ワインダンジョン全階層1
「まいどー!なんでも屋です」
インターホンを鳴らして、そう告げる。
「リッカ君、待ってたぞ。中に入って来てくれるか」
「お邪魔しまーす」
毎回同じやり取りしてる気がするな。
まぁ、月に2度だからそんな感じにもなるよな。
「この間のワインも好評だったよ」
「おーそれはよかった。足りた?」
「どうだろう?70本納めてうちの店としては問題なかったよ。実際にパーティで足りたのかはわからないな」
追加で持って来いとかもなかったしねって笑ってるけど、持って来いって言われてもなぁって感じだよな。
ワタナベさんにしてみたら。
葡萄鹿のワインは、そこそこ?かなり?高級なワインらしいからな。
ダンジョン産は総じて高額だぞ。
葡萄蜂のワインも3万円以下では買えないんだよって、ワタナベさんは言ってたけど。
1番弱い葡萄蜂のワインでその金額なら他のワインは…ってことだよ!
「今日は、全階層を回ってくれるんだよな?」
「そのつもりですけど、何かありました?」
ワタナベさんは言いにくそうに、
「すまん、アラートが出ちゃったんだよ」
あー、やっぱり出ちゃったか。
そんな気はしてたんだけどさ。
「どの階層ですか?」
「6階層から9階層なんだよ」
おっと、マジか。
ワタナベさんのダンジョンは全10階層なんだけどな。
「6階層から9階層ってことは、葡萄狼と葡萄虎と葡萄猪と葡萄熊だね」
とりあえず全階層回るから、どの階層がアラートでも問題ないけど、葡萄象じゃなくてよかったかもな。
あいつ強いからな。
「アラート分もプラスするから頼むよ」
「了解だよ。とりあえず今日はタイマー4時間で行かせてもらうね。そこで一旦戻って延長するか考えさせてくれる?」
下層でアラートが出てると、時間が足りないかもしれないしな。
「もちろんだよ。私の方は気にしなくていい。ここで仕事してるから」
「んっ。じゃあ行ってくるね」
ワタナベさんは頼むよと言って扉を開けてくれた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
さてと、久しぶりに1階層から回りますか。
ワタナベさんのダンジョンは、どの階層も森なんだよな。
気をつけないとな。
1階層は葡萄蜂。
色はどの階層も同じなんだよ。
白ワインなら魔物の身体の色はレモンイエローだし、赤ワインならボルドーだ。
たまに変異種なのかな?
身体がピンク色の魔物もいる。
ロゼワインらしい。
葡萄蜂はどのくらいいるのかな?
【索敵】をしてみると、いるねぇ。
感知出来る葡萄蜂の魔力は、100体は越えてるな。
葡萄蜂は弱いからか?
100体越えてもアラートは出ないんだな。
この蜂の厄介なところは、物理で倒すと魔石しかドロップしないんだよな。
なので、剣は【無限収納】に入れたままで。
葡萄蜂の大きさは、母さんのダンジョンのハニービーよりも一回りくらい小さいかな。
同じ蜂だから、【エリアブリザード】で倒せる。
森の木も範囲に入っちゃうが、ダンジョンなので気にしない。
一度の【エリアブリザード】で全滅させた。
魔力込めすぎたか?
魔石とワインを【ピックアップ】したら134個魔石とワインがあったよ。
100体どころじゃなったな、と思いながら2階層へ【転移】する。
2階層の魔物は葡萄兎。
ここも結構な数がいるなぁ。
葡萄兎は、魔法で倒すと、ワインがドロップしない。
葡萄蜂と逆。
葡萄兎の大きさは1メートルくらいあるぞ。
それなら剣で斬りまくればいいだけ。
俺は魔法も物理もいけるからいいけど、どっちかしか使えなかったら厄介なダンジョンだよなぁ。
葡萄兎も100体は越えてるみたいだからな。
サクサク倒していきますか。
2階層の森の中でロングソードはちょっと使いにくい。
木に当たる可能性がある。
木と木の間隔が狭いんだよな。
そしてここの葡萄兎は足癖が悪い。
ものすごい蹴りを繰り出してくるぞ。
まぁ、飛びかかって来たら斬るけどな。
あっ…しまった。
ミスリル剣だと木に当たったら、木が切れてしまった。
俺が抱きついたらギリギリ腕が回るくらいの太さの木なのに…。
そりゃそうだよな。
アイアンゴーレムだって斬れるんだもんな。
そりゃ木だって切れるよな。
気をつけないとこの辺開けちゃうな…。
いや、ダンジョンだから気にしなくて良いのか?
結局、葡萄兎の2割ほどの木を切り倒してしまった。
葡萄兎は106体いたみたいだな。
回収したワインと魔石の数がそれだけあった。
次は3階層の葡萄栗鼠だな。
こいつら木の上から口に含んだ木の実をバレットみたいに飛ばしてくるぞ。
しかも当たると爆発する。
【鑑定】したら、木の実爆弾って出て来たからな。
しかも地面に当たっても爆発しないんだよ。
もちろん俺のどこかに当たれば、爆発するぞ。
【結界】を張ってても、【結界】にぶつかれば当然、爆発はする。
いくら【結界】があって、怪我をすることはなくても衝撃はあるんだよな。
なんとも嫌な木の実爆弾なんだよな。
葡萄栗鼠は葡萄兎ほど、大きくはない。
1メートルもあったら、木の枝が折れるし、どこにいるか丸見えだろ?
だからか60センチくらいなんだけど、【気配希薄】とか【認識阻害】を持ってるらしくて、見つけにくい魔物なんだよ。
【魔力視】だと目視よりはマシだけどな。
木の枝にいる時に倒さないとワインがドロップしないんだよな。
【ウインドアロー】とか【ウインドバレット】とか【ロックバレット】とかで倒すしかない。
いざとなったら、【バインド】で捕獲してから倒すけどな。
92体いたぞ。
ここで1時間か。
ちょっとペースが、遅いか?
お読みいただきありがとうございます!
もしよければ評価もおねがいしますm(_ _)m
トーヤのテンションがあがります(笑)
感想、誤字脱字報告もありがとうございます。
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