点に向かって若干の皺。
思い当たるのは…肉まん?
しかしこんな巨大肉まんそうそうあるものじゃなし、そもそも下を向いた状態で身体に肉まんが乗っているのはありえない。
えぇ、まぁ薄々分かってますよ。
認めたくなくて無茶な仮説を唱えたりしてみただけです。
「すー…はー…」
深呼吸。
落ち着けー俺ー…
次の確認に入ろう。色んなところから吹き出す冷や汗は気のせいだ。
むにゅう…
「ふぁっ」
感触を確かめるために肉まん(仮)を掴んだ瞬間に色っぽい声が響く。
何処から聴こえたのかはさておき、とりあえずはその質感だ!
柔らかい…。
しかし、ただ柔らかいだけでなく、掴んだ指をしっかりと押し返す確かな存在感。
掴んでいるのに包まれるような安心感と、それに反して両の手にかかる予想外の重量。
「胸だな。」
そりゃそうだ。鎖骨のから鳩尾の間にあるんだから胸だろう。
ではなく。
「おっぱいだな。」
うん。
おっぱいだ。
実際触ったことはないが、これは紛れもなく男子の夢と希望が詰まった女の子の神秘――おっぱい――だろう。
もみもみ
なるほど、こんな素晴らしい感触だったか。
この触り心地を知らないのは人生損してるな。
もみもみ
…て言うかなんか変な感じがしてきた。
胸全体がこそばいようなしびれるような…
いつもお世話になってる大人なDVDのお姉さんもこんな感覚だったのかな…
…っっって!!
「ぬぁあぁぁんじゃぁこりゃあぁぁああぁっっっ!!!!」