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クォヴァディス ―滅びの剣と竜姫の誓い―  作者: フォンダンショコラ
第1部 序章 竜の姫と滅びの剣
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挿入歌 陰謀 かくあれかし

 帝国のとある尖塔の中にその空間はあった。

 そこは薄ぼんやりと輪郭が見えるだけの昏い部屋だ。

 かろうじて円卓と周囲に配置された椅子が有るのが分かる程度だ。

 椅子は8脚あり、八人がそれぞれ座っている。みなフードを被り表情は見えない。

「邂逅は終わったようだな」

 しゃがれた男の声が響く。誰かが喋った動きはない。にも関わらず声だけがどこからか響く。

「計画は次の段階へ」

 老婆のような少女のような女の声が楽しげに言った。

「遅いぞ、首尾はどうなっている?」

 若そうな男の声が苛立たしげにいった。

 部屋の作りのせいか声は反響し、誰が話したか判別がつかない。

「報告通りだとすれば、予定通り奴らはアレを自分たちの巣への持ち帰るようだ」

 今度は女の声がした。

「ふむ。世界の守護者というわりには奴らはなんとも無警戒よ」

 老人の声がいう。

「自らが害されることはないと高をくくっているのだろう」

 子供の声が嘲笑うように話した。

 そこからは様々な声が輪唱するように続く。

「これで忌々しい守護者気取りを排除できるな」

「長い道のりであったが、これにて我らが大神の大願成就の大きな一歩となろう」

「トカゲ共の絶望が」

「我らが悲願の成就が」

「世界律の名のもとに」

「旧世界の遺物に鉄槌を」

 数々の声がまるで輪唱するかのように発せられた

「では、諸君。始めよう。世界に変革をあたえようではないか」

 その言葉を最後に明かりが消え失せ、円卓は闇と静寂に包まれた。


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