第二章 Ⅱ
こんばんは。いつもお読みいただきありがとうございます。
第二章第一話ではソフィーの最悪のミスで物語が終わりました。
今回はそれを拾ったアイザックから話が始まります。
どうなるのか。楽しみにしていてください。
拾った手紙に目を向ける。
それをアイザックが拾ったのは朝の散歩の時だった。
来たばかりで一人で散歩もどうかと思ったものの、部屋にいるのも息苦しくて。
部屋の外へ出た。
サンスーンとは違う、魔物の壁画が飾られている不気味な廊下を歩いているときに目に入ったのがその手紙だった。
まぁ、最初は気味が悪いと素直に思った。
あんな不気味な壁画の下に落ちていたのだから。
それでもその手紙を拾い上げたアイザックは少しだけ開いたその便箋に「親愛なるお母様へ」そう書かれているのを見て開くのを躊躇した。
でも、それ以上に手に触れて広がった『戦争回避はできないかもしれない』。
そんな衝撃的な言葉を見て、彼は開かずにはいられなかった。
アイザックは便箋を開いた。
文章に目を通し始めた。
親愛なるお母様へ。
今日、王城に来てから珍しく予知夢を見ました。
戦争回避はできないかもしれません。
夢では、ノクターン様が血に濡れた剣を手に、悲しい顔で月を見上げていました。
大魔女と呼ばれるお母様ほどの精度は私の予知夢にありません。
あたるも八卦、あたらぬも八卦が良いところでしょう。
ですが、当たってしまったら。
それが恐ろしい。
お母様。どうにかなさっていただけませんか?
我儘な娘で申し訳ありません。
ソフィー・ロザリア=ウィッチより。
P.S.
太陽王と月の魔女の関係は繰り返されるばかりなのでしょうか。
その便箋に書かれていた言葉を見て彼は愕然とした。
戦争が起こるかもしれない、簡単にいうとそういうことらしい。
自分にとっては、きっと他人事なんだろう。
冷静に考えてアイザックはそう考える。
所詮政略結婚だ。
結局打算の上に成り立っているものでしかないんだろう。
昨日のノクターンの冷たい国王の顔が頭に浮かんでは消えた。
彼は血濡れた剣という部分を何度も読んだ。
ノクターンは、何を望んでいるのだろうか。
けれど、アイザックのその思いも追伸の部分を読んで無くなった。
「太陽王と月の魔女」。
それは、何を表しているのだろうか。
もしも、ノクターンが月の魔女だとするのなら。太陽王はきっと自分だ。
ノクターンはこのことを知っているんだろうか。
手紙の持ち主であろうのソフィー・ロザリア=ウィッチの名はアイザックにとって聞き覚えのあるものだった。
先日侍女の雑談の中にあったソフィー様。おそらく彼女のことだろう。
そうだとするならば。このことをノクターンは知っているのだろうか。
そこまで考えたら、何をするかは決まっていた。
彼はかけだした。
それをみた侍女はこう語る。
「今日は走ってる人が多いわねぇ、アイザック殿下といい、ソフィー様といい」
そう言われるほど、王城内を疾走していた。
元々、座学が苦手な分騎士学だけは学園内でも一二を争う腕前だったアイザックだ。
その足の速さは目を見張るものだった。
まだついてしばらくしか経っていない王城内で知っている道を選び走る。
ノクターンの部屋につくと一二回のノックで済ませ、戸を開けた。
「ノクターン。朝早くに申し訳ないですが。これをみていただきたいのですが」
机で筆を取っていたノクターンはその言葉で振り返った。
第2話までお付き合いいただき、ありがとうございました!
アイザック殿下、まさかあんなに早くノクターン様の元へ走っていくとは!予想外の展開で楽しんでいただけたなら嬉しいです。
彼は「政略結婚の道具」としての劣等感に耐えられず、ノクターンの冷たい顔の裏にある真実を知りたいという強い意思で動きました。その行動力が、彼を物語の主体に変えていきます。
一方、手紙の紛失を知ったノクターン様とアストル宰相は、今、最大の危機に直面しています。
次回、ノクターン様が、手紙の内容をどう弁明し、アイザック殿下に何を語るのか、そして、ルナイトの真の狙いが少しずつ明らかになります。
ブックマーク、評価、そして感想が、執筆の何よりのエネルギーになります!
次回もお楽しみに!




