邪心を抱くもの
「ところで」
アクセルくんがジュリアーノに尋ねた。
例によって砦の上。
強めの風が吹き、アクセルくんとジュリアーノの髪をなびかせる。
「リューを狙う一味って、どんなのだ?」
「ハンス・アグリッパ。昔いたアグリッパという魔術師の後継者だよ」
「アグリッパ?」
アクセルくんはもう少し、まじめに中世スコラを学んでおけばよかったと後悔。
「俺もさぁ、もーちょい真面目に哲学だの、錬金術だのを学んでおけばよかったなーと後悔してるんだー。先生に教わりたかった・・・・・・」
――あ、同じだ。
アクセルくんは鼻でふふっと笑ってしまった。
「なに、おかしいかい?」
ジュリアーノはゆっくりアクセルくんを振り返る。
「俺と一緒だなあと想って」
「ふうん」
ジュリアーノは視線を戻し、瞬時に剣を抜いた。
「あっ! アグリッパ」
ジュリアーノは真っ青な、カール・マルテルがお気に入りだった、毛皮のマントに似せたものをひるがえし、階段をものすごい勢いで駆け下りると、リューを呼びつけた。
「リュー! どこだ、隠れたのか」
「ジュリアーノ!」
薄暗い、ろうそくの明かりだけがともされた廊下。その向こう側から駆けてきたリューは、ジュリアーノの胸に飛び込む。
ろうそくの、そのきらめきは、お互いの恋心を表すかのように輝いていて、彼らが抱き合っているところへ、壁が崩壊し、眼鏡の男が現れた。
ジュリアーノは左手に剣を持ち、男とにらみ合った。
「アグリッパ、きさま!」
アクセルくんは男の存在に気づくと、拳銃の弾を入れ替え、ジュリアーノの陰に隠れ、撃つ機会を窺う。
アグリッパねぇ^^;
こいつ、すごいアホですから 爆
シリアスもここまでかなー 汗