再開
実家の仙台へ帰った加奈子は
早速、実家の元へ向かった。
一人暮しを始めて
もう8ヶ月になる。
仙台の駅を下りると、その変わらない
のどかな景色に安心感と共に懐かしさを感じた。
「もう8ヶ月にもなるのか〜」と周りを見渡しながら囁いた。
その変わらない懐かしさを感じながら、
ゆっくり実家の元へ向かった。
実家の家が近づいて来るにつれ、段々緊張してきた
すると、前方に女の人がこちらに向かって手を振っている。
「お母さんさんだ」
加奈子は、その女性の無邪気な笑顔とおばちゃんみたいな服装に
うちの母親だと確信した。
加奈子は母の突然の登場に
少し半笑いになりながら、ゆっくり歩いていた。
実家に着き、母との再開。
母は「加奈子〜」と言いながら、軽く抱きしめる。
「やめてよっ」と加奈子は言った。
「変わらないね〜」と母は言った後、
「中に、皆いるからね」と言い加奈子を連れ、
玄関へと向かった。
玄関に入り、母とリビングへ入ると
家族全員、テーブルを囲み座っていた。
テーブルには母の手料理、
ビール、そして真ん中にはケーキが置かれていた。
すると思わず「そのケーキ」と加奈子は言った。
すると母は
「受かったって聞いたからお祝いに急いで買いに行ったのよ」と微笑みながら言った。
すると、おじいちゃんが「今度は加奈子のケーキを食べる日が来るのか〜」と言い
加奈子は苦笑いをした。
軽く3時間はいただろう、辺りは日が落ちてきた。
「そろそろ帰るね」と加奈子は帰る支度をすると
母は満面の笑みで「今日は泊まってきなさいよ〜」と言った
加奈子は突然言われたので驚く。
母は「はいはいっ」と
さっと加奈子が持っていたカバンを手に取り
早速、支度を始めた。
加奈子は「まぁいいか」と今日は実家に泊まる事にした。
朝になると、突然
母が部屋に入って来た。
「いつまで寝てるのよ〜」と言いながら起こそうとする。
「まだいいよ〜」と言いつつ加奈子は起き上がった。
お父さんは
もう仕事の支度をし、
弟は、
高校生だ。
加奈子は「もう帰るね」と言うと
母は「じゃあ朝だけ食べてからね」と言いながら
キッチンで朝食を作っている。
「できた〜」
と言うと母は
朝食をテーブルに置いた。
仕方なくテーブルの椅子に座る加奈子。
「いただきま〜す」と
加奈子は
はしを手に取り
そして懐かしい母の味にひたっていた。