第二章 Ⅶ
第7話お願いします!
時間がないので前書き、後書きは省略させていただきます!
申し訳ありません!
「でも、この呪いの影響で子孫たちが血を結びつけ続けないと国が滅びることになるなんて思わずにね」
かなり重要な、重すぎる事実を、あっけらかんとお茶の銘柄でも語るような口にする彼女に驚きを隠せなかったのはアイザックもノクターンも同じだ。
「もしかして、俺たちの結婚って……その、とんだとばっちりの一部みたいな」
「もっと抗いようのない、重厚な宿命だと思ってましたわ」
口々に、裏切られたような虚脱感を漏らす2人は、すでにレイヴンにとって想像通りだったのだろうか?
雲が切れ、窓から差し込んだ月光がスポットライトのように、2人を照らす。だが、その光を一身に浴びる2人よりも、背後の闇に溶け込むように、妖しく微笑むレイヴンの方が、一際異彩を放ってみえた。
「そうねぇ。まぁ、語り継がれ続ける歴史なんて案外そんなものよ」
興味なさげにそういうレイヴンは事実どれだけそれが重要であろうと。
きっと、夜露に濡れた石ころのひとつほどの価値もないのだろう。
「と、まぁ簡単にいえばそんな感じ。他に何か聞きたいことはあるかしら?」
「じゃあ、もしもここで俺たちが仲違いしたら。サンスーンとルナイトは掻き消えるってことか?」
詰め寄るアイザックはもはや貴族としての取り繕いを忘れ、一人称が俺に戻っていることも気づかなかった。
「まぁ、そうかもしれないわね」
末恐ろしい。それを簡単にいってのけるのはなんでだろうか。
この国も、故郷の国も。まるで蝋燭が溶けて無くなるみたいに。何事もなかったように消え失せてしまうというのならば。
そんな不条理が許されていいはずがない。
それだけは、それだけは。
「それだけは、それだけは断じて避けなければなりませんわ」
「王朝との戦と同じくらい」
「あらぁ、まだそんな時代遅れの大層な御題目を掲げてたの?」
「掲げるに決まってるでしょう!」
必死に喰らいつく2人を見て、レイヴンはくすくすと喉を鳴らした。
彼女は流れるような、所作で本棚へ手を伸ばし一冊の本を差し出した。
「これ、あげるわよ。あ、読み終えたらきちんと戻してちょうだいね。ご先祖様に化けて出られたらたまらないもの」
「え?これで何をしろと?」
「呪いの詳細が書いてあるのよ。あなたが一番気になっているものじゃないの?」
「まぁ」
レイヴンは言葉を濁して曖昧に返事をするアイザックを見て、ノクターンを見た。
手に取ろうとするアイザックに待ったをかける。
「さぁ、貴方たち」
「アホな先祖の尻拭いをする覚悟はあるかしら?」
ゴクリと唾液を飲んだ。喉の奥が引き攣る。
緊張が走り、空気が張り詰めた。
それでも隣のノクターンが一歩。覚悟に満ちた表情で歩みを進めたから。
アイザックも顔を上げた。
「もちろんですわ。わたくしはこの国の次代を背負う女王ですわ。その程度の厄災、ひねり潰してみせますわ」
「彼と共に」




