その瞳の奥に宿る気持ち
一話目に人物紹介を作成しました。
ざっくりですがイラストと小話が掲載されてます。
「はい、これチケットね」
「「「はぁ…ありがとうございます」」」
清々しい空に輝く太陽ばりに、輝かしい葛木秋夜の笑顔とともに
渡された1dayパスポート。
…あ、あたしのパスポートにはデイジーがいる…。
これ、パスポート毎に絵柄ちがうのかな。
とおもって、優香ちゃんのパスポートをのぞいたらミッキーだった。
「わ、優香ちゃんのパスポート、ミッキーじゃん!」
おもわずはしゃぐ。
だが小声(だって葛木秋夜いるからね)
「うん、かつみちゃんは?あ、デイジーだっけ?ドナルドの恋人だよね!」
これまた優香ちゃんもディズニーマジックではしゃぐ。
だが小声(やっぱり葛木秋夜の目前だからね)
「俺のは?これなに?なんか犬がいる」とダーヤマ
つられてダーヤマもはしゃぐ。
だが小声(理由はもう割愛
「あ、それねぇ、グーフィー、じゃないや、プルートだよ!ミッキーの愛犬だよ確か!」
「え、ねずみが犬かってんの?下克上にも程があるだろ」と、ダーヤマが
私好みの返しをしてくれるので思わず
「ぶっっ、あっはははは、それいったら、夢の国はじまんないからっあはは」
「あははははは!」
おもしろーい、と喜ぶ私と優香ちゃん。
「…仲いいよね。山田達」
そこへぽつり、と だけど耳に心地よい甘い声が落とされた。
イケメンの声って、騒音の中でも綺麗に聞こえるもんなんですね。
てか、そんなこと、どうでもいい…!!!!
いま、わたしたち、あろうことかあの葛木秋夜をハブって
会話して笑ってた…!!!!!!!んじゃない…?!
と三人同時に気づき、
三人同時にギギギ、と首をまわして葛木秋夜の顔色を伺ってみたら
目に毒なくらい綺麗な笑顔で自分のパスポートをこちらに見せていた。
「俺のパスポート…ドナルド、だって。
…ね、杉浦さんと恋人同士、、だね」
ぶわっっっっ…!
その時、葛木秋夜から発せられたオーラは
おそらく、通常の3倍だった。(当社比)
しかも通常オーラに3割増で「妖艶」という成分が混じっていた。(当社比)
そのオーラを受けた常人はどうなるのか。
答えは 固まった。
そらもー見事なまでに固まった。
むろん、優香ちゃん、ダーヤマも固まっていた。
たっぷり10秒以上はかたまったとおもう。
けど体感時間的には3時間くらい、フリーズしたんじゃないでしょうか。
ゆるゆると、思考が戻る。
(え、これ、笑う、とこだよね?
え、でもこれ、私みたいな三軍女子が笑ってもいいとこ?
笑ったら逆に、なんなのお前ってかんじ?
けど、ここで赤面とかしたらマジレスになっちゃって、
冗談通じねーなクソがってならない?
てかそもそも!葛木秋夜って私の事嫌いじゃんね…!
どういう反応がこれ以上好感度下げない為の選択なの…!
あぁ、乙女ゲーのように二択で選択肢でてくれないかな…!
どう動いていいか、わからない…っっっ)
毛穴という毛穴から冷や汗がでて
一瞬にして体感温度がマイナス40度で
吐息がダイアモンドダストになりそうです。
そこへなんとか彫像から生身へとふっかつしたダーヤマが
「…っあ、あのさ、お、おれトイレいきたいんだけど
どこにトイレあるかな…?」
と助け舟をだしてくれた!
前回といいダーヤマよ、ナイスガーーーーッツ!いいよいいよーーー!
さっそく私が、案内しましょう!
いきましょう!ね!
っと、体に血を巡らせて稼働準備にはいった0,01秒ー
「あ!私もいきたいんだった!ダーヤマ君一緒に行こ!
かつみちゃん、ちょっとだけまっててね!」
と、いつもどちらかといえばおっとりで腰の重いはずの優香ちゃんが
スター状態のマリオなみに素早い動きで
ダーヤマを引き連れてトイレへと行ってしまった。
よっぽど、せっぱつまった状況だったんだなぁ…。
うんうん、トイレは我慢しちゃいけないよ…。
膀胱炎になると、ちょーつらいってきいたことあるもんね。
………………え、…て、ちょ、はい?
はぁああああああああああああああああい?
お、おお、おおおお、ナイスガーーーーッツじゃないよ
ダーヤマに優香ちゃんんんんん!!!
お、おい、おいて、おいていったなーーーーー!!!
え、いま、あれじゃん?
いま、あたし、葛木秋夜とマンツーマン…なんじゃ、、、ないの…
この状況で…!
と、恐る恐る見上げたら
葛木秋夜とばっちり目があった。
その瞳はけぶるような長い睫毛におおわれてた。
それ、マツエクです?何百本盛ったんです?みたいな睫毛。
そんな長い睫毛の中にある黒く濡れた瞳には、
うねるような熱と、そしてー怒りーをはらんでいた。
ちょ、ちょぉおおおおおお
冗談抜きで超こえーーーーーーーっつの!!
マジギレしてませんか、葛木秋夜!?